不整脈について

不整脈について理解が深まる! ~5分でわかる正しい原因と治療法~

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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不整脈だとわかったとき、「きっと心臓病だ…!」とひどくショックを受ける方がいます。確かに、脈拍はもとをたどると心臓から伝わってくるものです。異変があれば大もとの故障を疑うのは自然の道理でしょう。ところが、実際に病院に行くと「問題なし」とされるケースが多いことを知っておいてください。
一体なぜ、このような取り越し苦労が起こるのでしょうか?
正しく不整脈の原因を理解することで、「不整脈=すでに重病にかかっている」という先入観から脱却してください。過度な心配はかえって症状が悪化する原因となります。
この記事では、不整脈についてさまざまな情報をまとめてみました。

  1. 不整脈の基礎知識
  2. 不整脈の原因と症状
  3. 不整脈のセルフチェック
  4. 不整脈の診断方法について
  5. 不整脈の治療について
  6. 不整脈にかかわるよくある質問
  7. まとめ

記事を読むことで、不整脈に対して漠然とした不安を抱くことはなくなるでしょう。冷静に原因を探し、自分に最適な治療法を見つけることができます。

1.不整脈の基礎知識

最初の項で不整脈について基本を押さえておきましょう。原因と治療法を知るには、多くの方が不整脈にかんする認識を改める必要があります。

1-1.定義

不整脈は心臓のリズムが狂うことです。心臓の鼓動は血管を伝って脈に届けられるため、脈拍を測ると不整脈を見つけることができるでしょう。

1-2.メカニズム

心臓は筋肉でできた臓器です。
微弱な電気を「洞結節」と呼ばれる心臓の端で生成し、伝導路と呼ばれる電気の通り道を伝って心室へと届け、筋肉を収縮させて動かしています。この電気経路に異常が生じると、正しく拍動をせず「不整脈となる」と覚えておいてください。
つまり、定義で述べた「リズムが狂う」とは、心臓ではなく「電気経路に問題がある」ということです。

1-3.不整脈の種類

不整脈は3つの種類に大別できます。下記に述べていきますので、順を追ってみていきましょう。

1-3-1.速い(頻脈)

頻脈とは、脈拍が通常よりも「速い状態」を指します。
このとき、心臓では電気が早い頻度で生成され、本来通るべき伝導路とは異なる道を伝って電気が駆け抜け、「空回り」を起こしていることが多いです。

1-3-2.遅い(徐脈)

徐脈とは、脈拍が通常よりも「遅い状態」を指します。
症状が現れたとき、心臓の洞結節では「電気が要領よく作られていない」または「停止している」という事柄が起きているのです。

1-3-3.飛ぶ(期外収縮)

期外収縮とは、穏やかに刻んでいた脈拍が唐突に「飛ぶ症状」を指します。
本来生じる場所ではないところからの電気生成が原因となり、心臓が停止しているのかとひどく心配される方が多いです。電気が心房から発生している場合には「心房性期外収縮」と呼ばれ、心室から発生していれば「心室性期外収縮」と扱われます。

1-4.怖いものと怖くないもの

不整脈=心臓が悪いというわけではありません。
確かに、心臓病が原因で不整脈を起こすこともあります。けれど、不整脈は心臓自体が問題なのではなく、「電気を作る機能」に支障をきたして起こるのです。
また、中年以上の方ですと1日で数回は不整脈が起きます。意外と知られていませんが、不整脈は「年齢・体質的なもの」によって生じることが最も多いです。
なお、よく心配される方がいますが、「息を吸うと脈が速い」「吐くと遅い」という原理は生理現象であり、重大な病が原因であることはありません。
ただ、上記の事柄とは別に「怖い不整脈」があるのも事実です。

  • 失神状態を伴う不整脈
  • 動くと強い息切れになる
  • 突然始まる動悸(どうき)

上記の症状に該当する方は危険です。一瞬心臓が止まっている場合や、脈が遅すぎるために心不全を起こし、ピースメーカーを手配しなくてはいけないケースも考えられます。
特に危険なのは「失神」という症状です。心当たりのある方は、早急に医療機関を受診してください。

1-5.関連する病

前述したように、不整脈は「病気のサイン」である可能性も考えられます。
たとえば、弁膜症。心室や心房が肥大するせいで電気経路に狂いが生じ、結果、脈が乱れることになります。
そのほか、高血圧や甲状腺(こうじょうせん)に異常がある人も不整脈を起こしやすい傾向にあるでしょう。
不整脈の原因が「問題ないケース」と「病によるもの」とを見分けるのは、素人では難しいのが現状です。一度医療機関に足を運び、診察してもらいましょう。原因が判然とすれば心配の種が減り、万が一病であっても早期発見につながる見込みがあります。

