胃がんの初期症状

胃がんの初期症状は? 早期発見のポイントを徹底解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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現在、日本人の死因で大きな割合を占めているのが、「がん」です。がんは悪性新生物と呼ばれており、体内に悪性の腫瘍ができます。腫瘍が体内のどこにできるかによって、食道がん、胃がん、大腸がんなどに分けられ、病名がつけられるでしょう。

がんは気付きにくい病気ではありません。必ず初期症状があります。しかし、初期症状が出ているにもかかわらず、単なる不調だと思い込んで放置してしまうのです。結果としてがんが進行してから気付き、治療が困難になるパターンは非常に多いでしょう。そのため、日本人の死因として大きな割合を占めています。

でも、がんは治らない病気ではありません。がんになると治らない、というイメージは捨ててください。今回は、胃がんの初期症状、原因、生存率、そして早期発見の方法についてご紹介していきます。

  1. 胃がんの初期症状
  2. 胃がんの原因
  3. 胃がんの生存率
  4. 胃がんを早期発見する方法
  5. まとめ

1.胃がんの初期症状

1-1.胃の慢性的な不快感

胃がんの初期症状として現れる確率が高いのは、胃の不快感です。前日に脂っぽいものを食べ過ぎたとか、飲み過ぎたという次の日は胸焼けや胃の不快感が起こります。誰でも起こる症状ですが、胃がんを疑うべきなのは、不快感が慢性的に続いた場合です。一時な不快感は、前日に原因があれば当然でしょう。しかし、慢性的でなかなか治らない不快感は、単なる飲み過ぎや食べ過ぎではないと思ってください。

1-2.食欲の不振

胃がんになると、食欲の不振を症状として訴える人も多いです。しかし、食欲の不振が胃がんの初期症状であると感じ、受診する人は少ないでしょう。特に、夏場は夏バテという言葉があります。暑いせいで食べる気が起きないだけ、と自己解決してしまうのです。

食欲の不振が長期的に続く、なおかつ体重が減少し始めるという場合は胃がんの可能性を疑ったほうがいいでしょう。

1-3.けん怠感やふらつき

胃がんによるけん怠感やふらつきは、胃がんの患部から出血していることが原因です。出血が長く続くと貧血症状が現れます。何となく続くけん怠感や慢性的なふらつきは貧血症状と思わない人も多いですが、症状のひとつです。

さらに進んでしまうと、下血(げけつ)や吐血(とけつ)に変わります。血が目に見えるようになるとすでに初期症状といえません。けん怠感やふらつきも、長く続くようなら胃がんを疑いましょう。

1-4.吐き気やゲップ

吐き気やゲップは、日常的に起こりやすい症状です。まさか胃がんの初期症状だったなんて、と胃がんが見つかってから驚く人も多いでしょう。吐き気やゲップは健康的な人でも起こりますが、通常は一時的で長く続きません。多くは空腹時や食後の限定されたときだけでしょう。しかし、胃がんになると吐き気やゲップが常に起きます。

それほど生活に差し支えない程度の症状だと、つい放置してしまうでしょう。特に吐き気やゲップなどはそれほど大きな症状と捉えず、放っておきやすいです。

継続した吐き気やゲップ、さらに食欲不振や胃もたれを感じたら、胃がんの可能性を視野に入れてください。

まさか胃がんとは思わないような症状で驚きです。
生活に差し支えないからといって放置するのはいけません。継続して症状がみられる場合は対処が必要です。

2.胃がんの原因

2-1.ピロリ菌

ピロリ菌は名前のかわいらしい菌ですが、胃がんと深い関係があります。日本人は2人に1人の割合でピロリ菌が存在しているぐらい、身近な菌です。

1983年にオーストラリアで、ピロリ菌が胃がんの原因になるという事実が発見されました。胃の中に滞在し続け、攻撃をして胃の粘膜を荒らす悪い菌です。胃炎や胃潰瘍もピロリ菌が胃の中で悪さをして発症します。

ピロリ菌が胃の中にいると、常に胃が荒れた状態です。慢性的な胃炎が長く続き、結果として胃がんを引き起こしやすい状態になってしまいます。胃がんになった人はほとんどの人がピロリ菌を持っている、というデータも発表されました。

胃がんの原因としてピロリ菌は深く関係している、といえるでしょう。

2-2.タバコ

タバコは健康に害を及ぼすため、日本でも禁煙を推奨する雰囲気になってきました。胃がんに限らず、タバコはがんのリスクを高めます。一番多いのが肺がんへの影響で、次に胃がんです。タバコを吸う人と吸わない人で比べると、胃がんになるリスクは2倍になっています。

