機能性低血糖症になってしまう原因

機能性低血糖症になってしまう原因は? 各症状と治療法について

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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最近、朝に頭がボーとして起きられないことはないでしょうか。その上、甘いものばかり食べて体からだるい人は要注意。異常な眠気や精神が安定しないときは、機能性低血糖症の可能性があります。

この記事では、機能性低血糖症の原因と症状についてまとめました。

  1. 機能性低血糖症とは?
  2. 機能性低血糖症の症状
  3. 機能性低血糖症の原因
  4. 機能性低血糖症の治療法
  5. まとめ

1.機能性低血糖症とは?

「機能性低血糖症」という病気は、聞き慣れない人も多いかと思います。まずは、機能性低血糖症という病気についてご紹介しましょう。

1-1.機能性低血糖症について

機能性低血糖症とは、血糖値が低くなってしまう状態のことです。病院やニュースなどで「低血糖」は糖尿病に関する言葉だと思っている人もいるでしょう。しかし、機能性低血糖症は現代人の誰もが発症可能性のある病気です。

機能性低血糖症は、糖からエネルギーを作る機能がうまく働かない状態のことを指します。現代では、この状態に知らない内になっている人が多くいるのです。

機能性低血糖症になると体のだるさや眠気、頭痛などが出てきます。しかし、多くの人が血糖値が原因とは考えないため解決しないことが多い病気です。

1-2.血糖値とは?

「血糖値」という言葉を健康に関するニュースや記事で見かけることがあるかと思います。この血糖値という言葉の意味をしっかり確認しておきましょう。血糖値とは、血液に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。この血糖値は、人が生きていく上で最も利用しているエネルギー源となっています。特に、脳の活性化に使われているのです。脳を動かすためにもグルコースの安定化は重要事項となります。

この血糖値の安定化を図るため、体の臓器たち総動員で血糖のコントロールをしているのです。しかし、血糖値が安定しないと体の各症状に被害が出てきます。そのひとつが「機能性低血糖症」です。

1-3.うつに関係していると言われている

現代では、うつ病など精神的な病気になる人が増えています。この機能性低血糖症は、うつ病とも深く関係していると言われているのです。機能性低血糖症になると血糖値が乱れます。血糖値が乱れると脳に送られるグルコースも安定しないため精神状態も乱れてくるのです。

また、低血糖を回復して体温維持に働き掛けるホルモンは、精神状態の回復にも関係しています。そのホルモンが出てくることによって、精神状態が乱れてうつ病に拍車が掛かるのです。

2.機能性低血糖症の症状

2-1.特徴的な症状

では、機能性低血糖症になるとどのような症状が出てくるのか確認しておきましょう。機能性低血糖症になると疲労感に包まれます。何かしただけで体を動かすのを面倒に感じてしまうほどです。

また、機能性低血糖症になるとうつや精神病を併発しやすくなります。統合失調症、うつ病、パニック障害、慢性疲労症候群、登校拒否、多動性障害などが起こりやすいことを知っておきましょう。

低血糖状態になると動悸(どうき)や頭痛、震えなどが起こりやすくなるのも特徴です。ストレスに弱い人は対応できず症状が悪化する人もいます。

2-2.身体的に出る症状

身体的には極度の疲労や頭痛、めまいが出やすいのが特徴です。また、発汗や震え、心臓の動悸(どうき)なども起こりやすくなります。

ほかには、目のかすみや筋肉の引きつけ・筋肉痛。機能性低血糖症の人は、普段から消化不良を感じたり甘いものを異常に欲しがったりします。

2-3.内面・精神的な症状

内面的な症状としては精神が安定しないためうつや不眠、イライラする状態が続くのが特徴です。また、睡魔が突然襲ってきて精神的に安定しない状態が続きます。血糖の状態が悪くなるとホルモンバランスも崩れて精神的な悪循環に陥る人も多いようです。

