口腔がんの初期症状

口内炎と間違えやすい口腔がんの初期症状は? 早期発見のためのアドバイス

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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日本では年間6,000人もの人が、口腔がんにかかっています。口はものをかみ、飲み込み、声を出す大切な器官です。命が助かっても、何らかの障害が残り、日常生活に支障をきたす場合もあるでしょう。そんな恐ろしい口腔がんを予防し、早期発見するためにも、口腔がんについての情報を知っておく必要があります。

今回は、口腔がんの初期症状や原因、生存率についてご紹介したいと思います。

  1. 口腔がんの初期症状
  2. 口腔がんの原因
  3. 口腔がんの生存率
  4. 口腔がんの早期発見法

1.口腔がんの初期症状

口腔がんはほかのがんと比べて、比較的早期発見されやすいがんと言えます。
しかし、あまり知られていないため、進行するまで放置されてしまうケースも多いようです。口腔がんの初期症状にはどのようなものがあるのかを知り、おかしいと思ったらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

1-1.口内炎と間違えやすい

口腔がんのほとんどは目に見える部位にできるため、自覚症状として現れやすくなっています。初期では、食事中のものをかむと痛みや違和感があるようです。しかし、痛みは軽度なため、歯周病や口内炎と間違えやすいのが特徴となっています。そのため、進行してから発見される場合も少なくないようです。
進行すると痛みは強くなり、舌の動かしにくさや話しにくさ、食べにくさを感じるようになります。

1-2.粘膜が白くなる

口腔内の粘膜が白くなると、がんを伴っている可能性があります。また、粘膜が部分的に赤くなり、痛みを感じる場合は、初期の口腔がんである場合があるでしょう。痛みだけでなくしみるようであれば、受診して相談することをおすすめします。

1-3.硬いしこりができる

口腔がんの初期症状として最も分かりやすいのが、舌にできるしこりです。しこりが柔らかければ良性の腫瘍や口内炎である可能性が高く、しこりが硬い場合は要注意。口腔がんの中でも最も多い「舌がん」では、舌の両脇にしこりができることが多いため、硬いしこりがないかこまめにチェックしておきましょう。

口腔がんは口内炎と間違えやすいんですね。
はい。進行してから気づくケースも多いようです。おかしいと思ったらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

2.口腔がんの原因

次に、口腔がんになる原因をご紹介します。原因が分かれば予防できる可能性もあるでしょう。

2-1.喫煙や飲酒

口腔がんが発生する最大の原因に、喫煙と飲酒があります。喫煙者の口腔がん発症率は非喫煙者に比べて約7倍も高く、死亡率も約4倍であるという報告があるほどなのです。

特に、50歳以上の男性で毎日お酒を飲み、タバコを吸う人は最も危険でしょう。飲酒時の喫煙は、タバコに含まれる発がん性物質がアルコールで溶けて口腔粘膜に作用するため、よりリスクが高くなります。

2-2.口腔内の不衛生や虫歯

口腔がんは、慢性的な刺激が原因になる場合も考えられます。たとえば、以下のようなものがあるでしょう。

  • 虫歯を長い間放置している
  • 欠けた歯をそのままにしている
  • 合わない入れ歯を長年使用している

口の中を不衛生な状態にしている人は、口腔がんのリスクが高まります。普段から定期的に歯科でチェックしてもらいましょう。

喫煙や飲酒が原因で口腔がんになってしまうんですね。
慢性的な刺激が原因になることも多く、虫歯や不衛生な状態を放置すると口腔がんのリスクが高くなってしまいます。

3.口腔がんの生存率

口腔がんは早期発見すれば完治しやすいがんと言われています。生存率についてはどうなっているのでしょうか。口腔がんは転移しやすいがんです。特にリンパ節への転移が多く、比較的少ないようですが肺や骨に転移する場合もあります。口腔がんの中でも舌は初期からリンパ節への転移が発生しやすいため、最も注意が必要と言えるでしょう。

万が一、リンパ節に転移している場合、5年生存率は半分程度です。当然、進行の度合いによっても生存率は変わってくるでしょう。ステージⅠの5年生存率が約90%、ステージⅡで約70%、ステージⅢで約60%、ステージⅣで約40%と、進行すると生存率も低下します。口腔がんは初期症状のうちに発見できれば、障害を残さずに治療できる可能性が高い病気です。

また、予後が良好であるかどうかで、5年生存率が大きく左右するでしょう。リンパ節転移や遠隔転移を起こす前に、早期発見することが何よりも大切と言えます。

早期発見すれば完治しやすいんですね。
進行すると生存率は低下します。リンパ節転移や遠隔転移を起こす前に、早期発見することが大切です。

4.口腔がんの早期発見法

口腔がんは早期発見できれば比較的簡単な治療で済みます。早期発見のためには、一体どうしたら良いのでしょうか。

4-1.定期的に歯医者を受診する

口腔がんは、虫歯の治療などを行う際に歯医者で発見されるケースがほとんどです。かかりつけの歯医者を持ち、定期的な受診をして歯の健康を保つよう心がけましょう。たとえば、治りの悪い口内炎がある場合や舌の不快な症状、しこり、腫れ、ただれ、出血、歯のぐらつき、口臭など、気になる症状があるときは、迷わず相談してみてください。定期的な歯医者の受診は、口腔がんの早期発見とともに予防にもつながります。

4-2.口腔がん検診を受ける

定期的に歯医者を受診すると同時に、年に1回は口腔がん検診を受けることをおすすめします。口腔がんは目で見て触れることのできる部位のがんです。検査ではまず、視診と触診を行います。リンパ節への転移が考えられるため、首周りの触診も行われるでしょう。そして、痛みなどの自覚症状を問診で確認していきます。

口腔がんが疑わしい場合は詳しい検査を行い、歯科用レントゲンやCT、MRIなどの画像検査によって治療方針が決定することになるのです。同時に腫瘍マーカーをチェックし、画像診断などの検査と併用して使用します。

4-3.セルフチェックの習慣をつける

月に1回は鏡の前でセルフチェックを行う習慣をつけましょう。

歯を軽くかみあわせ、上下の唇を指で持ち、唇の内側を観察しましょう。

アゴ

口を開けて、ほおを指で少し引っ張ってみてください。

上アゴの内側

頭を後ろにそらして、上アゴの内側を観察してください。しこりや腫れ、変色している部位がないかチェックしましょう。

舌を前に出し、表面と左右の側面を見て、色や形をチェックしてください。舌の裏側にも異常がないか確認します。

リンパ節

首やアゴの下あたりにこぶ状のものがないか確認してください。

定期的な歯医者の受診や口腔がん検診をすればいいんですね。
また、セルフチェックを行う習慣をつけることでも早期発見が可能となるでしょう。

まとめ

口腔がんの症状についてご紹介しました。

  • 口腔がんの初期症状
  • 口腔がんの原因
  • 口腔がんの生存率
  • 口腔がんの早期発見法

「口腔に痛みがあり、口腔がんを疑っている」「口腔がんの症状や生存率について知りたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』