1-6.なりやすい人

不整脈になりやすい人は、「ストレス・睡眠不足・疲労」などが多い生活を送っている傾向があります。つまり、「不規則な生活」ということです。
不整脈は突然死の「7割」を占め、過去には46万人の患者が確認されました。高齢になるほど不整脈は多くなりますが、健康な人でも脈が乱れることは忘れてはいけません。

2.不整脈の原因と症状

前項では「不整脈そのもの」について学びました。では、原因は一体なんなのでしょうか?
代表的な症状と併せてまとめていきます。

2-1.主な原因

不整脈の原因は「先天性心疾患・脂質異常症・糖尿病などの病気」であることも考えられますが、多くの方は病気ではありません。下記の事柄が要因であることが多いです。

  • 過労
  • 飲酒
  • タバコ
  • 蓄積疲労
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 熱湯風呂
  • カフェイン
  • 自律神経の興奮

2-2.主な症状

不整脈には自覚症状があるとは限りません。ですが、現れる症状としては「めまい・動悸(どうき)・息切れ」が挙げられます。
また、胸に痛みや不快感を覚えたら「期外収縮」の可能性が高いと覚えておきましょう。

3.不整脈のセルフチェック

この項では不整脈の自己診断について項目ごとにまとめてみました。原因を探るためにも、まずは自分の症状を正しく理解してください。

  • 動悸
  • 息切れ
  • めまい
  • 脈が飛ぶ
  • 喫煙している
  • 酒をよく飲む
  • 締め付けられる感覚
  • 胸が苦しいことがある
  • 運動中にいつも胸が「苦しい・痛い」
  • 血縁関係に心臓疾患で急死した人がいる
  • 健康診断で脈拍に異常があると告げられた
  • 以前不整脈があり「失神した」経験を持っている

4.不整脈の診断方法について

病院に行くと、どのように不整脈の検査をするのでしょうか? 実際におこなわれている検査方法についてまとめていきます。

4-1.検査方法

4-1-1.安静時12誘導心電図検査

多く採用される検査方法です。ベッドで横になり、手足と胸に電極を付けて、「12箇所」の心電図を調べます。

4-1-2.ホルター心電図

しっかりと「心電図検査」をしても異常は発見されないケースがあります。そのため、患者さんの生活に合わせ、24時間連続の心電図記録「ホルター心電図」を実施するのです。細かな心臓の状態を解析でき、異常も見逃しません。

4-1-3.運動負荷心電図

「自転車をこぐ」「昇降運動をする」といった運動をしながら心電図を測る検査方法です。安静時に発見できない不整脈を発見できる利点があります。

4-2.検査機関

不整脈は「循環器科」か「心臓内科」を受診してください。
循環器とは「血液を循環させる臓器」を指すので、循環器科の院長は心臓や血管について詳しい知識を持っています。総合的に診察してもらえるでしょう。
そして、心臓内科は「心臓の専門家」といえます。心臓病についてさまざまな側面から見て、不整脈との関連を厳しくチェックしてくれるでしょう。
なお、受診するのは内科であり、外科ではありません。手術前の検査をおこなうことはあっても、基本的には内科を受診しましょう。

5.不整脈の治療について

最後の項では、不整脈の原因を取り除く方法についてまとめていきます。「医学による改善」「普段の生活を見直すこと」などと、治療法は人によって多岐にわたるでしょう。

5-1.不整脈は治るのか

不整脈がゼロになるかという意味で問われると、「完治しない」と答えざるを得ません。
なぜなら、健康な人でも年を取ると不整脈が起こるからです。
病による不整脈なら「病気を治す」ことで一時的に改善することは可能でしょう。ですが、加齢によって生じる不整脈は避けられません。
危険な不整脈を抑えることは可能ですが、ゼロにはできないのです。
また、日常生活の「ストレス」にも左右します。

  • 強いストレスを受けると冠状動脈(心臓につながる太い血管)が収縮する
  • 逆にストレスがないと血管が拡張する

上記のことが起こると心臓の循環機能に狂いが生じ、不整脈を起こします。
要するに、どのような生活を送っていても不整脈は起こり得るといえるのです。

5-2.ペースメーカーによる治療

ペースメーカーを採用するのは、「徐脈の患者さん」に限ります。
心臓の外から機械で電気信号を送り、心臓の機能を正常に働かせ、体に血液を循環させることが主な治療方法です。ひどい不整脈であっても、周りの人と変わらない生活を見込めます。

5-3.投薬治療

不整脈の症状や原因に合わせて薬は処方されます。また、不整脈の薬は心臓に影響を及ぼすものが多いため「副作用が表れやすい」という点を覚えておいてください。
下記に代表的な薬を掲載していきます。