3.機能性低血糖症の原因

機能性低血糖症は、突然なるものではありません。日々の行動や生活が積み重なることで発生する病気です。どうしてなってしまうのか確認しておきましょう。

3-1.糖分の取り過ぎ

機能性低血糖の最も多い原因は、糖分の取り過ぎです。多くの場合、お菓子やスイーツなど甘い食べ物の過剰摂取が機能性低血糖の原因となります。清涼飲料水やお菓子には、多くの糖分が含まれているもの。その糖分は細かくなっているため、体の中に素早く吸収されます。糖分によって上がった血糖値を下げるため、体の反応としてインスリンが分泌されるのです。そのインスリンでも血糖値が下がらない状態を糖尿病と言います。

しかし、機能性低血糖の場合は反対です。インスリンが出過ぎる・効き過ぎることで血糖値が急降下します。その急降下を繰り返すことで血糖値のコントルールができなくなり、精神的に不安定な状態となってしまうのです。

3-2.日々のストレス

ストレスは、血糖コントロールにかかわる副腎に疲労を与えます。ストレスを感じ続けることで低血糖の状態となるのです。また、ストレスを解消するため過食に走ると血糖値に悪影響となります。その上、不規則な生活になってしまうと自律神経も乱れ始め機能性低血糖に近づくのです。

4.機能性低血糖症の治療法

機能性低血糖になったとき、きちんとした対策を行うことが大切。対策をしっかり行って治療していきましょう。

4-1.まずは糖質制限

機能性低血糖になったとき、まず始めるのは「糖質制限」です。甘いものを控えることが機能性低血糖を改善する近道となります。白砂糖やブドウ糖果糖液糖が対象です。この2つは、体への吸収率が高いため避けるようにしましょう。

白砂糖やブドウ糖果糖液糖分は、甘いお菓子やジュース、スナック菓子、菓子パン、お惣菜(そうざい)などに使われています。ほかには、このような食べ物にも注意しておきましょう。

  • 小麦・白パン・白米などの炭水化物
  • 滋養強壮剤
  • コーヒー・紅茶・コーラなどに含まれるカフェイン
  • ビール
  • 甘いワイン
  • タバコ
  • スポーツ飲料

以上の食べ物の過食にも注意します。

4-2.血糖の吸収を緩やかにする食べ物を取る

食べ物の中には、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる栄養素があるのです。その栄養素はタンパク質と脂質。この2つは消化管ホルモンの分泌量を増やします。また、インスリンの分泌も促すので血糖値が上がりづらくなるのです。

  • 鶏胸肉
  • サバ
  • 牛ばら肉
  • サケ
  • 豚肉
  • マグロ
  • カツオ
  • 納豆
  • 豆腐

以上の食べ物を食事に取り入れましょう。

また、肉類だけでなく食物繊維の多い食べ物も摂取したいところ。食物繊維も糖の吸収を緩やかにしてくれます。

  • ごぼう
  • アボカド
  • ほうれん草
  • キウイフルーツ
  • りんご
  • かぼちゃ
  • ひじき
  • しめじ
  • レタス

肉系の食べ物と野菜を取り入れた食事が重要です。

4-3.運動をする

機能性低血糖になると精神的バランスが崩れています。精神的バランスと食事を促すため、運動で体を整えることも重要です。きちんとした食事を取った後、糖をエネルギーとして消費するため運動を取り入れましょう。筋肉が付くことでストレスにも強くなる傾向があります。精神衛生的にも運動は重要となるのです。

5.まとめ

いかがでしたか? この記事では、機能性低血糖の症状や原因についてまとめました。機能性低血糖とは、血糖値が高い状態から急降下する状態が続くことで精神が混乱することです。だるさや眠気、頭痛などが症状として出てきます。また、筋肉の痛みや動悸(どうき)なども発生するのを知っておきましょう。原因としては、異常な糖分の摂取です。

対策としては、糖質制限が挙げられます。体に入ってくる糖質をコントロールすることで体の血糖値を正常に戻ることが重要です。また、運動とバランスのいい食事を心がけましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』