子宮頸がんのワクチン

副作用が気になる方必見! 子宮頸がんのワクチンって本当に安全?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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子宮頸がんとは、子宮にできるがんの一種で発症のピークが20代~30代というがんの中では珍しい種類です。
そのため、発見が遅れて手遅れになってしまうケースも少なくありません。
実際、20代~30代の女性のがんによる死因第1位が子宮頸がんです。
また、子宮頸がんはワクチンで予防できる唯一のがんですが、副作用も問題となっています。
そこで今回は子宮頸がんのワクチンについて副作用も含めてご紹介しましょう。
テレビや雑誌で副作用の怖さを知った方もいると思います。

  1. 子宮頸がんの基礎知識
  2. 子宮頸がんの治療について
  3. 子宮頸がんのワクチンについて
  4. 子宮頸がんワクチンの副作用とは?
  5. 子宮頸がん検診を受けよう
  6. 子宮頸がんはどこで治療したらいいの?
  7. 子宮頸がんワクチンにかんするよくある質問

この記事を読めば、ワクチンの効果や副反応のリスクなども分かるでしょう。
子宮頸がんについてもっと知りたい方やワクチンの接種を考えている方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.子宮頸がんの基礎知識

子宮頸がんのワクチンについてご紹介する前に、まずは子宮頸がんとはどのような病気か、ということをご紹介します。
子宮にできるがんの一種ですがどのような特徴や症状があるのでしょうか?

1-1.子宮頸がんとはどのような病気?

子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんです。
子宮はひっくり返したツボや洋ナシに例えられるような形をしており、上部の丸いふくらみと下部の細長く膣(ちつ)に続く部分からできています。
子宮頸がんとは、子宮の入り口である細長い部分に発生するがんです。
ちなみに、上部の丸いふくらみにできるがんは「子宮体がん」といいます。
子宮体がんに比べて子宮頸がんは子宮の入り口にできるため、検診で発見しやすく予後がよいがんといわれているのです。
しかし、子宮頸がんの発症のピークが20代~30代と若いうえ、初期のころは自覚症状がほとんどありません。
そのため、発見が遅れてしまうケースも少なくないのです。
子宮頸がんは進行すると治療が難しいため、早期発見が大切といわれています。

1-2.子宮頸がんの原因とは?

子宮頸がんは、がんの中では珍しくHPV(ヒトパピローマウィルス)が原因であるとはっきりしています。
このウィルスは性交渉を通じて人から人へと感染していくウィルスです。
しかし、決して珍しいウィルスではありません。
どの人の体内にもいるウィルスなので、性交渉をすればほぼ9割以上の方が感染するでしょう。
「性交渉をすることによって感染する」という言葉が独り歩きし、子宮頸がんを発症された方で肩身の狭い思いをする方もいるかもしれません。しかし、ヒトパピローマウィルスは1度でも性交渉があれば感染する可能性があるのです。
つまり、既婚者のほとんどがヒトパピローマウィルスに感染しているでしょう。
また、ヒトパピローマウィルスに感染したからといって必ずしもがんになるとはありません。
ほとんどの方が感染してもウィルスが消滅してしまうのです。

1-3.子宮頸がんになりやすい方とは?

がんは、ストレスで発症率が上がるといわれています。多大なストレスがかかると免疫力が低下するのです。
すると、ヒトパピローマウィルスが消滅せず感染しっぱなしになります。
これが感染者全体の10%~30%程度、といわれているのです。
ヒトパピローマウィルスに感染し続けると子宮頸部の細胞が変化し、やがてがんになるといわれています。
最近は女性の社会進出が進む一方で、仕事と家庭の両立に悩む方も少なくありません。
そのストレスが子宮頸がんの発症率をアップさせている可能性もあるのです。

2.子宮頸がんの治療について

子宮頸がんの発見は、検診によるものがほとんどです。
というのも、癌の初期症状はほとんど自覚がなく、ある程度ステージが進んでからやっと不正出血などの症状が現れます。
また、子宮頸がんの発症のピークは妊娠する方も少なくありません。
そのため、妊娠中の検診で発覚する方もいるのです。
発見が早ければ子宮頸部の一部を取り除く手術が行われることが多いでしょう。
これを「円すい切除法」といいます。
また、「光線力学的治療」といって、がん細胞だけが取りこむ光感受性物質を体に注入し、それに向けて特殊なレーザーを照射することにより、がん細胞を死滅させる治療も行われるでしょう。
ただし、癌のステージが進むと子宮を摘出する手術や化学療法を組み合わせた治療が行われます。
子宮頸がんが進行するほど摘出する範囲は広くなり、子宮だけでなく膣(ちつ)の一部や周辺の組織、卵巣や卵管まで切除しなくてはなりません。
こうなると体にかかる負担も大きくなり、妊娠や出産は不可能になります。
そのため、子宮頸がんは早期発見早期治療が大切なのです。

3.子宮頸がんのワクチンについて

この項では、子宮頸がんのワクチンについていろいろとご紹介していきます。
いったいどのようなものなのでしょうか?

3-1.子宮頸がんのワクチンとは?

前項で、子宮頸がんの原因がヒトパピローマウィルスであることをご説明しました。
ヒトパピローマウィルスに感染し続けることによって発症のリスクが上がるのならば、体内に抗体を作り、感染を予防すればよいのです。
つまり、インフルエンザなどのワクチンを接種するのと同じ理屈になります。
子宮頸がんのワクチンはまだ性交渉を行っていない年代に接種しなければ効果がないのです。
そのため、二次性徴が始まる10代前半の接種が推奨されています。
日本では小学校6年生~高校1年生までが接種対象で、平均摂取年齢は13歳~14歳です。

3-2.子宮頸がんワクチンの種類とは?

