癌悪液質とは?

癌悪液質とは? 症状や受けるダメージ・余命について

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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日本人の死亡原因No.1になっているのが「癌(がん)」です。じん臓癌(がん)や肺癌(がん)、胃癌(がん)などさまざまな種類はありますが、癌(がん)の原因になっている物質があります。「癌(がん)悪質液」と言われているものです。

そこで、これから癌(がん)悪液質とは何なのか、症状や特徴、癌(がん)悪液質によるダメージや生存率など詳しくお話していきましょう。癌(がん)悪液質について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

  1. 癌(がん)悪液質とは?
  2. 癌(がん)悪液質の症状
  3. 癌(がん)悪液質がもたらす影響・生存率
  4. まとめ

1.癌(がん)悪液質とは?

癌(がん)患者の体力だけでなく、心まで消耗してしまうのが「癌(がん)悪液質」です。真正面から癌(がん)と戦うには悪液質についてしっかり知識を身につけておかなければなりません。一体、癌(がん)悪液質とはどんなものなのでしょうか。

1‐1.悪液質は癌(がん)の進行状態を示すもの

そもそも、癌(がん)悪液質とは明治時代に日本へやってきた言葉です。海外ではcachexiaと言い、悪い状態と言う意味を持っています。癌(がん)は初期症状のうちにやっつけておかなければならないものです。進行状態が悪化すればするほど、身体面・精神面に大きなダメージを負ってしまいます。

ほとんどの癌(がん)の進行状態は4~5段階のステージで判断することになるでしょう。ステージの数字が大きくなればなるほど、癌(がん)悪液質が目立つようになります。つまり、癌(がん)悪液質は癌(がん)の進行にともなって低下する機能的障害を指しているのです。機能的障害が進行した病態だと思っておいてください。

1‐2.臓器への異常を起こす

癌(がん)の種類は腫瘍ができた部位によって異なります。肺にできた場合は肺癌(がん)、胃にできた場合は胃癌(がん)と判断するでしょう。基本的に、癌(がん)悪液質は癌(がん)細胞が存在しているところに潜んでいるものです。癌(がん)細胞が活性化するほどさまざまな部位・臓器への異常を起こす原因にもなります。

慢性炎症状態になると、内分泌系・脳神経系・代謝系・免疫系などあらゆるところが異常を起こしやすくなるでしょう。すべての異常は「癌(がん)悪液質」が関係しています。私たちの身体・精神ともに悪影響を起こす重大なものです。

1‐3.癌(がん)悪液質の定義とメカニズム

癌(がん)悪液質に明確な定義はあるのでしょうか。日本緩和医療学会によると、癌(がん)悪液質とは「栄養療法で改善することが困難なもの」「進行性に機能障害をもたらす複合的な栄養不良の症候群」となっています。また、「栄養摂取量の減少と代謝異常によってもたらすたんぱく、およびエネルギーの喪失状態」です。

人間には生きるためのエネルギーを栄養でおぎなわなければなりません。けれども、癌(がん)悪液質のせいで癌(がん)の進行とともに体重減少や低栄養など栄養が補給できなくなってしまいます。ほとんどの場合は食欲不振になるため、食欲不振悪液質症候群とも呼んでいるのです。

2.癌(がん)悪液質の症状

2‐1.体重と筋力が落ちる

癌(がん)の症状と言えば、最初に思い浮かぶのが「やせる」ことです。自然と食事量が減ってしまい、体重が著しく減少するでしょう。癌(がん)の進行状態とともに現れる癌(がん)悪液質の症状もほとんど同じです。「体重」と「筋力」が落ち始めたら悪液質が影響していると考えてください。

癌(がん)悪液質を持っている人は、持っていない人よりも筋肉量の減少が激しいです。悪液質による判断基準は明確になっていませんが、悪液質は除脂肪体重が変わります。ダイエットによる体重・筋肉量の減少は基本的に除脂肪体重が変わりません。けれども、体内の脂肪も少なくなる悪液質は変わるのです。結果、筋肉や内蔵、骨格だけになります。非常に悪いやせ方と言えるでしょう。

2‐2.治癒力の低下やだるさ

癌(がん)悪液質の症状は目に見えるものだけではありません。目に見えない体内でもさまざまな変化が起きています。たとえば、治癒力の低下です。癌(がん)になると免疫力が低下するのは多くの人がご存じでしょう。実は、癌(がん)悪液質がおよぼすダメージはとても大きいものです。治癒力や抵抗力が低下するため、生活の質が急激に悪くなります。結果、感染症が発生して体力が消耗し死亡するケースも多いのです。

また、身体面だけでなく精神面にも症状が出てきます。精神面で現れる症状はだるさです。いつも疲れた気分になってしまいます。何をしてもだるくなる、やる気が起きない、悪い考えばかりするなど症状はさまざまです。

3.癌(がん)悪液質がもたらす影響・生存率

3‐1.癌(がん)悪液質がもたらす影響

症状を見るとわかるように、癌(がん)悪液質がおよぼす影響はさまざまです。癌(がん)悪液質が進行すると筋肉が萎縮(いしゅく)し始めます。筋肉がなければ自由に身体を動かすことができず、日常での活動に支障をきたすでしょう。また、呼吸困難、のどや食道周囲の筋肉まで衰えてしまいます。さらに、生きるためのエネルギーを補給する食事が難しくなるでしょう。

精神面にも悪影響をおよぼすため、治療には身体と心のダブルアプローチが必要だと言われています。ある研究者は身体への治療よりも心のケアのほうが大事だと発言しているほどです。よって、癌(がん)の治療をしている人は心のケアもしっかりしていきましょう。クリニックの中には患者さんの心や精神面にアプローチしながら治療するところがあります。ぜひ1度相談しにカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

3‐2.癌(がん)悪液質の生存率

基本的に、癌(がん)の生存率は腫瘍の進行状態や大きさ、臓器によって異なります。ステージの数字が大きくなればなるほど生存率は低くなるでしょう。癌(がん)悪液質による影響が現れた時点で、癌(がん)は末期の状態になっていると言われています。癌(がん)末期になると悪液質によってやせ始め、全身の筋力が衰え始めるのです。末期をすぎるとご飯が簡単に飲みこめなくなってしまいます。結果、食べる意欲も奪われてしまい身体が衰えていくばかりです。

あくまで目安ですが、悪液質によって筋力低下、ご飯を食べることができない状態になったら余命は数週間以内になります。しかし、実際は癌(がん)を細かく調査しなければ余命ははっきりとわかりません。余命数週間と言われていた人が1年以上生き続けることもあります。まずは、1度専門医療施設で詳しく検査をしてできるだけ早めに治療を受けることが大切です。

4.まとめ

癌(がん)の悪液質とは何なのか、症状や悪液質がおよぼす影響、生存率について説明しました。いかがでしたでしょうか。癌(がん)の悪液質は症状が進行しているときに出てくるものです。筋力や体重が低下し始め、少しずつ食欲もなくなるでしょう。癌(がん)は私たち人間の身体や精神をむしばんでいくものです。できるだけ早めに治療を受けることが何より1番の対策になります。

また、身体への治療ばかり目を向けがちですが、心のケアも重要です。特に、癌(がん)悪液質は精神面への悪影響が大きいので心のケアをしながら立ち向かっていかなければなりません。治療を受ける前に自分の気持ちを整理してください。癌(がん)と戦う準備をしてから治療を始めましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』