タバコには有害な物質がたくさん含まれているのはご存じですか。体内に取り込んでいいことはひとつもありません。

2-3.ストレス

現代はストレス社会です。ストレスと日々戦いながら頑張っている人も多いでしょう。しかし、ストレスは胃がんの原因になります。ストレスを受けると胃が荒れてキリキリと痛んだ経験はないでしょうか。緊張すると胃が痛くなるという症状は、胃が荒れている証拠です。

胃に悪いダメージを与え続けると、胃が弱ってしまって胃がんを発症する確率が高くなるでしょう。

2-4.食生活の乱れ

胃がんの原因として大きく関係しているのが、食生活の乱れです。その中で気をつけるべきなのが、塩分の摂(と)りすぎでしょう。塩分は胃壁を守る粘液を溶かすので、摂取しすぎると胃の中で塩分が悪さをします。粘液が溶かされた胃は無防備な状態です。そのため、発がん物質が入り込みやすくなり、胃がんにつながります。

食生活の乱れも胃がんの原因になるんですね。
胃に悪いダメージが与え続けられると胃がんを発症するリスクが高くなります。注意しましょう。

3.胃がんの生存率

3-1.早期発見ならほぼ治る

早期発見の胃がんは、ほぼ治ります。胃がんはがんの中でも、生存率が高いほうです。ステージを合わせて平均で73%という結果が出ています。もちろん、早期であればあるほど治る確率は高いでしょう。

胃がんになっても、必ずがんが転移しているとは限りません。まだ粘膜で留(とど)まっていれば、完治する可能性が十分にあります。

3-2.ステージごとの5年生存率とは

胃がんに限りませんが、がんにはステージがあります。0期からⅣ期までに分けられており、さらにⅠ期とⅢ期はA・Bに分類し診断されるでしょう。粘膜で留(とど)まっているがんは早期がんです。しかし、粘膜以上に深く浸潤していると進行がんと呼ばれます。

ステージが進行すると、5年生存率は減っていくでしょう。ステージⅠの場合は90%越えですが、ステージⅡになると70%程度に減ります。ステージⅢBで30%、ステージⅣになると15%程度にまで下がるでしょう。

胃がんは胃のどこにがんができるかによっても違いが出るため、ステージだけで考えるわけではありません。しかし、進行すると胃以外の部分にがんが転移しており、5年生存率が下がります。

3-3.スキルス胃がんの生存率

胃がんの中で、最も怖いといわれているのがスキルス胃がんです。スキルス胃がんは普通の胃がんと同じように粘膜からがんが進行していきます。しかし、違いは粘膜にあまり変化がないことです。変化がないと胃がんかどうかの診断もしづらく、発見してもすでに転移している場合が多いでしょう。進行も早く転移しやすいのも、スキルス胃がんの怖い点です。

手術をして胃がんを摘出しても、転移していた場所でがんが悪さをします。がんの再発率がとても高いです。また、発見時に手術ができない状態まで進行している場合も多いため、生存率が下がります。

しかし、スキルス胃がんだからといって生存率が下がるわけではありません。発見時にステージが進行しており、結果として生存率が下がっています。

胃がんは生存率が高いがんなんですね。
さらに早期発見であればあるほど治る確率は高いのです。

4.胃がんを早期発見する方法

4-1.定期検診を忘れない

胃がんを早期がんで発見できれば、完治する確率は高いです。0期であれば多くの人が治る状態だと思ってください。しかし、早期発見するのが難しいのも胃がんの特徴です。

自分で気付きにくいなら、定期検診で気付くしかありません。自覚症状がなくても定期検診で胃がんが見つかる可能性もあります。

定期検診はX線検査です。異常が見つかった場合は内視鏡検査もおこないます。X線で異常がなくても、40歳以上の人は定期的に内視鏡検査を受けるといいでしょう。

X線検査が推奨されていても、100%見つかるとは限りません。がんのリスクが高まる年齢になったら、念入りな検査が必要です。

4-2.初期症状を見逃さない

胃がんは初期症状があります。気付いていても、単なる不調だと受け止めて放置しないよう、気をつけましょう。放っておくうちに、がんは進行するでしょう。

胃がんの初期症状を把握して、もしも自分に当てはまる体調の異変が起きたら胃がんを疑ってください。

病院で診察を受けて何もなければ、安心です。もし胃がんだった場合でも早期で治療ができます。

胃がんは早期発見が難しいんですか。それは困りますね。
自覚症状がなくても定期検診で見つかる可能性もあります。また初期症状を見逃さずに病院で診察を受けることも重要です。

まとめ

いかがでしたか?

  • 胃がんの初期症状
  • 胃がんの原因
  • 胃がんの生存率
  • 胃がんを早期発見する方法

胃がんを治すために、とにかく早期発見が大切です。少しでも疑いがあるなら、必ず病院で検査を受けましょう。自分の体を守れるのは自分しかいません。ちょっとした異変も放っておかず、自分の体を大切にしてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』