現在、日本で接種可能なワクチンは、サーバリックスとガーダシルの2種類になります。
どちらも子宮頸がんの原因になるハイリスクタイプに分類されるヒトパピローマウィルス15種類のうち2種類(16型と18型)をブロックする効果が期待できるのです。
この2種類のワクチンは病院によっては接種する種類を選べます。
ただ、現在のところ、わずかにサーバリックスの方が副反応は強いかもしれないという結果も出ているのです。
しかし、心配するほどではありません。

3-3.子宮頸がんワクチンの接種率とは?

子宮頸がんワクチンが日本で接種できるようになったころ、接種率は7割を超えていました。
しかし、副作用が盛んに宣伝されるようになり、2015年9月に厚生労働省が「積極的な接種勧奨の差し控え」を明言したことにより、残念ながら現在の接種率はわずか数%までに落ちこんでいるそうです。
海外では、120か国で子宮頸がんのワクチンが認証され、オーストラリアなどは接種のための費用は100%国費が負担しています。
ですから、これらの国では接種率が7割以上になっているのです。

3-4.ワクチンを接種する場合の注意点

子宮頸がん予防サイトには、子宮頸がんワクチンを接種する大切さや、保護者への注意点が掲載されています。
子宮頸がんワクチンを接種すると、副反応としてふらふらしたり意識が遠のいたりすることもあるのです。
ですから、体調がよく、接種後病院で休めるだけの時間があるときに接種しましょう。
また、このサイトから子宮頸がんワクチンを接種できる病院を検索できます。

4.子宮頸がんワクチンの副作用とは?

子宮頸がんワクチンの副作用が昨年から盛んに発表されるようになりました。
ニュースなどで特集が組まれることも増え、「実は高リスクだったのでは?」と心配する方もいるでしょう。
また、副作用は意識を失ったり、知能が低下したような症状が出たり、さらに手足がけいれんしたりとかなり深刻です。
しかし、厚生労働省はこれらの副作用に「ワクチンによる重篤な副反応の多くは心的なものが引き起こす身体の症状」と結論を下しています。これは、副作用を訴えている方の血液を検査したりCTを取ったりしても何の異常も発見されないためです。
また、メディアも少数ではありますが「子宮頸がんワクチンでこのような重篤な副作用が出るのだろうか?」と訴えを疑問視する記事も発表しています。
しかし、子宮頸がんワクチンの歴史はまだ浅く、効果がどれだけ持続するのか、本当に副作用があるのか、まだデータが十分に集まっていないのが現状なのです。
ですから、子どもに接種を受けさせようか迷っている方は、子どもとよく話し合い、医師の説明を聞き万全の態勢で接種し、意識を失うなどの副反応が出てもあわてないようにしましょう。

5.子宮頸がん検診を受けよう

子宮頸がんは前述したように20代~30代に発症のピークを迎えます。
また、ワクチンを接種したとしていても、完璧ではありません。
そこで、ぜひ受けていただきたいのが子宮頸がん検診です。
これは、全国の産婦人科および人間ドックで受けられます。
検査方法は、子宮の入り口の粘膜を綿棒などでこすって取り、病理検査をする方法です。
痛みもほとんどなく、数秒で終わります。
しかし、未婚の方は産婦人科に行くこと、そして診察台に乗ることに抵抗を覚える方もいるでしょう。
でも、最近はスタッフが女性ばかりの産婦人科も増えています。
また、診察してくれる医師とはカーテンで仕切られているため、恥ずかしさを軽減できるところがほとんどです。
さらに、自治体によっては一定の年齢になると無料の診察券を送ってくれるところもあるでしょう。
実費で受ければ数千円かかりますので、ぜひ受けてみてください。
なお、検診の受け方は電話で尋ねられますし、予約できるところも多いのです。

6.子宮頸がんはどこで治療したらいいの?

子宮頸がんの検診自体は開業医でも行えます。
しかし、治療は総合病院やがんセンターがお勧め。
実際にがんが発見されたらほとんどの病院が、そのような専門病院へ紹介状を書いてくれるでしょう。
また、全国にはがん治療で有名な病院がたくさんありますが、ぜひ通院時間を考慮してください。
いくらよい病院でも通院時間が長すぎると体に負担がかかります。
また、定期的に子宮頸がん検診を受けていれば早期発見、早期治療が行えるのです。

7.子宮頸がんワクチンにかんするよくある質問

Q.子宮頸がんワクチンは本当に受けても大丈夫でしょうか?

A.医師によく説明を聞き、納得してから接種してください。まだ新しいワクチンですので接待に安全とはいいきれません。

Q.大人になってからも子宮頸がんワクチンを受けられますか?

A.現在のところ、16歳以上の方の子宮頸がんワクチンの接種を受け付けてくれる病院はありません。

Q.子宮頸がんの検査は、通常の産婦人科医でも行えますか?

A.はい、たいていの病院で行っているでしょう。心配ならば問い合わせてください。

Q.未婚ですので産婦人科には抵抗があるのです。

A.その場合は婦人科を受診する方法もあります。近所にある場合は問い合わせてみてください。

Q.自分で子宮頸がん検査を受けられるキットのようなものはありますか?

A.現在そのようなものはありません。病院で検診を受けましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は子宮頸がんの治療法やワクチンについて詳しくご紹介しました。
子宮頸がんのワクチンについては、いろいろな情報や意見が飛び交い、何が正しいのか結論が出ていないのが現状です。
だからこそ、ほかの人の意見に流されることなく、医師の話をよく聞いて接種するかしないかを決心しましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』