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小児期トラウマがもたらす病

皆さま、こんにちは。

カラダを通して魂を癒すドクター、矢崎智子です。


今回は、私のインテグレートヒーリング(IHで体の調整の中心となっている、「脳の調整」について書こうと思いましたが、その前に、ACE研究というものについて、ご紹介したいと思います。

ACEとは、Adverse Childhood Experiences(逆境的小児期体験)のことです。



1980年代よりアメリカで行われてきたACEについての数々の研究により、子ども時代の逆境体験と、成人後の身体疾患および精神障害(具体的には、心臓病、がん、自己免疫疾患、線維筋痛症、うつ病など)の発症に因果関係があることが、科学的に明らかになっているのです。


逆境とは、

・暴言や侮辱

・精神的または物理的なネグレクト(育児放棄)

・身体的または性的虐待

・親のうつ病、精神疾患、アルコールや他の物質への依存

・母親(時には父親が)やきょうだいが虐待される場面を目撃

・親の別居または離婚

・親との死別

・居住する地域における暴力

・貧困家庭

・クラスメートや教師によるいじめ

などが挙げれられます。


ACEスコアが高ければ高いほど、その後の診療を受ける回数は多く、説明のつかない身体症状が増えるそうなのです。



どんな影響を受けるのか・・・

例を挙げると


ACEスコアが「4」の人は、「0」の人に比べて、がんと診断される人が2倍

ACEスコアが1増えるごとに、成人後に自己免疫疾患で入院する人が20%上昇

ACEスコアが「4」の人がうつ病になる確率は、「0」の人の4.6

ACEスコアが「6」以上の人は、寿命がおよそ20年短い

ACEスコアが「7」以上の人は、飲酒も喫煙もせず、肥満でも糖尿病でもなく、コレステロール値が低くても、心臓病のリスクが「0」の人の3.6


などの結果が出ているそうです。


子どもが逆境体験をすることによって、子どもの具合が悪くなるという話ではなく(なる場合も多いでしょうが)、その体験から何十年もたった、成人してからの病気に、子ども時代の体験が関係している、という(一般的な医学常識からすれば)衝撃的な研究なのです。



ではなぜ、子ども時代の逆境と、成人期の疾患が関連するのでしょうか?

それには様々な理由があります。


ストレスを受けると、それに対抗するために「視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)」や「視床下部-交感神経-副腎髄質系(SAM系)」が反応します。

それにより、いわゆるストレスホルモンであるコルチゾールや、アドレナリン、ノルアドレナリンなどが分泌されます。

アドレナリンなどのストレスホルモンが出ると、免疫細胞を刺激し、サイトカインという炎症性物質が放出されます。

慢性的なサイトカインの放出は慢性炎症を引きこし、臓器はゆっくりと損傷を受けます。

慢性炎症は「万病の元」であり、様々な疾患に炎症が関与していると言われています。


日薬理誌 (Folia Pharmacol. Jpn. )137. 185~188 (2011)よりお借りしました)


ストレスが長期間に渡ると、ストレスに関連する遺伝子にエピジェネティックな変異が起こり、その結果、ストレス反応が制御できなくなります。

普通なら、ストレスが起きても、それが過ぎればストレス反応のスイッチが切れ、元の状態に戻るはずが、スイッチオフにする遺伝子がオフになっているため、ずっとストレススイッチが入りっぱなしの状態になってしまうのです。

すると、延々とストレスホルモンが分泌され続け、慢性炎症が起き続けることになります。

つまり、慢性的なストレスが「病気の温床」となる慢性炎症を生み出し、その結果、何十年も経ってからの病気を引き起こすのです。

とくに発達段階の子どもの脳は、このような影響を受けやすいと言われています。


また、小児期の逆境体験によって、子どもの脳が影響を受けることもわかってきています。



例えば、

・子ども時代の性的虐待で大脳皮質の視覚野の容積が18%縮小

・体罰によって右前頭前野内側部(理性をつかさどる)の容積が19.2%縮小

・両親のDVを4年間目撃すると、視覚野容積が16%縮小

などが明らかになっています。


子どもの時代の長期にわたるストレスが、子どもの脳に器質的な変化を起こす、言い換えると「物理的に変形させる」というのです。


ストレスは脳のミクログリアを活性化し、脳で神経炎症を起こします。

その結果、正常な脳のニューロンが破壊されてしまうのです。

ACEの体験者では実際に、うつ病、双極性障害、不安障害、摂食障害、慢性疼痛(痛みは脳で感じます)、統合失調症などのリスクが上昇します。


逆境を体験した子どもでは脳の「扁桃体」の過剰反応が引き起こされていることもわかっており、さらに前頭葉がそれをコントロールすることができにくくなるため、思考力の低下、マイナス思考、不安、感情的な反応、などが起こりやすくなります。

そして欲求が満たされた時に喜びや快楽を感じる脳の「報酬系」も障害を受けることもわかっています。

つまり、人生に喜びを感じられなくなってしまうのです。


また、子どもの頃のストレスにより、寿命に関連する遺伝子のテロメア部分が短くなることもわかっているそうです。


これらの複合的な結果により、子どもの頃の逆境体験が成人期の病気を引き起こすわけです。

(もちろん、病気の原因はACEだけでなく、有害物質や栄養不足など他の要因もあります)



書いていると胸が痛くなってきますが・・・(T_T)


こういったことは、心理カウンセラーや、ヒーリングをやっている者にとっては当たり前というか、根本原因はそこでしょ、とわたし的には当然に思っていたことなのですが、それを患者さまや医療従事者にお伝えすると、「まさか~」とか「そんなこと関係あるわけないでしょ!」、という反応をもらうことがあります(時として、鼻で笑われるようなことも・・・)。

それが、このように科学的データで示されるようになったことは、隔世の感があります。


これが、なぜIHで脳の調整をするのか、という話につながっていくわけです。


続きます。

(いつになるかわかりませんが、なるべく早く書きたいと思います・・・(汗))


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このような体験をお持ちの方のハートが閉じてしまっているであろうことは、想像に難くないですね・・・

7月8日終了しました

8月19日(日)

アタナハクリニックにて、聖マリアのハートヒーリング会を行います。


受付時間:昼12時~17

所要時間5分~10分前後

費用:プラクティショナー:2,000円

矢崎:5,000円

ご予約は必要ありません。いらした順番での施術となります。

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皆様のお越しをお待ちしております(^ ^)