卵巣の病気について知りたい! 原因や症状を解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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女性だけが持っている臓器『卵巣』。普段はほとんど意識しませんが、赤ちゃんの元になる卵子を産み出したり女性ホルモンを分泌させる重要な臓器なのです。でも、この卵巣は病気になりやすいってご存知でしたか?

そこで今回は卵巣の病気についてご紹介します。卵巣疾患に年齢は関係ありません。むしろ若い人のほうがなりやすい病気もあるのです。二次性徴を迎え月経が始まった女性すべてに卵巣の病気のリスクがあるといっても過言ではありません。

  1. 代表的な卵巣の病気は?
  2. 卵巣疾患の原因は?
  3. 卵巣の病気を早期に発見するには?

1.代表的な卵巣の病気は?

ひとくちに卵巣の病気といってもいくつかの種類があります。この項では比較的患者数が多い卵巣の疾患について説明していきましょう。卵巣の病気は女性であれば誰でもなる可能性があるのです。少しでも違和感があるのならすぐに病院に行って診察をしてもらいましょう。

1-1.卵巣のう腫

最もポピュラーな卵巣の病気です。チョコレートのう腫・卵巣筋腫も卵巣のう腫の一種なのです。のう腫とは卵巣にできる腫瘍のこと。卵巣腫瘍=ガンと考えがちですが、実際に卵巣にできる腫瘍の9割は良性です。

卵巣は卵子を産みだす場所ですので、体の中で一番細胞分裂が活発な場所のひとつ。ですから腫瘍もできやすくなっています。

ちなみに、前述したチョコレートのう腫は子宮内膜症の方がかかりやすい病気です。子宮内膜症の治療中の方は注意をしておきましょう。

1-2.卵巣がん

卵巣にできるのう腫のうち悪性のものを卵巣がんといいます。前述したように、卵巣は腫瘍ができやすい臓器で、そのうちの1割が悪性になるといわれています。卵巣がんの厄介なところは、悪化するまでほとんど症状が出ないということ。ですから手遅れになる前にこまめな検診を受けることが大切です。卵巣のう腫を発症したことがある方はできるだけ毎年検診を受けましょう。

1-3.卵巣炎・卵管炎

これは大腸菌やクラミジアの菌が卵巣や卵管に侵入することにより起こる病気です。卵巣と卵管が同時にはれることが多いため、別名子宮付属器炎と言われています。この病気が原因で流産や子宮外妊娠になることもあるので、しっかりと治療をすることが大切です。

なおクラミジアに感染している場合はパートナーとの治療が不可欠です。男性が産婦人科を受診するのは勇気がいるかもしれません。しかし、パートナーが治療をしないと再度感染する可能性が非常に高いのです。

2. 卵巣疾患の原因は?

卵巣疾患の原因といったいどのようなものがあるのでしょうか? この項では代表的なものをいくつかご紹介していきます。尚、これが原因のすべてではありません。心当たりがなくても病気にかかってしまうことは決して珍しくないのです。

2-1.他の病気から

チョコレートのう腫や卵管炎卵巣炎などは子宮内膜症やクラミジアなどの他の病気が引き金になっておこります。

卵巣は別名『沈黙の臓器』と言われるほど症状が進むまで痛みなどの症状がありません。ですから、子宮内膜症やクラミジアになってしまったら治療と共に卵巣の状態も確認しておくことが大切です。

2-2.ストレス

ストレスは万病の元といわれていますが、卵巣の病気もストレスが原因という場合が多いのです。ストレスがたまれば女性ホルモンのバランスが崩れ、月経が乱れたり止まってしまったりします。これは卵巣の機能が乱れたり停止しまっていることの証でもあります。

女性の社会進出が進み男性並みに働く女性が増えましたが、その分自分の体を労れない方も増えています。女性の体はとてもデリケート。ストレスがたまらないように注意をしましょう。

2-3.雑菌

卵巣は子宮と繋がっており、子宮は膣と繋がっています。膣の入り口は尿道や肛門のすぐ近くにあるため、雑菌が繁殖しやすいのです。日常的にケアをしておかないと体の抵抗力が弱まった際に細菌感染を起こしやすくなってしまいます。

毎日お風呂に入るのは当たり前として、つねにデリケートゾーンを清潔にしておくように心がけましょう。特に月経中は経血によって雑菌が繁殖しやすくなる時期です。ナプキンをこまめに変えるなど、清潔に保つ努力をしてください。

3.卵巣の病気を早期に発見するには?

卵巣の病気は症状が悪化するまで自覚がないものが多く、重症化しやすいのが特徴です。しかし、卵巣の病気が悪化すると最悪の場合卵巣を摘出しなくてはなりません。そうなると妊娠や出産にも影響が出てくるでしょう。

この項では卵巣の病気をできるだけ早く発見するためのポイントをご紹介していきます。未婚女性にとっては産婦人科は敷居が高いかもしれませんが、違和感に気が付いたらすぐに受診をしてくださいね。

3-1.下腹部の痛みや異常

腹痛は非常にポピュラーな体の異常です。「放っておけば治るだろう」と気にしない方も多いかも知れませんが、下腹部にいつまでも痛みを感じる場合は卵巣の病気を疑いましょう。病気によっては腰痛が出る場合もあります。

  • 月経中でもないのに下腹部に鈍い痛みが走る
  • 痛み止めを飲んでも痛みが治まらない
  • いつまでも痛みが続く

という場合はすぐに病院を受診しましょう。

3-2.月経の異常

卵巣の病気の場合は子宮よりも月経に異常が出る確率は低いです。しかし、血液の量や色が異なる場合もあります。健康な時の月経の状態を把握しておき、異常がある場合は病院を受診しましょう。

また、月経不順や月経の停止も卵巣の病気の可能性があります。普段から月経が不順、という方は一度産婦人科で検診を受けてみてください。ストレスという安易な言葉で片付けてはいけません。

3-3.下腹部のふくらみ

卵巣のう腫が大きくなると下腹部が膨らんできます。「太ったかな?」と思う方もいるかもしれませんが、体重はそれほど変わらないのに下腹部だけポッコリと出ているという場合は卵巣もしくは子宮の病気が疑われます。

たとえ痛みがなくてもそう急に産婦人科を受診しましょう。なお、便秘やガスがたまっても下腹部が膨れますが、その場合は便秘が解消したり、ガスが抜ければお腹はぺったんこになります。混同しないように注意をしてください。

おわりに

いかがでしたでしょうか? 今回は卵巣の病気の種類や原因・早期発見の方法をご紹介しました。
まとめると

  • 卵巣の病気は腫瘍によるものが多い
  • 9割が良性で1割が悪性
  • 病気によってはパートナーとの治療が必要
  • 違和感を覚えたらすぐに病院で診察を受けよう

ということです。産婦人科の診察というとデリケートな部位を医師に診せなくてはいけないということで、躊躇している方も多いでしょう。しかし、卵巣の病気はエコーやレントゲン検査などで診断するので、必ずしもデリケートな部分を見せなくてはいけないというわけではありません。

また、10代の女性は産婦人科にいくだけでも勇気がいるという方も多いでしょう。でも、最近は医師もスタッフも全員女性という医院もありますし、待合室と診察室の間に中待合室を設けてプライバシーを守ってくれる医院も増えています。病気を早期発見するためにも、定期的に卵巣と子宮の検診を受けるようにしましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』