胆管癌の原因と症状

癌の痛みにはどんな種類がある?知っておきたい痛みの種類と原因

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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日本人の死亡原因トップになっているのが「癌」です。日ごろから癌の対策をしている人も増えてきました。何より、癌は初期段階での治療が大切になります。

そこで、初期症状をいち早く知るためにも、癌の痛みを詳しく知りましょう。癌の種類は痛みの性質によって異なるものです。どのような痛みがあるのか、癌の痛みの種類と原因、対処法について詳しく説明します。癌の痛みについて知りたい人はぜひチェックしてくださいね。

  1. 癌の痛みの種類
  2. 痛みが出る原因
  3. 癌の痛みが出てきたときの対処法

1.癌の痛みの種類

癌細胞ができた部分にもよりますが、癌の痛みにはさまざまな種類があります。痛みの種類を把握しておけば、初期症状のうちに発見できる可能性もあるのです。そこで、癌における痛みの種類を紹介していきましょう。

1‐1.皮膚や関節、筋肉など体性組織に起こる「体性痛」

癌による痛みは主に3つあります。3つの中で筋肉や関節などへ刺激を受けるのが「体性痛」です。体性痛で発生する部位は主に皮膚や骨・筋肉・結合部分などの組織になります。たたく・刺す・切るなどのような痛みを覚えるのが特徴的です。筋肉痛のようなにぶい痛みではなく、いきなりやってくるような鋭い痛みと言えるでしょう。

また、痛みが持続するため長く続くほど悪化する傾向があります。できるだけ早めに病院へ行かなければなりません。うずくような痛みも「体性痛」の特徴です。深いところにある体性組織への痛みがある場合は、癌細胞が潜んでいる場所から離れているケースがほとんどになります。しっかりどのような痛みなのか医師に説明したほうがよいでしょう。

1‐2.内臓の炎症や閉塞などの「内臓痛」

体性痛とは異なり、「内臓痛」は食道や胃腸・大腸・小腸・肝臓や腎臓などに炎症・閉塞が起こることで痛みが出るタイプです。内臓が傷ついているため早めの治療が必要になります。内臓の圧迫と同時に、腹痛や背部の痛みが出てきやすくなるでしょう。体性痛は鋭い痛みが特徴的ですが、内臓痛には刺す、切るなどのような痛みはありません。「深くえぐられるような」「ゆっくり押されるような」痛みが内臓痛になります。つまり、にぶい痛みですね。

内臓痛は痛みを感じる部分に癌細胞があると思ってしまいますが、局在は不明確なので調べてもらわなければわかりません。痛みのほかにも、吐き気や発汗などの症状が出ます。

1‐3.神経に関係している「神経障害性疼痛」

癌の痛みには「神経系」が関係している痛みもあります。末梢(まっしょう)神経やせき髄、大脳など私たちに必要不可欠な伝達経路の神経に痛みが起きるのです。神経障害性疼痛の特徴は、傷ついている神経の範囲内においてさまざまな痛みが発生、運動障害や自律神経に異常が起きます。日常生活が困難になる可能性もあるため、注意しておかなければなりません。

また、神経障害性疼痛でも主に3つの種類にわけることができます。やけるような痛みになる「自発痛」、痛みを感じる部分以外にも影響し痛む「刺激に誘発する痛み」、不快感を覚えるような「異常感覚」の3つです。このように、痛みにもさまざまな種類があります。自分にはどのような痛みが発生しているのか、再確認してみてはいかがでしょうか。

癌の痛みにはいろいろな種類があるんですね。
はい。ステージが進むと全身が痛いと訴える人もいます。

2.痛みが出る原因

2‐1.「癌性疼痛」における5つの原因

痛みの性質によって原因はバラバラです。腫瘍細胞が体をむしばむことで起こる全体的な痛みを「癌性疼痛」と言います。「癌性疼痛」は癌患者のおよそ70%が経験する痛みです。癌が体をむしばんでいる証拠になりますが、痛みによって身体的苦痛だけでなく、精神的、社会的にも悪影響をおよぼします。なぜ、癌性疼痛は起きるのでしょうか。主な理由は全部で5つです。このように、さまざまな原因があることを把握しておいてくださいね。

