脳腫瘍の初期症状

脳腫瘍の初期症状は? 早期発見のポイントや関連知識を徹底解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
免責事項について

日本人の死因1位として知られるがん。がんはどの場所にできても怖いものですが、とりわけ脳は怖い場所。なぜなら、他の臓器と同じように丸ごと切除するということができないからです。そのため、早期発見が特に重要となるがんといえるでしょう。

そこで、今回は脳腫瘍の基礎知識を中心に、生存率や初期症状などについてご紹介していきます。ぜひ、最後までお付き合いください。

  1. 脳腫瘍について
  2. 脳腫瘍の種類と原因
  3. 脳腫瘍の生存率
  4. 脳腫瘍6つの初期症状

1.脳腫瘍について

まずは脳腫瘍がどのようなものなのか押さえていきましょう。

1-1.脳腫瘍とは?

脳腫瘍はその名のとおり脳に発生する腫瘍の総称です。脳に発生する腫瘍以外にも、髄膜(ずいまく)、脳神経、下垂体(かすいたい)由来の腫瘍も指します。

脳腫瘍には良性と悪性の2種類があり、そのうち良性は周囲組織との境界が明確で手術で全部摘出可能な腫瘍。増大の速度は遅く、脳の圧迫が身体に与える主な影響です。

これに対して悪性は、増大速度が速いのが特徴。周囲組織との境界が不明確な腫瘍のため、手術での完全摘出が困難な腫瘍です。多くの場合で手術の後に放射線治療や抗がん剤による化学治療を行います。

1-2.発症頻度について

脳腫瘍の発生頻度は1年間に10万人あたり『10~12人』といわれています。

最も多いのが神経膠腫(しんけいこうしゅ)で25%、髄膜腫(ずいまくしゅ)が25%、下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)では17%。神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)11% です。

脳腫瘍は小児期から高齢者まですべての年齢で発生します。内訳は15歳未満が『5%』、70歳以上の高齢者が『25%』、残りの『70%』は成人です。

発症率は決して高くはありませんね。
はい。しかし、すべての年代で発症する可能性がある病気なので、自分は大丈夫と決めつけてはいけません。

2.脳腫瘍の種類と原因

脳腫瘍と一口にいっても、原因によって症状はさまざまです。ここでは、脳腫瘍の種類とそれぞれの原因について解説していきましょう。

2-1.種類について

脳腫瘍は、頭(頭蓋内)に発生するという点は共通していても、いくつかの種類があります。大きく分けると以下の2つです。

  1. 転移性脳腫瘍(脳以外でできた腫瘍が転移したもの)
  2. 原発性脳腫瘍(脳を構成している細胞が腫瘍となったもの)

そして、この2つの脳腫瘍のうち、原発性脳腫瘍に関してはさらに細かな分類があります。原発性脳腫瘍で最も多く見られるのは神経膠腫(しんけいこうしゅ)というタイプです。この神経膠腫の中でも『神経膠芽腫(しんけいこうがしゅ)』とよばれる腫瘍は増殖のスピードが速いのが特徴。症状が現れて数か月で危険な状態に陥る、最も恐ろしい脳腫瘍です。

2-2.脳腫瘍の原因について

脳腫瘍の原因は遺伝子の変異とされていますが、それ以上のことは現在でも不明です。ただし、腫瘍の進行を助長するものとして以下のものが挙げられています。

  • 高たんぱく・高脂肪食品の過剰摂取
  • 過度のストレス
  • 喫煙
  • 放射線
  • 携帯電話の発する電波

また、遺伝的な原因として、身内に脳腫瘍を発症した人がいる場合はリスクが高くなると考えられているようです。

現代的な生活をしているだけで発症リスクがアップするんですね。
はい。だからこそ体調に異変を感じたら、すぐに病院を受診することが大切です。

3.脳腫瘍の生存率

脳腫瘍などのがんは日本人の国民病といっても過言ではありません。毎年多くの方が亡くなっています。

となると、気になるのは脳腫瘍の生存率ですよね。では、どのくらいの生存率なのでしょうか?

3-1.脳腫瘍の生存率はかなり高い!