5-3-1.アミサリン・プロカイン塩酸塩

脈を正常値まで整える薬です。
用量を間違えたり、長い間服用し続けたりすると「心不全」を引き起こす可能性があります。医療機関で定期的に心電図を検査することが望ましいでしょう。

5-3-2.インデラル

心臓の働きを落ち着かせる作用の薬です。
激しい拍動を抑えることができ、血圧を下げることが可能となります。「狭心症」などの治療にもよく用いられるので有名です。
ただ、服用後にだるさを感じ、めまいを起こして徐脈になるケースも報告されています。

5-3-3.ワソラン

血管を広げて、血流を改善する薬です。
非常に有能な薬ではありますが、血流がよくなることで「顔が赤くなる」「頭痛を生じる」という傾向にあります。長期服用では「歯茎のはれ」を伴うこともあるでしょう。

5-4.費用について

不整脈で病院にかかるとき、健康のためとはいえ費用のことは気になるものです。
ですが、安心してください。不整脈の治療はすべて保険範囲内で済みます。仮に入院しても、「高額医療申請」をきちんとおこなえば10万円前後で治療を受けることが可能です。

5-5.注意点

不整脈は「病気が主な原因」ではなく、日常生活の「ストレスが要因」とされています。適正な睡眠時間の確保・規則正しい食生活など、不整脈を改善したい方は生活習慣の見直しをしてください。ストレスに負けない体を作ることができます。
もちろん、ストレスの発散場所も見つけておきましょう。 

6.不整脈にかかわるよくある質問

この項ではインターネットを介して寄せられるお問い合わせ内容をまとめてみました。不整脈についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q.子どもでも不整脈の心配はあるのでしょうか?
A.生まれたとき、心臓になんらかの異常を抱えている子どもは100人に1人の割合でいます。放っておいて改善する子と、運動の制限を余儀なくされる子など対策は千差万別です。
とはいえ、今現在お子さんに不整脈があるのでしたら、早めに医療機関を受診し、原因を解明しておきましょう。今後の対策も練りやすくなります。

Q.生活習慣を改善しようと思いますが、仕事柄運動とは無縁なのですが?
A.生活習慣を改善しようとしても、人によって「できること」と「できないこと」があると思います。規則正しい睡眠と食生活が望ましいですが、一番は自分に適した改善です。
たとえば、運動ができないのであれば「歩き方」を変えてみましょう。
うつむきながらではなく、前を歩く人の後頭部を見て歩くイメージです。この歩き方を採用するだけで運動量が3倍になります。
また、デスクワークが多い方は座りっぱなしの状態を避け、定期的に立ち上がり、ストレッチをするように心がけてみましょう。

Q.カテーテルアブレーションとはなんですか?
A.「頻脈の患者さん」に提案する治療法の一つとなります。
細い管「カテーテル」を足やひじの血管から挿入し、高周波を流すことで頻脈の原因である心臓の一部を「軽いやけど」状態にし、不整脈を直すことが可能です。
ただ、まれに心臓の壁に穴を開けてしまい、血液が漏れ出て脳梗塞(のうこうそく)の要因になることもあります。術前にきちんと説明を受けるようにしてください。

Q.病院では問題のない不整脈だといわれましたが、本当に大丈夫?
A.病院の診察が絶対に正しいというわけではありません。
セカンドオピニオンを検討されてみてはいかがでしょうか? 複数の病院で「問題なし」と診断されれば、およそ心配はいらないはずです。
過剰に不安がっている患者さんをよく診ますが、必要以上に心配することは精神を不安定にし、不整脈の悪化が懸念されます。
病院で診察を受けたら、正しく原因と症状を理解し、慌てずに生活を送りましょう。

Q.不整脈の原因について、効果的な診療方法はありませんか?
A.現代医学は「症状から見た改善」に基づいて治療をしますが、当クリニックでは「機能性医療」を採用しています。海外でも用いられる検査方法で「根源的な原因」を追究し、改善可能です。
また、症状や患者さんによりますが、治療に用いるのは「栄養サプリメント」や「ハーブ」で、副作用が表れにくいことが大きなメリットとなります。
よろしければ当クリニックのHPをご覧ください。

7.まとめ

最後まで記事を読んでいただき、誠にありがとうございます。
不整脈は健康な人でも起こり、「絶対に病気とは限らない」とご理解いただけたでしょうか? 不整脈に限らず、病気には冷静な対処が肝心となります。精神面を乱してしまうと、ほとんどの病は悪化するといっても過言ではないでしょう。
どうか正しく症状を見つめ、根源的な原因を改善してください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』