乳がんの初期症状は? 痛みの特徴やセルフチェック・早期発見のコツ

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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乳がん(乳癌)は女性であれば誰でも気になる病気の一つです。しかし、症状や痛みについてよく知らないという人も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、乳がんの初期症状について解説します。これらのことについて正しく理解しておけば、自分の乳房の痛みは乳がんなのかどうかを判断するのにも役立つはずです。

乳がんはとにかく早期発見が大切ですので、症状や痛みについて知っておきましょう。痛みの特徴や早期発見をするためのポイントを3つ紹介します。

  1. 乳がんの初期症状による痛みについて
  2. 乳がんの判断に関する注意点
  3. 乳がんを早期発見する3つの方法
  4. まとめ

1.乳がんの初期症状による痛みについて

乳がん(乳癌)の初期症状ではどのような痛みがでるのでしょうか? まずは乳がんによって現れる痛みについて解説します。痛みがあり乳がんかどうか不安だという方は参考にしてください。

1-1.乳がん以外にも乳房に痛みの出る病気はある?

乳がん(乳癌)の症状として痛みが挙げられますが、乳房にチクチクした痛みを感じたからといって必ずしも乳がんであるというわけではありません。

例えば乳腺症というものがあります。これは病気ではなく良性の乳腺変化のことですが、女性ホルモンが関係していると考えられているものです。乳がんと同じようにしこりもみられるのですが、月経前に痛みが強くなるという特徴を持っています。

このように乳がん以外にもしこりが発生する症状や病気があるので、チクチクした痛みとしこりがあるからといって絶対に乳がんであるというわけではないのです。

次に乳腺炎という乳腺の炎症も痛みが伴います。こちらは抗生物質を内服したり、溜まった膿を取り出すなどの治療が行われるのが一般的です。

1-2.乳がんの症状で出る痛みの特徴

乳房に痛みを感じるとすぐに乳がん(乳癌)を疑ってしまう人もいますが、乳がんの主な症状は痛みではなくしこりです。そのため痛みがある場合は乳がん以外の病気である可能性のほうが高いと言えるでしょう。

ただ初期症状としてではなく症状が進行した乳がんは痛みを伴うので、乳がんになっても痛みを感じることがないというわけではありません。乳がんであった際の痛み方は片方の乳房のうち一部分だけに痛みを感じるという特徴があります。

問題なのは乳房に痛みがあるけれど、乳がんではないだろうと考えてしまうことです。そうではなくもしかしたら乳がんかもしれないという可能性を考えて早めに病院を受診することをおすすめします。

1-3.乳がんとその他の病気を見分ける方法

乳腺炎という炎症で発生する痛みを乳がん(乳癌)の痛みだと勘違いしてしまう人が多いですが、乳腺炎であった場合は乳房全体が痛むという特徴を持っています。これが乳がんの痛み方とは違う点ですが、痛み方の違いだけで判断するのは非常に危険です。

病院ではどのような検査が行われるのかというと、見たり触ったりして調べる視触診、乳腺専用の特別なX線撮影装置を使ったマンモグラフィー検査、超音波を使った超音波検査などがあります。

マンモグラフィーと超音波検査のどちらかだけを行っている人もいますが、マンモグラフィーでは見つからなかった病変が超音波検査で見つかったりその逆もあるのです。そう考えるとできれば両方の検査を行っておいたほうがいいでしょう。

チクチクした痛みを感じても乳がんとは限らないんですね。
乳腺症や乳腺炎という病気の可能性もあります。しかし、乳がんかもしれないという可能性を考えて早めに病院を受診することをおすすめします。

2.乳がんの判断に関する注意点

乳がん(乳癌)かどうかを判断する際、一つの症状だけで決めつけてしまうのは危険です。乳がんかどうかを判断する際の注意点を紹介します。

2-1.痛みがないからといって安心できない

先に乳がん(乳癌)は痛みを伴うことが少ない病気だとご紹介しましたが、痛みを感じたことがきっかけで病院を受診し乳がんを発見した方もいます。中には乳がんの初期症状として痛みを感じた人もいるようです。

乳がんではなかったとしても痛みがあるということは体に何らかの不調が発生しているというサインでもあるので、見逃さないようにしましょう。

普段は痛みを感じなかったもののセルフチェックのためにあまり触らない部分を触ったところ痛みを感じたという人もいるようです。

2-2.しこりだけで判断できる?

