若年性乳がんとは? 特徴や原因を知り、早期発見に繋げよう

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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乳がんは主に40代~60代の発症率が高いですが、10代・20代・30代で発症する人も年々増えてきています。若い世代で発症する乳がんのことを“若年性乳がん”と言うのはご存知でしょうか?若年性乳がんとはどのような特徴があるのか、原因や再発率について一緒に確認しましょう。若年性乳がんについて知りたい女性はぜひチェックしてください。

  1. 若年性乳がんとは?
  2. 若年性乳がんの原因
  3. 早期発見するためのポイント
  4. まとめ

1.若年性乳がんとは?

さまざまなメディアでも乳がんについて取り上げられていますが、若年性乳がんとはどのようなものなのでしょうか。不安を抱え続けるより、若年性乳がんについて知り、未然に防ぐ方法を考えることが大切です。

1-1.若い世代にみられる乳がん

若年性乳がんは比較的若い世代にみられる乳がんのことです。
10代~30代の人に発症し、この中でもとくに30代がほとんどを占めています。
乳がんは50代に多い病気だからと安心してはいけません。
若い世代でも乳がんになる確率はあるのです。
やっかいなことに、若年性乳がんは一般的な乳がんよりも進行スピードがかなり早いことが分かっています。発見したらすぐ第2ステージに突入していたり、腫瘍が大きくなっていたりすることもあるのです。
進行が早い分、自己発見が多い乳がんでもあります。
乳がんは常に乳房あたりを触り、しこりや異物がないかどうか確認しなければなかなか異変に気づかないでしょう。そのため発見が遅れ、すでに治療の施しようがない状態にまで悪化してしまうのです。
しかし、若年性乳がんは進行が早いので腫瘍がすぐ大きくなり、自己発見しやすいと言われています。
非若年性乳がんの自己発見率はおよそ67.3%ですが、若年性乳がんは90%と非常に高いのです。

1-2.若年性乳がんの症状

乳がんは「しこり」が大きなポイントになりますが、若年性乳がんのしこりは平均2.9cmとなっており、非若年性乳がんよりも非常に大きいのが特徴的です。
また、若年性乳がんの症状にも注目してください。
非若年性乳がんの症状はしこりのほかに、皮膚の浮腫や衛星結節のような皮膚症状が現れるのですが、若年性乳がんはほとんど皮膚症状が見られません。これも大きな特徴ではないのでしょうか。
若年性乳がんの特徴を知ると、自分の異変が分かるのでぜひチェックしてくださいね。
何よりも早期発見が大切ながんの治療に繋がります。

1-3.ほかにもたくさん見られる若年性乳がんの特徴

進行スピードが早いこと、皮膚症状が少ないこと、しこりが大きいことの3点が主な若年性乳がんの特徴ですが、ほかにもたくさんあります。
例えば「両側性乳がんが少ない」「肥満が少ない」「家族内に乳がんを発症した人がいる」ことです。
両側にしこりができるケースもありますが、若年性乳がんはほとんど両側にできません。片方の乳房だけに発生する可能性が非常に高いです。
また、家族内に乳がんを患った人がいれば、若年性乳がんを発症しやすい傾向もみられます。乳がんは「遺伝」が関係している可能性が高く、近い身内に乳がんを発症した人がいれば自分も発症する恐れがあるので気をつけなければなりません。
そして、肥満が少ないことも大きな特徴です。若年性乳がんは比較的、肥満体質ではない痩せ型に多いことが分かりました。
肥満が少ない方が若年性乳がんになりやすい体質を持っているのです。
このように若年性乳がんにはさまざまな特徴があります。

2.若年性乳がんの原因

2-1.若年性乳がんの原因は主に2つ

若年性乳がんの原因で考えられているのは主に2つあります。
1つ目は「食生活の欧米化」です。
食生活の欧米化によって栄養バランスが乱れ、健康的な体でいるために必要な成分が十分に吸収されなくなっています。
栄養バランスが整った食事を摂るからこそ若年性乳がんのがん細胞が排除できるのです。
また、仕事や育児のストレスから暴飲暴食、過剰なアルコールの摂取にも注意しなければなりません。
食生活を中心に生活習慣全体が乱れるとそれだけ発症する危険も高まります。
2つ目の原因は「成長の早さ」です。
女性らしい体質に成長するスピードがとても早い人、初経が早かった人は注意しなければなりません。
初経が早くまだ出産経験がない人ほど若年性乳がんが発症しやすいとも言われています。

2-2.乳がんが発症しやすい遺伝子

若年性乳がんは「家族性乳がん」のひとつとも言われています。
家族性乳がんとは、乳がんになりやすい遺伝子を受け継いでいることです。
さまざまな研究結果から乳がんの発症は「遺伝子」が深く関係していることが分かりました。
乳がんを発症した人の遺伝子を調べてみると、ほとんどの人が遺伝子の発症に関係する遺伝子、つまり、発症しやすい遺伝子だと判明したのです。
家族の中に1人でも乳がんを患った人がいれば、乳がんの発症率が高まるでしょう。
さらに、若い人たちは定期的に乳がんの検査を受ける機会がありません。
市町村や病院では定期健診の呼びかけをしていますが、若い人は検査への関心がないのです。
これも若年性乳がんを発症させる要因として考えられています。

3.早期発見するためのポイント

3-1.セルフチェックをしよう

若年性乳がんの治療は何より“早期発見”が1番大切だと言われています。
早期発見ができるからこそ、早めに治療でき、比較的軽い状態で取り除けられるのです。
早期発見をするためのポイントとして「セルフチェック」をしてみてはいかがでしょうか。誰でも簡単にできることなのでオススメです。
ではどうすればチェックできるのか詳しく説明します。
セルフチェックは自分の目で見てチェックする方法と、触ってチェックする方法の2つを利用してください。
お風呂場の鏡で自分の胸をチェックします。両手を頭の後ろで組み、乳房全体に凸凹がないかどうか確認しましょう。
そして、触ってチェックする方法ですが、仰向けになることがポイントです。仰向けになり、指の腹を使って円を描きながら乳房を触ります。
力をいれすぎると分からなくなるのでできるだけ優しく、ゆっくり丁寧に確かめることが大切です。

3-2.定期的に検診を受けること

早期発見のために理想的なやり方は、毎日セルフチェックをしながら定期的に検診を受けることです。
定期的にする医療施設での乳がん検査は早期発見に繋がる大きなきっかけになるでしょう。
実際に、定期的に受ける健康診断で若年性乳がんの腫瘍を発見し、腫瘍が小さいうちに除去できた人もたくさんいるのです。
乳がんの検診を受けている女性はほとんどが中高年代ですが、若い人も受ける必要があります。
この機会に、ぜひ定期的に検診を受けてみてはいかがでしょうか。

4.まとめ

若年性乳がんの特徴や原因、早期発見のポイントについて説明しましたがいかがでしたでしょうか。「自分もいつか発症するかもしれない…」と不安に思っている人は、若年性乳がんの特徴を把握してください。どのような特徴があるのか、どうすれば未然に防げるのか「知識」を身につけておけば、スムーズに対処できますし、不安な気持ちがなくなります。

  • 主に10代~30代に多い若年性乳がん
  • しこりが大きく、進行スピードが早い
  • 両側性乳がんがない
  • 食生活の欧米化
  • 乳がんが発症しやすい遺伝子
  • セルフチェックをしよう
  • 定期的に検診を受ける

以上はぜひ押さえておきたいポイントです。早期発見が大きなポイントだと言われているので、早期発見に繋がる定期健診を受け、セルフチェックをしましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』