婦人科で受けられるがん検診とは? 内容をわかりやすく紹介!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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女性がかかりやすいがんの検診をしてくれるのが、婦人科のがん検診です。「がん検診を受けたいけれど、検査に抵抗がある」という方も多いでしょう。

そこで今回は、婦人科のがん検診の検査内容や、注意すべき点をご紹介します。検査を受ける際に痛みはあるのでしょうか? また、検査を避けたほうが良い時期はいつなのでしょう?

婦人科のがん検診を受けてみたいという方や、女性特有のがんの検診を受けたいが不安だという方はぜひ読んでみてくださいね。

  1. 婦人科のがん検診とは?
  2. 婦人科のがん検診の内容は?
  3. 婦人科のがん検診を受ける時期や服装は?

1.婦人科のがん検診とは?

この項では、婦人科のがん検診で行われる検査や、検査をする臓器についてご紹介します。
普通のがん検診とどこが違うのでしょうか?

1-1.婦人科で検査できる臓器は?

婦人科で検査する臓器とは、一口でいうと「女性特有の臓器」、つまり、子宮、卵巣、そして乳房です。乳房は厳密にいえば、乳房の中にある乳腺を検査します。これらの臓器にはいずれのがんが発生する可能性があるのです。しかも、卵巣は細胞分裂が盛んなため腫瘍ができやすく、子宮の入り口にできる子宮頸がんは20代~30代が一番発症しやすいでしょう。

また、がん以外にもこれらの臓器に発症する病気の検査も行えます。女性の体はとてもデリケート。将来のためにも定期的に婦人科で検診を受けることが大切です。

1-2.女性特有のがんとは?

女性だけが発症するがんとして、「子宮がん」と「卵巣がん」があります。また、乳がんも発症するのは99%が女性です。男性特有のがんである「前立腺がん」が比較的高齢者に発生しやすいのに対し、子宮がんの一種である子宮頸がんや卵巣がんは、20代~30代でも発症しやすいでしょう。さらに、これらの臓器は妊娠や出産に関わるもの。治療のためとはいえ手術で切除しなければならなくなった場合のショックは計り知れないでしょう。

しかし、子宮がん、卵巣がん、乳がんは早期に発見すれば各臓器を温存しながら治療も可能です。ぜひ、定期的に健診を受ける習慣をつけてください。

1-3.がん検診を受けるには?

婦人科のがん検診は、望めばいつでも受けられます。また、人間ドックの一種であるレディースドックを受診すれば、通常のがん検診に加えて婦人科のがん検診も行えるでしょう。

ただし、がん検診健康保険の適用にはなりません。ですから、婦人科のがん検診で数千円~1万円、レディースドックを利用すると数万円~10万円の費用がかかります。しかし、一定の年齢以上の女性には「がん検診を行ってください」と診察券付きの案内を送付してくれる自治体も多いです。これを利用すれば、無料~2,000円前後で婦人科のがん検診を利用できるでしょう。診察券が送られて来たらぜひ活用してください。

婦人科では、子宮がん・卵巣がん・乳がんの検査を受けることができるんですね。
はい。スタッフが全員女性の婦人科も多く、精神的な抵抗も少ないでしょう。

2.婦人科のがん検診の内容は?

では、婦人科で行われるがん検診とはどのようなものでしょうか? この項では検査の内容についてご紹介します。

2-1.子宮の検査

子宮頸がんや子宮体がんの検査は子宮から細胞の一部をとって、がん細胞の有無を調べます。細胞の摂取方法は、膣から綿棒などの器具を入れて子宮の内壁から細胞をこすり取るのです。経産婦の方なら、妊娠中の定期検診の様子を思い出してください。子宮の検査はそれとほとんど同じです。未婚の女性の中にはこの検査に抵抗があるという方も少なくないでしょう。

