がん予防

知ることからはじめるがん予防! 日本人にがんが多い理由は?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
免責事項について

日本人の死因にがんが多いということは、統計によっても示されています。しかし、日本人にがんが多いという理由には非常にさまざまな理由があります。日本人にがんが多い理由や、日本人がかかりやすいがんなどを知ることはがん予防にもつながる大切な知識です。

それでは、日本人のがんについて詳しくご紹介しましょう。

  1. 日本人にがんが多い理由は?
  2. 日本人がなりやすいがんは?
  3. がんを予防するには食生活と生活習慣

1.日本人にがんが多い理由は?

1-1.統計から見る日本人のがん

国際的な統計を見ると先進国の中でも非常に高く、日本人のがんによる死亡数は、アメリカの1.6倍もあることが報告されています。日本人にがんが多いというのは、統計的にも分かることであり、日本人のがんによる死亡数は先進国の中では非常に多い傾向があるのです。

この統計は、“日本の医療技術がほかの先進国よりも劣っている”ということを示すものではありません。日本のがんの死亡率が高い原因は“高齢化”“がん予防の遅れ”の2つが挙げられます。日本人の国民病ともいえるがんを予防するためには、がんに対する理解を高めることが必要なのです。

1-2.日本人にがんの多い理由は高齢化?

高齢化によるがんの増加は先進国の特徴です。がんは老化によってリスクが増大する病気であり、高齢化の進む先進国ではがんの死亡率が高い傾向にあります。急速な高齢化が進む日本では、がんの発症率や死亡率は、ほかの先進国に比べて非常に速いスピードで増加傾向にあるのです。高齢化によるがんの発症率の増加は日本の抱える問題の一つといえるでしょう。

1-3.日本はがん医療が遅れている?

がん医療で大事なことは、治療と予防です。がん治療に関しては、日本は先進国の中でも比較的に進んでいる状況なのですが、がん予防に関して、日本ではほかの先進国と比べて遅れています。

がん予防には“がんに対する意識向上”と“がん専門医の育成”が重要です。日本ではがん予防に大切な、この2つの要素が、先進国よりも遅れていることが指摘されています。日本では、がん予防に対する意識が非常に低いのががん治療・予防に対する特徴です。

健康診断ではがんを見つけるのは難しい?

日本では“健康診断”に関する意識は非常に高いのですが、“健康診断ではがんの発見は難しい”という傾向にあります。健康診断はがんの早期発見が目的なのではないため、がんの早期発見には不向きなのです。

事実、「健康診断では問題なかったものの、その後がんが見つかった」ということも珍しいことではありません。健康診断では感の発見は難しいことから、必ず“定期的ながん検診”を受けることが日本のがん予防には重要です。

高齢化が進むにつれ、がん患者も増加傾向にあるんですね。
はい。また健康診断に異常がなかったので安心してしまった、というケースもあります。

2.日本人がなりやすいがんは?

2-1.日本人に多いがん

日本人の多いがんの統計について“死亡数の多いがんの部位”と“罹患(りかん)率の高いがんの部位”統計から日本人に多いがんの特徴に付いて考えて見ましょう。

男性の死亡原因として多いがんの部位

  • 1位:肺
  • 2位:胃
  • 3位:大腸
  • 4位:肝臓(かんぞう)
  • 5位:膵臓(すいぞう)

女性の死亡原因として多いがんの部位

  • 1位:大腸
  • 2位:肺
  • 3位:胃
  • 4位:膵臓(すいぞう)
  • 5 位:乳房

男性の肺がんが多い原因は“喫煙”による肺への負担、女性の大腸がんは“便秘”による腸への負担が原因になります。

続いて罹患率の多いがんについての統計を確認してみましょう。

男性のがん罹患率の高い部位

  • 1位:胃
  • 2位:前立腺
  • 3位:肺
  • 4位:大腸
  • 5位:肝臓

女性のがん罹患率の高い部位

  • 1位:乳房
  • 2位:大腸
  • 3位:胃
  • 4位:肺
  • 5位:子宮

がんの罹患率の高い部位は、男性は胃、女性は乳房です。罹患率が高いのに対して、死亡率のそれほど高くないがんが上位になっています。

特に、女性の乳房に生じるがんに関しては、罹患率1位であるのに対し、死亡率は5位であることから、治りやすいがんであるといえるでしょう。罹患率と死亡率を見ると、がんの早期発見・早期治療が非常に重要であることが分かります。

2-2.男女別にかかりやすいがん

がんは年代別・性別によって“かかりやすいがん”が異なる特徴があります。年代別・性別によってかかりやすいがんについてご紹介しましょう。

男性がかかりやすいがん

男性の年代別にかかりやすくなるがんは、基本的に変化が少ないのですが、60歳を過ぎたころから“前立腺がん”と“肺がん”による死亡率が増加傾向です。

60歳を過ぎるとその他のがんは変化が少ないのに対して、前立腺がんと肺がんの割合だけが増加しています。

女性がかかりやすいがん

女性のがんの死亡率は40~50代に“乳がん”“子宮がん”“卵巣がん”など女性特有のがんが多くを占めます。50代を過ぎると、女性特有のがんの割合が減り、消化器系や肺がんなどの割合が増加傾向です。

この統計から分かることは、“男性特有のがんは加齢とともに増加する”“女性特有のがんは加齢とともに減少する”という傾向があることを理解しておきましょう。

男女で比べると発症しやすいがんに違いが見られますね。
はい。また、近年は大腸がんの発症率が男女ともに増えています。

3.がんを予防するには食生活と生活習慣

がんを予防するためには“がん予防の意識を高める”ということが大切です。先進国では、がん治療よりもがん予防を重要視している傾向があります。事実、日本よりもがんによる死亡率の少ない先進国の多くでは、がんによる死亡率が減少傾向にあるのです。がんを予防するためには、がん検診をしっかりと受け、食生活と生活習慣の改善が大切といえるでしょう。

がんの予防には食生活と生活習慣の改善が大切なんですね。
はい。免疫力を高める効果が期待できるでしょう。

まとめ

先進国の中でも、日本のがんによる死亡者は増加傾向にあります。なぜ、日本人にがんが多いのかをまとめてみましょう。

日本人にがんの多い理由

  • 高齢化によるがん患者の増加
  • がん予防の対策不足

日本人にがんの多い理由は異常のような理由があります。

特に、がん予防の対策不足に関しては、日本のがんによる死亡率を高める原因です。日本の職場では、健康診断などは比較的にしっかりと行われているのですが、がん検診はあまり積極的に行われてはいません。日本のがんによる死亡率が高いという理由が、がん検診に対する意識の低さにもあるのです。続いて、日本人に多いがんの統計についてまとめてみましょう。

日本の死亡数の多いがん

  • 1位:男性…肺・女性…大腸
  • 2位:男性…大腸・女性…肺
  • 3位:男性…肺・女性…胃

日本の罹患率の多いがん

  • 1位:男性…胃・女性…乳房
  • 2位:男性…前立腺・女性…大腸
  • 3位:男性…肺・女性…肺

統計の罹患率と死亡率を比べてみると、完治しやすい“乳がん”は罹患率が高いのですが、死亡率はそれほど高くないということが分かります。早期発見で早期治療の効果のあるがんに関しては、がんに対する意識を高めることが最大の予防策なのです。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』