肝臓癌の生存率

肝臓癌のステージ4…生存率と余命、その後の治療法とは?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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現在、癌は早期発見早期治療をすれば、寛解できる可能性も高くなりました。でも、癌が発症した箇所や進行状況によっては、治療が難しく5年生存率が低くなることもあります。その一方で、ステージが進んだガンと診断され、これからどうすればいいのか悩み、不安で一杯の人も多いことでしょう。しかし、手術が難しい箇所に発症し、進行した癌でも適切な治療を行えば、症状が改善し、社会復帰できる可能性もあるのです。

そこで今回は、肝臓癌でステージ4の場合の生存率・余命・治療方法等を解説します。正確な情報を多く集めれば、それだけ治療方法の選択肢が広がるでしょう。

  1. 肝臓癌ステージ4とは
  2. 肝臓癌ステージ4で現れる症状
  3. 肝臓癌ステージ4の生存率と余命
  4. 肝臓癌ステージ4の一般的な治療法

この記事を読むことで、肝臓癌の症状や病院へ行くべき目安なども分かります。家族、もしくはご自身が肝臓癌と診断されたという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.肝臓癌ステージ4とは

1-1.肝臓癌について

肝臓癌の約90%は、ほかの臓器から癌が転移する「転移性肝臓癌」です。肝臓の細胞から癌が発生することはほとんどなく、全体の10%弱程度でしょう。転移性肝臓癌は、大腸や胃、すい臓、子宮、肺、子宮などから転移してくる場合が多くなっています。初めに癌が発生した原発巣が完全に切除してある場合だと治癒は期待できるでしょう。

しかし、原発巣にまだ癌が残っており、肝臓にも転移している場合、治療は非常に困難になります。さらに、肝臓には胃や小腸、大腸などの消化器官につながる「門脈」があり、その血管をとおってほかの臓器に転移しやすいのです。

1-2.ステージ=癌の進行度

肝臓癌は、癌の個数や大きさ、広がりによって4つのステージに分かれます。リンパ節に転移している場合はステージ3、ほかの臓器に転移している場合はステージ4に分類されるのです。

肝臓癌の場合、肝機能の状態や腹水の有無も確認した上で、総合的にステージを決定します。
ステージによって、今後の治療法や生存率が決まってくることになるでしょう。

1-3.肝臓癌になりやすい年齢と肝炎ウイルスとの関係

肝臓癌は50~60代の男性に多く発症します。特に45歳以上になると、男女ともに発症リスクが上昇するでしょう。肝臓癌による死亡率は、全体で第4位となっています。肝臓癌は、肝炎ウイルスへの感染が原因で発症するケースも多いのです。

肝炎ウイルスにはさまざまな型があり、肝臓癌につながるのはB型肝炎とC型肝炎。日本人の場合、特にC型肝炎の持続感染による肝臓癌が非常に多くなっています。ウイルスに感染していた場合は発癌のリスクを減少するための治療法があるため、早めに検査を受けるのがおすすめです。

1-4.肝臓癌の原因

肝炎ウイルスへの感染以外にも、肝臓癌の発症リスクを高める要因になるものはあります。たとえば、慢性肝炎や肝硬変など肝臓系の疾患を持っている人は注意が必要でしょう。肝硬変から肝臓癌に発展する可能性は約7%です。

また、過度の飲酒が原因で肝臓癌になる場合もあります。お酒を長期的に過剰摂取すると肝臓の解毒・分解能力に大きな負担をかけることになるのです。

その結果、癌の発症リスクを確実に高めてしまいます。もちろん、お酒だけでなくタバコも原因の1つです。タバコの煙には数十種類の発癌性物質が含まれているということを忘れないでください。

ほかの臓器に転移しているとステージ4になるんですね。
肝臓癌による死亡率は、全体で第4位となっています。肝炎ウイルスや慢性肝炎や肝硬変など肝臓系の疾患から発症することもあるので要注意です。

2.肝臓癌ステージ4で現れる症状

2-1.ステージ4の条件

肝臓癌のステージ4に分類されるのは、以下の条件がそろったときです。

  • 直径2cmを超える大きさの癌である
  • 癌が2個以上ある
  • 癌が血管の中に入り込んでいる状態

2-2.肝臓は「沈黙の臓器」

肝臓は「沈黙の臓器」と言われており、症状が進行しないと自覚症状が現れにくいのが特徴です。最初のうちはほとんど症状がないため、肝臓癌になっていることに気付かない人が多くなっています。そして、自覚症状が現れたころには、すでに癌が進行してしまっていることがほとんどなのです。