乳がん(乳癌)をセルフチェックする方法としてもっとも有名なのは、しこりのチェックではないでしょうか。ですが、しこりを伴う病気や症状は乳がんだけではありません。

乳腺の中に分泌物や母乳が溜まったことで発生するしこりもあるので、しこりが発生したら絶対に乳がんだというわけではないのです。

逆に言えばしこりだけで乳がんであるかその他の病気であるのか判断できないということもでもあるので、早めの受診が重要になります。

ただ、しこりのチェックというのは自分でできる数少ない乳がんの早期発見ポイントでもあるので、日ごろからしこりをチェックするように心がけるといいでしょう。

2-3.早期発見の重要性

乳がん(乳癌)に限った話ではありませんが、病気は早期発見が非常に重要です。どれくらいの状態までを早期発見と呼ぶのかというと、一般的にはしこりの大きさが2cm以下でリンパ節やその他の部位へ転移がない状態をいいます。

2cmのしこりというとかなり大きいですよね。正しくセルフチェックしていれば気付ける大きさだとも言えるでしょう。ただ近年はしこりがない乳がんが増えてきたと言われています。しこりの有無だけで乳がんかどうかを判断することはできませんが、しこりのチェックが乳がんの早期発見につながったケースが多いことは間違いありません。

早期の状態で乳がんを発見できれば9割以上は治るというのも乳がんの特徴です。日本では毎年約4万人の方が乳がんになり、1万人の方が亡くなってしまうというデータがあります。乳がんの治療法にはいくつかの選択肢がありますが、発見が早いほど選択肢の幅が広がるため治療もしやすくなるのです。

痛みがなくても注意は必要なんですね。
発見が早いほど選択肢の幅が広がるため治療もしやすくなります。早期発見はそれだけ重要なのです。

3.乳がんを早期に発見する3つの方法

最後に、乳がん(乳癌)を早期に発見する方法を紹介しましょう。乳がんは早い時期に見つけることができれば完治する確率が高まります。以下のポイントを押さえておくことが大切です。

3-1.乳がんについて知る

乳がん(乳癌)というものがどのような病気なのか正しく理解することが大切です。乳房には脂肪と乳腺というふたつの組織があり、このうち乳腺からのみ乳がんが発生します。

乳がんが最もできやすい個所は乳房のうち外側の上部で、乳がん全体のうち45%近くがこの部位にできるという特徴を持っているのです。そのため、セルフチェックをする際には外側上部を念入りにチェックしましょう。

次に乳がんが発生しやすいのが内側の上部、外側の下部、乳輪下部、内側下部という順です。
左右でも違いがあり、右より左の乳房に乳がんができやすいということも知っておいたほうがいいでしょう。

3-2.セルフチェックを習慣にする

毎月生理がおわってから5日後くらいにセルフチェックをする癖をつけるといいですね。
力を抜いた状態で鏡の前に立ち、左右の乳房の大きさや形に変化がないかチェックします。
へこみやただれも確認しておきましょう。両腕を上げた状態でも同じ確認をし、今度はタオルを背中の下に敷いて仰向けになります。

次に左手を頭の下に置いたら右手で左側の乳房をチェックするのですが、この時に指を伸ばし、乳房をつままないように注意することが大切です。乳首より内側から体の中央に向かって指を滑らせ、続いて乳房の外側から内側に向かって調べましょう。

逆側のチェックが終わったら上体を起こし、ワキの下にしこりがないか確認します。最後に乳首を軽くつまみ、血液が混ざったような分泌液がでないか確認したら完了です。

3-3.定期的に検診を受ける

セルフチェックだけでは見逃してしまう場合があるので定期的に検査を受けましょう。特に40代になると乳がん(乳癌)患者が急増するので40代になったら毎年超音波検査を受け、2年に一度はマンモグラフィー検査を受けるといいですね。

50歳以上になったら毎年マンモグラフィー検査を受けるか、それに超音波検査を組み合わせることが理想になります。

乳がんを早期に発見するポイントがわかりました。
この記事を参考に乳がんについて正しく知り、セルフチェックに役立ててくださいね。

まとめ

いかがでしたか?

  • 乳がんの痛みに関すること
  • 乳がんについて知ることの重要性や注意点
  • 乳がんを早期発見するために知っておきたい3つの方法

以上についてご紹介しました。自覚症状としてもっとも多いのはしこりですが、痛みやひきつりなども症状として挙げられるので普段から自分の乳房をよく観察しておくことが重要です。

もしかしたら乳がん(乳癌)かもしれないと疑っている症状があるのならば、一度しっかり検診を受けることで不安を解消できるでしょう。

今回ご紹介した内容を参考にしながら乳がんについて正しく知り、セルフチェックをするなど早期発見のための対策にも力を入れてくださいね。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』