胸のしこりから考えられる病気は? チェック方法と予防方法を解説

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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日ごろから自分の胸、触ってチェックしているでしょうか?胸のしこりが起こる原因には様々なものがあります。心配する必要がないしこりならいいですが、もしものことを考えると不安になるでしょう。

今回は、胸のしこりで考えられる病気やできる原因をはじめ、しこりの正体は何かを調べる方法、心配ながんのしこりにみられる特徴、そして予防する方法についてご紹介します。

  1. 胸のしこりで考えられる病気
  2. しこりの正体を調べよう!
  3. がんのしこりにみられる特徴
  4. しこりを予防する方法
  5. まとめ​

1.胸のしこりで考えられる病気

1-1.乳腺症(にゅうせんしょう)

胸にしこりができる病気の中で、最も多いとされるのが乳腺症です。年代としては30代から40代の発症確率が高いでしょう。月経前と後でしこりの大きさや硬さがかわるのが特徴で、しこりがデコボコしており、境目がわかりづらくなっています。

また、症状としては胸のしこり以外に乳頭から出る分泌物、張りや痛みです。月経前になると特に大きく硬くなるので、自分でも気付きやすいでしょう。

乳腺症は、胸の間質という部分が増殖して起こります。エストロゲンが過剰に分泌されたり、ホルモンのバランスが崩れが原因です。

良性のしこりなので心配は必要ありませんが、乳腺症だからと気を抜いてはいけません。同時に乳がんが起こっていた場合でも、乳腺症のしこりと間違えて放置してしまいます。しこりがある場合は念のために検診で診てもらいましょう。

1-2.乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)

20代の若い世代から発症する確率が高いのは、女性ホルモンの影響で起こる乳腺線維腺腫です。しこりができますが、平らで触ってみると滑らかという特徴があります。また、触っているうちにしこりが良く動くので、乳がんと良く似ていて間違えやすいでしょう。しこり以外の症状はなく、痛みも突っ張った感じもありません。

大きすぎるものや急激に大きくなったしこりは摘出手術をする必要があります。また、もしかして乳がんかもしれませんので決して自己判断しないでください。しこりに気付いたら病院へ…それが一番です。

1-3.乳がん

胸のしこり=乳がんと思っている人は多いでしょう。確かに、胸のしこりで一番怖い病気が乳がんです。がんの中で、唯一自分で触って見つけられるがんなので早期発見できるよう自分で定期的にチェックしてください。圧倒的に女性が多く発症しますが、男性も発症する可能性はあります。

乳がんのしこりはよく動きトゲトゲしていて弾力があるのが特徴ですが、手で触ってもしこりの細かな違いはわかりづらいでしょう。

痛いと感じる人もあまりいないので、日ごろから気をつけておかないと、気付かないままがん細胞が大きくなってしまいます。

2.しこりの正体を調べよう!

2-1.月に1回はセルフチェック

胸のしこりで一番怖い病気が乳がんです。しかし、早く発見できればしこりを取り除くことで完治します。発見が遅れないためにも、セルフチェックをかかさないでください。それ以外の病気だとしても、胸にしこりがある場合は何かしらの異常が起こっています。早めに見つけて病院で診察してもらうことで、病気を改善させましょう。

2-2.鏡の前で形をチェック

自然な立ち姿で鏡の前にたち、左右の胸に異変がないかチェックします。サイズが左右で大きく違うとか、引きつっている皮膚がないかなど、見た目の変化を調べてください。そのまま両腕を上にあげ、その状態にしても引きつっていないかを自分の目で確認します。

乳頭がただれていないかもチェックしましょう。

2-3.仰向けで触ってしこりチェック

最後は、実際に触ってしこりがないかどうかをチェックします。仰向けに寝て、背が反り過ぎないように気をつけながら背中に低い枕を入れてください。チェックしたいほうの手を上げ、反対の手で撫でるようにして胸を触っていきます。指先ではなく指の腹で触りましょう。これを両方の胸で内側と外側ともに繰り返します。

2-4.最後にリンパと乳頭のしこりもチェック

起き上がり今度はワキの下に指を入れるようにして、リンパ節のしこりを確かめてください。乳頭をつまみ分泌物が出てこないか、血液が混ざっていないかのチェックをおこないます。ここまでがしこりのセルフチェックです。

セルフチェックは毎月決まった日におこない、可能ならメモをとって以前チェックしたときと変わりがないか確かめておきましょう。

3.がんのしこりにみられる特徴

3-1.根が張っているようなしこり

乳がんのしこりは動かないという人もいれば、動くという人もいます。様々な病気に個人差があるのと同じで、乳がんもできる人によって差が出るでしょう。しこりができる場所が奥深い場合は動きづらいですし、表面近くにしこりを感じた場合は触ると動きやすくなっています。

しかし、決定的な違いは根が張っているようなしこりかどうかです。良性のしこりは触るとコロコロと動かしやすいですが、乳がんのしこりは動くといっても重い感じがします。根が張っているような感じがするので、しこりの形まで確認してください。

3-2.大きさは小さくても硬い

サイズが大きい小さいに関係なく、大事なのはその硬さです。小さくても硬さは感じられるでしょう。ビーズのような硬さのしこりがコロコロしていて、検診を受けたら乳がんだと診断された…という人もいます。柔らかいしこりは大きくならないと分かりづらいですが、硬いしこりは小さくても触れば感じられるはずです。

大きさよりも硬さに注目してセルフチェックをしてください。

4.しこりを予防する方法

4-1.しこりは予防できるの?

胸のしこりは胸に何かしら異常が起きている証拠です。その異常が起きないようにすれば、しこりを予防できるでしょう。

乳腺症や乳腺線維腺腫は、女性ホルモンが大きく関係しています。ホルモンバランスを整え、無理のない生活を心がけることが大切です。

しかし、完全に予防できる方法はないでしょう。乳がんを含め、乳腺症や乳腺線維腺腫になりたくてなる人はいません。体質としてなりやすい人もいますので、気をつけていてもなるときはなる、と思っておいてください。

4-2.年に1回は定期検診を受けよう

予防も大事ですが、早めに気付ける体制を整えておくことも大切です。20歳を過ぎたら、定期検診を年に1回は受けてください。胸の病気以外に、女性特有の病気である子宮がん検診も一緒に受けておくとより安心でしょう。

セルフチェックで異常がなくても見落としているかもしれません。年に1回は必ず検診を受けてください。

まとめ

いかがでしたか?

  • 胸のしこりで考えられる病気
  • しこりの正体を調べよう!
  • がんのしこりにみられる特徴
  • しこりを予防する方法

この4項目で胸のしこりが関係する病気やチェック方法、しこりの正体が何かを知る方法についてご紹介しました。

自分はならないはず…と思い込んで、セルフチェックをしていない人は意外と多いでしょう。胸の病気がみつかった人の多くが、まさか自分が?と思っています。

誰にだって起こる可能性がある病気ですから、自分には関係ないと思っていてはいけません。必ず月に1回はセルフチェック、何もなくても年に1回は定期検診を受けて自分を守りましょう。自分の異変に気付けるのは自分だけです。

もちろんセルフチェックでおかしなところが見つかったら、すぐに病院で検査してください。早期発見が何事も大切です。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』