
末期がんの生存確率はどのくらい?完治するためのポイントと治療法
日本人の死因トップである「がん」はステージによって進行度が変わります。
ステージがすすむにつれ完治する確率は低く、生存率も変わるものです。
中でもがんの症状すすんでいる状態を「末期がん」と呼んでいます。
これから、末期がんの生存率や定義、一般的な治療法について説明しましょう。
たとえ、末期がんになったとしても完治できないわけではありません。
がんに勝つためには病気について知ることが大切です。
1.末期がんの生存率
がんの進行具合は“ステージ”で表します。
末期がんの生存率を知るには、まず、ステージ段階それぞれの特徴・症状を把握しなければなりません。
これから、ステージごとの生存率・特徴について詳しく説明していきましょう。
1‐1.がんのステージは4段階
末期がんの宣告を受けたとき、「あなたはステージ○です」と言われるはずです。
がんの進行具合は、基本的にステージ0~IVと5段階にわかれています。
がんの種類によってはステージI~IVと4段階になるときもあるようです。
がん細胞が粘膜にとどまっている状態をステージ0として症状がすすんでいきます。
リンパ節への転移はありませんが、がん腫瘍が筋肉の層まで達している状態がステージIです。
そして、リンパ節へ転移し始めるのがステージIIからになります。
ステージIIIになると、がん腫瘍が浸透してステージIVにはほかの臓器へ転移することになるでしょう。末期がんはステージIVになります。
1‐2.ステージによって異なる生存率
がんの初期症状であるステージ0やステージIは、ほとんどの人が5年生存率80%~90%です。
早めに手術や治療を受けることで、早くがん腫瘍を除去できます。手術内容も軽いので回復も早いです。
しかし、ステージが悪くすすむたびに生存率・生還率は低くなります。
ステージIIでは生存率は大して変わりません。
けれども、ステージIIIやIVになると生存率が大きく下がるでしょう。
ステージIIIではおよそ50%以下、ステージIVになると5年生生存率がおよそ20%~10%以下にまで下がってしまいます。
また、がんの種類によっても生存率は大きく異なるものです。
たとえば、大腸がんの場合ステージIIIの生存率はおよそ75%ですが、ステージIVになると19%まで一気に下がります。
日本人でも多い肺がんは、ステージIIIの段階で生存率20%です。ステージIVになると4%と確率が一気に低くなります。
1‐3.がんのステージを決める3つの要素
がんの症状によって4~5段階のステージに分類できますが、3つの要素でステージを判断しています。
「がんの大きさ(T因子)」「周辺のリンパ節への転移(N因子)」「別の臓器への転移(M因子)」です。
4~5段階のステージを大きく隔てているのは、リンパ節や臓器への移転があるかどうかになります。
もし、がん細胞がリンパやほかの臓器に転移しているのならステージが進行するでしょう。
また、ほとんどのがんは1~2年ほど早期がんにとどまっていると言われています。
つまり、2年以上経過すれば末期がんへ進行するスピードが速くなるのです。
2.末期がんの定義
2‐1.末期がんとは何なのか?
テレビや芸能人のニュースなどで“末期がん”という言葉をよく耳にします。
言葉は知っていても末期がんについて詳しく知っている人は少ないでしょう。
これから、末期がんと立ち向かうには病気や症状について詳しく知らなければなりません。
末期がんについて簡単に説明すると、“治る可能性が低いがん”を指しています。
ただ、ほかのがんと区別しなければならないのは、末期がんから特別な治療にシフトするからです。
末期がん以外のがんは「治療を目指す医療」を心がけています。
けれども、末期がんになると「援助の医療」にシフトするのです。
患者さんが穏やかな生活を送るよう援助する形で治療するようになります。
しかし、末期がんは決して治らない病気ではないので安心してください。
末期がんになった人の中には無事に完治した人もいます。
自分自身が末期がんとどのように立ち向かうのかが、治療の大切なポイントになるでしょう。
2‐2.末期がんの定義はさまざま
末期がんの定義は1つではありません。医療の立場によって定義はさまざまです。
たとえば、治療から見た末期がんの定義は「手術・放射線治療・化学療法いずれも不可能なもの」になります。ほかには、「手術不可能なもの」「手術・放射線治療のいずれも不可能なもの」となっているのです。
しかし、症状や予後の見方では「予後の生存期間が1か月以内」「予後6か月~3か月以内」「全身状態の極度に悪化したもの」になるでしょう。
また、ホスピスやターミナル・ケアなどでは「予後2~3か月以内」の人を末期がんと表すケースもあります。
以上のように、末期がんの定義はさまざまあると覚えておきましょう。
3.末期がんの一般的な治療法
3‐1.患者の状況に合わせた治療法
一般的に、末期がんの治療法は“患者さんの状態”が第1優先になります。
がん治療と言えば、放射線治療や腫瘍摘出手術、抗がん物質の投与になるでしょう。
しかし、末期がんの場合は治る確率が低いとみなされているため、ほとんどの医師が患者さんの意思を優先する傾向があります。
主な治療法としては、抗がん剤や薬の組み合わせを考えた“代替医療”です。
代替医療は、通常医療の代わりになる医療のことを指しています。
さまざまな種類はありますが、中国医学における気功などの伝統医学やカイロプラクティックなどの民間療法、食事からの栄養療法になるでしょう。
患者さんの体調を改善しながら治療を受けていく形になります。
3‐2.体内環境づくりや痛みを減らす治療法
末期がんの一般的な治療法は、ほかにもたくさんあります。
患者さんが快適に生活できるよう、免疫細胞の向上や元気な細胞を生み出す体内環境づくりも治療法の1つです。
また、末期がんになると“痛み”も出てきます。
痛みから解放するため、炎症をしずめる治療法もあるのです。
特に、大切な治療法が“心のケア”になるでしょう。
末期がんと聞けば気分が落ちこみ、絶望的な考え方しかできなくなります。
けれども、心が落ちこんでしまえば体力や体内環境づくりがスムーズにいきません。
さらに、体の状態も悪化してしまう恐れがあります。
よって、がんをやっつける細胞を生み出すには“明るい心”を保つことが大切なのです。
実際、最先端医療を実践しているアメリカでは心をケアをする「直観医療」が主流になっています。
末期がんというストレスから解放するためにも、自分自身と向き合うことが大切です。
4.まとめ
末期がんの生存率や定義、一般的な治療法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
ステージIVまですすんでいる末期がんは完治できない症状だと思いがちです。
しかし、末期がんになった人の中には順調に回復した人もいます。
よって、末期がんになったからと諦める必要はありません。
大切なのは、末期がんに対する考え方や気持ちの持ちようです。
自分自身と向き合いつつ、自分の体調に合った方法で末期がんの治療を受けていきましょう。
直接、がんへのアプローチも大切ですが、精神的なストレスから抜け出すのも大切な治療法です。
末期がんと闘うためにも自分のことを詳しく知っていきましょう。