2-1-1.神経因性疼痛

1つ目は「神経因性疼痛」になります。神経に癌細胞が侵入することで発生するのです。

2-1-2.骨転移痛

2つ目は「骨転移痛」になります。骨への転移によって起こるのです。

2-1-3.消化管閉塞(イレウス)

そして、3つ目は「消化管閉塞(イレウス)」で、消化管の損傷や圧迫によって通貨障害が起こります。

2-1-4.腹部膨満

4つ目は「腹部膨満」です。肝臓癌の拡大、腹膜の膨張によって痛みが生じるでしょう。

2-1-5.炎症

5つ目は「炎症」です。腫瘍細胞が増加すると免疫細胞もやっつけようと同時に増えます。腫瘍細胞と免疫細胞の戦いで起こる痛みと言っても良いでしょう。

2‐2.痛みを助長する要因

痛みが出る原因について説明しましたが、癌性疼痛を悪化する原因も把握しておかなければなりません。痛みを助長するような原因は、精神面が大きく関係しています。癌と聞けば「将来自分はどうなるのか」と、仕事や家族、恋人のことを思うでしょう。一気に不安と恐怖、悲しみが押し寄せてきます。

精神面における不安定さは、癌細胞に大きく影響するのです。癌治療における研究でも、精神と癌の影響は判明しています。しっかりと睡眠と休息をとり、多くの人と触れ合うことが癌の痛みを軽減すると専門家が認めているのです。不快感や孤独感、怒りなどの気持ちは痛みを呼び起こすので注意してくださいね。

精神的な理由で痛みが強くなることもあるんですね。
はい。大きな不安を抱えていると痛みを強く感じることがあります。

3.癌の痛みが出てきたときの対処法

3‐1.非ステロイド・非オピオイド系鎮痛剤の利用

「癌性疼痛」が出てきたとき、専門的な治療で痛みを取りのぞきます。癌による痛みに効果的なのは、NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)や非オピオイド系鎮痛剤になるでしょう。痛みの種類によっては、モルヒネやコデインなどのオピオイド系鎮痛剤を使うこともあります。ほとんどの痛みは鎮痛剤や抗炎症薬で治まるでしょう。

しかし、神経因性疼痛や骨転移痛、消化管閉塞における痛みでは、オピオイド系が効きにくい傾向があります。基本は経口投与となり、時間を定め定期的に薬を投与するのです。WHOが定めている内容では、患者の状態に合わせた適切な量を投与しなければなりません。必ず専門の医師に痛みの症状を詳しく伝えてくださいね。

3‐2.精神面におけるケアも必要

先ほど、精神面も癌の痛みに影響するとお話しました。とても密接なつながりを持っているため、癌による痛みをやわらげるには「精神面におけるケア」も必要になるのです。癌に対する不安な気持ちを少しずつ取りのぞいていかなければなりません。

ただ、すぐに取りのぞけるわけではないため、ゆっくり自分のペースを維持することが大切ですよ。癌の治療をしているクリニックの中には、精神面のケアに重視しているところもあります。癌に対する不安や不眠など、精神面での不安を抱えている人はぜひ相談してみてはいかがでしょうか。自分1人だけで悩まず、悩みを共有するのも癌と戦う大切な要素になります。

鎮痛剤の利用と共に精神的なケアも大切なんですね。
はい。家族の支えが痛みを軽くすることもあります。

まとめ

癌における痛みの種類や原因、痛みが出たときの対処法について説明しました。癌の痛みにはさまざまな種類があります。痛みが出ている場所や性質、特徴によって癌の進行状況がわかるのです。体や神経に異常を感じたらすぐに医者へ相談してください。

  • 皮膚や関節、筋肉など体性組織に起こる「体性痛」
  • 内臓の炎症や閉塞などの「内臓痛」
  • 神経に関係している「神経障害性疼痛」
  • 「癌性疼痛」における5つの原因
  • 癌の痛みは神経と深いつながりを持つ
  • 非ステロイドや非オピオイド系鎮痛剤の利用
  • 精神面のケアも必要

以上のポイントはぜひ押さえてください。1人で抱え込まず、誰でも良いので癌に対する悩みや気持ちを告白しましょう。気持ちを告白するだけでも楽になりますよ。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』