乳癌のしこりの特徴は? セルフチェックと早期発見のポイント

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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不安女性特有の病気である「乳癌(にゅうがん)」。乳癌は発見が遅ければ命を失ってしまう恐れもあり、とても怖い癌のひとつです。乳癌は近年発症率が急激に増えてきており、今後もさらに発症する人が増えると考えられています。「もしかしたら自分も…」と常に疑っておかなければならないでしょう。乳癌に対する不安をもっている人も少なくありません。

そこでこの記事では、乳癌の特徴である胸のしこりはどうやって見つけられるのか、大きさや発生する場所、痛みなど詳しくみていきたいと思います。

  1. 乳癌のしこりの特徴とは?
  2. 判断の基準について知りたい
  3. 早期発見の方法

1.乳癌のしこりの特徴とは?

胸にある“しこり”で乳癌の早期発見になる可能性が非常に高いと言われています。しかし、乳癌と考えられるしこりにはどのような特徴があるのか、何かハッキリ判断できるようなポイントはないのか、知りたい人も多いはずです。そこで、乳癌のしこりの特徴についてみていきたいと思います。気になっている人はぜひチェックしてください。

1-1.しこりの大きさ

乳癌のしこりにはさまざまな大きさがあります。発見時によって大きさは変わってくるので注意してください。しこりの大きさによって乳癌がどのくらい進行しているのかわかるでしょう。つまり、大きさによってどのくらいの度合いになるのか自分で判断できるということです。時間とともに大きくなってくるため、毎日胸のしこりをチェックしておいた方が良いでしょう。

一般的に自覚できる大きさというのは、1cm~2cm程度。2cmの大きさになるとほとんどの人がしこりと分かりますが、1cmではしこりを自覚する人としない人で分かれてしまいます。
胸の大きい人はとくに1cmでも自覚しないでしょう。しこりが3mm以上1cm以内は自分でしこりがあると実感できませんが、超音波で見つけられます。しこりが3mm以内であれば超音波でも発見できません。

1-2.しこりの硬さ

大きさと同じく、大きな特徴となるのが、しこりの“硬さ”です。しこりの硬さは種類によってさまざまですが、一般的には“硬い石のような感じ”となっています。自分の胸を触ってみてもし石ころを感じさせられるようなしこりを見つけた場合は、乳癌の可能性が非常に高いでしょう。悪性か良性か判断するためにもしこりの硬さはとても大切なことです。しこりが大きく、悪性であればあるほどしこりがとても硬くなります。

また、痛みも出てくるでしょう。一方、良性は消しゴムのようなやわらかさといわれています。硬さに関しては触って判断するしかないので小さいしこりはなかなかわかりません。小さいしこりを見つけるためには触る以外にも検査をしなければなりませんが、毎日常にチェックしておくとしこりの硬さの違いがわかるようになるのでポイントですね。

1-3.胸だけじゃない! 脇の下も要注意

乳癌のしこりは「胸」にできるものと思ってはいませんか? 実は、脇の下も乳癌ができるのです。よく胸の外側・内側の上部、外側の下部、中心部ができやすいと言われていますが、胸以外にも脇の下に乳癌のしこりが見つかっている方はたくさんいらっしゃいます。見落とすことのないように、しこりができる場所もしっかり確認しておかなければなりませんね。乳癌のしこり=胸と思わずに幅広い範囲でしこりがあるかどうかチェックしておきましょう。

2.判断の基準について知りたい

2-1.今までと違うようならすぐに病院へ

よく、「乳癌のしこりかどうか判断基準について知りたい」と質問に挙がっていますが、“今までと何かが違う”と感じるようであればすぐに病院へ行ってください。変化がないかどうか判断するためには自分で毎日チェックすることが必要不可欠です。お風呂に入るときにでも自分の胸や脇の下をチェックして今までの様子と変わっていないかどうか調べてください。

そして、今までと違う感触、しこりを感じるようであればすぐに病院へ行きましょう。自分で調べるポイントとしては、あお向けになって胸を触ると良いと言われています。あおむけになった方がしこりがわかりやすいからです。ぜひ試してみてくださいね。

2-2.しこりがない=安心とは限らない

注意してほしいことがひとつあります。それは、しこりがないからといって絶対に安心というわけではないということです。自分で触って見つけられなかったとしても小さいしこりができている可能性はありますし、しこりができない乳癌も存在しています。

実際に、しこりというものは大きさが5mm以上でないと手で触れても感じられません。では、どうすれば乳癌のしこりの有無が判断できるのか…。1番の方法は「1年に1度のがん検診」ではないのでしょうか?

また、後ほど詳しく説明しますが、1年に1回でもがん検診を受けることで触っても分からないしこりが発見できます。必ずしも毎日のチェックでしこりがなくても安心できないということを覚えておいてくださいね。

3.早期発見の方法

3-1.セルフチェックで気をつけておきたいこと

乳癌は早期発見がとても大切だと言われています。発見時の状態によっては治療のほどこしようがなく、そのまま亡くなってしまった方も少なくありません。早期発見のためにも気をつけておきたいセルフチェックポイントについてみていきましょう。

  • 左右の胸に変形・差がないかどうか
  • しこりがないか
  • ひきつれやただれがないか
  • へこみがないか
  • 出血や分泌物がないか

以上の5つのポイントについてしっかり毎日チェックしていってください。できるだけ毎日チェックしてほしいのですが、忙しくて忘れてしまうこともあるでしょう。せめて月に1回のセルフチェックを心がけてください。

入浴前の鏡のまえで両腕を上にあげ、胸の形をチェックしたり、寝るまえに胸の内側・外側をチェックしたりとさまざまな方法があります。自分でできることはすべておこなっていきましょう。

3-2.最低2年に1回の定期健診を

乳癌の発症率は年代によって変わってきますが、若いころはセルフチェックだけでも構いません。しかし、発症率がぐんっと高くなる40代からは最低2年に1回の定期健診が必要になるでしょう。定期健診でしか発見できない乳癌のしこりもあるので積極的に受けた方が良いです。
乳癌の検診では専門の医師による視・触診からマンモグラフィ検査、超音波検査をおこないます。

この中でも、マンモグラフティ検査・超音波検査は触っても分からないような小さいしこりや石灰化されている本当に細かい悪性の腫瘍を見つけられます。職場での検診、人間ドック、地元の住民健診でも乳癌の検査をおこなっているのでぜひ一度受けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

乳癌のしこりについて詳しく説明してきましたがいかがでしたでしょうか? 1番大切なのは、「セルフチェック」と「定期健診」です。早期発見のためにもぜひ検討してください。

  • しこりが自分の手で感じられるのは5mm~1cm程度
  • 硬い石のような硬さ
  • 良性の乳癌は消しゴムのようなやわらかさ
  • 今までと違う感じであればすぐに病院へ
  • しこりができない乳癌もある
  • 月に1回のセルフチェックを忘れずに
  • 最低2年に1回の定期健診を受けること

乳癌の怖さを感じている人はとくに以上の7点に注目してください。理想的なのは、月に1回でもセルフチェックをおこないながら年に1回の定期健診を受けること。そのように乳癌のしこりをチェックし続けていけば初期段階で乳癌を発見できるでしょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』