症状が進行してくると、黄疸(おうだん)がひどくなる、腹水がたまるなどの症状が出てきます。ほかには、背中や腰の痛み、体重減少、貧血といった症状が主なものです。また、骨に転移して激痛が走るようになることも少なくないでしょう。ステージ4になると症状が急に現れるようになり、全身から出血したり大量吐血したりするようなこともあるのです。

2-3.癌が転移した場合

原発性肝癌が全身のリンパ節や臓器に転移するとそれぞれの場所で症状が現れるようになります。黄疸や腹水、しこりに始まり、頻脈や呼吸困難、腹部膨満感、下痢、発熱などの症状が重なるでしょう。肝臓癌はさまざまなところに転移する可能性があるため、症状も多様であるということを覚えておいてください。

全身から出血したり大量吐血したり、とてもこわいですね。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われていて、自覚症状が現れたころには、すでに癌が進行してしまっていることがほとんどなのです。

3.肝臓癌ステージ4の生存率と余命

では、肝臓癌のステージ4という診断を受けた場合、余命はどのくらいなのでしょうか。
もちろん、末期だからと言って余命があとどのくらいなのかはっきりと決まるわけではありません。
余命と同じような意味で、癌の治療を評価するために「5年生存率」という言葉があるでしょう。
癌の治療をした5年後にどのくらい存命しているかの割合を示すものです。
たとえば、5年生存率が10%の場合で考えてみましょう。
10人が癌の治療を始めて、その後5年経過したときに生きているのが1人ということになるのです。
肝臓癌のステージ4では、5年生存率がわずか9.4%と言われています。
治療は難しい状態で、抗癌剤もほとんど効果が期待できないでしょう。
しかし、免疫力をつけることによって末期の肝臓癌患者でも何年間も癌とともに生きることは可能です。
ステージ4の肝臓癌だという診断を受けたとしても、あきらめてしまうのは早いということでしょう。

肝臓癌ステージ4になると、5年生存率は9.4%しかないんですね。
免疫力をつけることによって末期の肝臓癌患者でも何年間も癌とともに生きることは可能ですから、ステージ4の診断を受けたとしても、あきらめてしまうのは早いでしょう。

4.肝臓癌ステージ4の一般的な治療法

4-1.遠隔転移がない場合

肝臓癌のステージ4の場合、遠隔転移の有無によって選択できる治療法が異なります。遠隔転移がない、つまり癌が肝臓だけにとどまっているのであれば、肝動脈塞栓術が行われることになるでしょう。肝臓癌は肝動脈から栄養を受けて増殖を続けます。この肝動脈にゼラチンスポンジを注入して塞ぐとともに抗癌剤を投入し、癌細胞を壊死(えし)に追い込む治療法なのです。

ただし、1回の治療で癌が消滅することは少なく、数回繰り返して治療を行うことになるでしょう。しかし、繰り返すうちに癌が肝動脈以外から栄養を取り込むことになってしまい、効果が少なくなることもあります。また、肝機能が低下したケースではこの治療を行うことができないでしょう。

4-2.遠隔転移がある場合

遠隔転移がある場合は、全身化学療法が行われます。肝臓癌は肺や副腎、骨、脳への転移が多いため、放射線治療が必要になるでしょう。肝臓は放射線に弱い臓器であることから、放射線治療によって肝機能が低下すると言われていました。しかし、近年は放射線治療機器の進歩により、多方向からの照射によって肝臓のダメージを抑えることに成功しているのです。

遠隔転移の有無で治療は違うんですね。
遠隔転移がない場合は肝動脈塞栓術を行うことになるでしょう。遠隔転移がある場合は、全身化学療法が行われます。

5.まとめ

いかがでしたか? ステージ4は肝臓癌の「末期」であり、治療が非常に困難な状態です。余命についても、深刻に考える人は多いでしょう。確かに生存率は厳しい数字が出ているものの、必ずしもそこに当てはまるとは限りません。家族だからこそ、最後まで希望を捨てずに、病気と向き合っていく覚悟を決めることが大切ではないでしょうか。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』