脳腫瘍全体の5年生存率は、平均して約75%です。これはほかのがんと比べても高い数字であり、生存しやすいがんといえるでしょう。しかし、中には非常に生存率の低い脳腫瘍があります。それが、項目2の『脳腫瘍の種類と原因』でも触れた『神経膠芽腫』です。

3-2.神経膠芽腫の生存率について

まず、神経膠芽腫について。神経膠芽腫とは脳の神経細胞を支える神経膠細胞という細胞が腫瘍化したものです。発生場所は大脳で、周囲の脳に染み込むようにに広がるのが特徴。悪性脳腫瘍の中で最も発症率が高い腫瘍として有名です。

医学の発達した2015年現在でも生存率は非常に低く、平均余命は『1年半』、5年生存率は『10%』程度といわれています。また、手術が成功したとしても、再発した場合、平均余命は『6か月』とかなり短いようです。

がんはどのような臓器で発生する場合でも早期発見は重要ですが、脳腫瘍はこの神経膠芽腫があるため、特に早期発見が必要ながんといえるでしょう。兆候があった場合には、すぐに病院へ行くようにしましょう。

ガンの中で脳腫瘍の生存率は高い方なんですね。
はい。生存率を上げるためにも適切な治療を受けることが大切です。

4.脳腫瘍6つの初期症状

脳腫瘍にもほかの病気と同様に初期症状があります。早期発見につなげるためにも、6つの初期症状を覚えておきましょう。

4-1.慢性的な頭痛

初期では2割程度、進行すると7割程度の患者に見られる症状。起床時に最も強く、時間がたつにつれて少し改善する傾向があるようです。

4-2.原因不明の吐き気や嘔吐(おうと)

頭痛とともに吐き気が続いたり、嘔吐するような場合もあります。

4-3.視神経の異常

腫瘍が大きくなって神経が圧迫されると、視界の一部が欠けて見えるようになったり、単純に視力が低下するなどの症状が起きるようです。

4-4.片手や片足が動かしにくかったり、しびれた感じがする

脳腫瘍は脳の神経を圧迫します。その結果、手足が動きづらくなったり、しびれるといった症状が現れるようです。

4-5.言語障害

脳腫瘍によってのどや舌の筋肉が萎縮し発語が困難になります。また、言語領域の神経が圧迫され、失語が起きることもあるようです。

4-6.耳鳴りや難聴

耳鳴りや難聴も脳腫瘍の初期症状の1つ。特に、片耳だけで耳鳴りが起こるようだと、聴神経脳腫瘍の可能性があるでしょう。

慢性の頭痛なども初期症状のひとつなんですね。
はい。頭痛は決して珍しい症状ではありませんが、長時間続くようなら病院を受診してください。

まとめ

今回は脳腫瘍の症状にまつわる情報を中心にご紹介しました。

  1. 脳腫瘍について
  2. 脳腫瘍の種類と原因
  3. 脳腫瘍の生存率
  4. 6つの初期症状とは?

これらをまとめると以下のようになります。

脳腫瘍(のうしゅよう)はその名のとおり脳に発生する腫瘍の総称。脳腫瘍には良性と悪性の2種類があり、悪性は不明確な腫瘍のため、手術での完全摘出が困難です。発生の原因はいまだ解明されていませんが、助長するものとして『食生活』や『生活習慣』、『放射線や電波のばく露』などが挙げられています。

発症頻度は1年間に10万人あたり『10~12人』。全年齢で発症しますが、全体の95%が成人と高齢者です。

脳腫瘍は『転移性脳腫瘍』と『原発性脳腫瘍』に分けられます。転移性脳腫瘍は脳以外の場所でできた腫瘍が転移したもの。原発性は脳を構成している細胞が腫瘍となったものです。この原発性脳腫瘍のうち、神経膠芽腫(しんけいこうがしゅ)というのが最も怖ろしい脳腫瘍といわれています。

脳腫瘍全体としての5年生存率は『75%』と高めですが、神経膠芽腫に関しては『10%』とかなり低い数値です。

脳腫瘍の初期症状は『慢性的な頭痛』『原因不明の吐き気や嘔吐』『神経系の異常』『片手や片足が動かしにくかったり、しびれた感じがする』『言語障害』『耳鳴りや難聴』といった6つ挙げられます。

脳腫瘍は非常に恐ろしい病気です。違和感を感じたら、重症化して手遅れになる前に病院へ行きましょう!

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』