しかし、子宮頸がんは20代~30代の発症が最も多いそうです。しかも、子宮頸がんの原因はHPVというウィルスで、性交渉の経験がある女性ならばだれもが感染している可能性があります。今は医師をはじめとしてスタッフ全員が女性という婦人科も多いですし、下半身はカーテンやバスタオルでしっかりとかくして行いますから、どうかリラックスして検査を受けてください。なお、性交渉のない女性は別の方法で検査を行う場合もあります。

2-2.卵巣の検査

卵巣の検査はエコーを腹部にあて、卵巣の様子を見ます。ブローブを腹部にあてるだけの検査ですので、下半身を出す必要はありません。ただし、エコー検査で異常が見つかった場合は、卵巣の細胞を取る検査を行います。

2-3.乳房の検査

乳房の検査はマンモグラフィーという機械で行います。乳房の上下をプラスチックの板ではさみ、平べったくしてからおこなう検査なので、抵抗がある方もいるでしょう。

胸の隆起があまりない方は、「こんな小さい胸でマンモグラフィーが受けられるのか」と心配される人もいます。しかし、小さい胸でもマンモグラフィーは問題なく受けられるでしょう。また、板に挟んでいる時間は数分なので、痛みはあまりありません。普通のレントゲンを撮る感覚でのぞんでください。病院によっては、マンモグラフィーと合わせてエコー検査を行うこともあります。

検査する部位によって検査方法が違うんですね。
はい。事前に説明を聞いて検査を受けましょう。

3.婦人科のがん検診を受ける時期や服装は?

婦人科のがん検診は、子宮や卵巣の検査です。ですから、生理中は行えません。また、生理前は胸が張って苦しいという方もいるでしょう。パンパンに張った胸でマンモグラフィー検査を受けると、痛みがあるかもしれません。ですから、婦人科のがん検診を受ける際は生理の後がベストです。

予約を入れる際は生理周期を計算して、ちょうど終わった頃に入れるとよいでしょう。万が一予定がくるい、生理と検査日がぶつかってしまいそうな場合は、できるだけ早く病院に連絡してください。検査日をずらしてもらえます。

当日の服装は下着を脱げばすぐに検査ができるフレアースカートが便利です。これならば、下半身を露出しなくても大丈夫でしょう。

また、病院によっては検査着を貸してくれるところもあります。名目はがん検診でも、生理のことや体の不安など医師に聞きたいことはある場合は遠慮せずに質問してください。

最近はスタッフが全員女性の病院はもちろんのこと、女性専用の待合室があったり、よりプライバシーを保てる中待合室が完備されている病院も多いです。検査結果は、だいたい2週間後を目安に郵送で送られてくるでしょう。その際に「再検査が必要です」と記載されていても慌ててはいけません。この段階ではまだ疑わしい、というだけで腫瘍があるかどうかも判明していないのです。

「何だか怖い」と思わずに、落ち着いて再検査を受けましょう。特に卵巣は腫瘍ができやすい臓器ですが、そのほとんどが良性の腫瘍です。

月経の時期を避けて検査を受けるのがおすすめなんですね。
はい。検査着を貸してくれる病院もあります。

おわりに

今回は、婦人科で受信できるがん検診についてご紹介しました。

まとめると

  • 婦人科では女性特有のがん検診ができる
  • レディースドックを受診してもよい
  • 女性医師の病院も多いので、緊張しすぎずリラックスして検査を受ける
  • 自治体が検診費を補助してくれるところもあるので、案内がきたらできるだけ受診する

ということです。

現在は女性の社会進出が進み、多少体がつらくても頑張って仕事をする女性が増えていますね。また、育児と家事と仕事の両立に全力を尽くしている女性も多いでしょう。しかし、その結果がんの発見が遅れ、若くして亡くなる方も同じように増えているのです。女性特有のがんは早期発見すれば予後が良い可能性が高く、臓器の温存も可能でしょう。そのためには、2年に一度は婦人科でがん検診を受けてください。

出産や育児の経験がないと発症する確率が上がるがんもあります。未婚だから、性交渉がないからと安心せず、可能な限り検診を受けてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』