脂肪肝の改善方法

脂肪肝はこんなに怖い! 脂肪肝の改善方法を詳しく解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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皆さんは、「脂肪肝」という言葉をご存じでしょうか。メタボリックシンドロームに対して関心が高まっている今、脂肪肝は肥満と関連して気になる症状のひとつです。脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常に溜(た)まってしまった状態を言います。健康にさまざまな悪影響を及ぼすため、速やかに改善する必要があるのです。今回は、脂肪肝について知りたい人のためにも、基本的な知識だけでなく改善方法・治療方法・セルフケアに至るまで多くの情報をまとめました。毎日を健康で快適に過ごすためにも、必見の内容ですよ。

  1. 脂肪肝の基礎知識を身に付けよう
  2. 脂肪肝の症状と原因
  3. 脂肪肝と関連する病気について
  4. 脂肪肝の危険度チェックをしてみよう
  5. 脂肪肝の改善方法を伝授!
  6. 脂肪肝の治療について詳しく学ぼう
  7. 脂肪肝にならないためのセルフケアを理解しよう
  8. 脂肪肝にかんするよくある質問にお答えします!

記事を読むことで脂肪肝の知識が確実に身に付くだけでなく、正しい対策方法がわかるようになります。長く健康で過ごしたいのなら、普段の生活から脂肪肝対策も気を付けるべきです。記事を参考にして正しい知識を身に付けた後は、必要な治療や予防に専念しましょう。そのためにも、まずはじっくり読んでみてくださいね。

1.脂肪肝の基礎知識を身に付けよう

最初に、脂肪肝の基礎知識を身に付けましょう。脂肪肝の概要やメカニズム・種類について解説します。

1-1.脂肪肝の概要

脂肪肝とは、肝臓や幹細胞に脂肪が異常に蓄積した状態です。厳密には、脂肪が溜(た)まった幹細胞が1割以上になった時点で呼ぶことになります。脂肪肝自体は、適切な方法で改善することも可能ですが放置すると悪化したりほかの病気を併発したりする原因となるので注意が必要です。一般的には徐々に進行するケースが多い中、妊娠性急性脂肪肝など一部は急に症状が進むことがあるので気を付けましょう。

1-2.脂肪肝になるメカニズム

肝臓は、私たちの体内で発生した毒素を解毒したり栄養素をタンパク質と結び付けて血中に送り出したりしています。正常に機能しているときは、肝臓に脂肪(しぼう)が溜(た)まることはありません。しかし、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎは、体内に大量の中性脂肪を作ることになり肝臓に大きな負担を掛けます。そのため、肝臓で処理できなかった脂肪は、どんどん溜(た)まってしまうことになるのです。

1-3.脂肪肝の種類を学ぼう

脂肪肝には、以下の2種類があります。

  • アルコール性脂肪肝:お酒の飲み過ぎが原因で起こるもの
  • 非アルコール性脂肪肝:食べ過ぎや薬の副作用などお酒以外の原因で起こるもの

どんな原因で脂肪肝になったのかを判断することは、適切な治療を受けるためにも重要です。なお、両方の要素がある人も多いため正確に判断するためには医師の診断を受けてください。

1-4.脂肪肝になりやすい人や患者数について

脂肪肝になりやすい人には、以下の特徴があります。自分に当てはまる項目がある人は、特に注意してください。

  • 食べることが大好きな人
  • お酒が大好きな人
  • 運動が嫌いな人
  • 不規則な生活をしている人
  • 病気治療のため薬を飲んでいる人
  • 極端なダイエットをしている人
  • 40代以上の年齢の人

なお、脂肪肝の患者数は潜在的なものを含めると3,000万人にも上ります。つまり、国民の2割から3割の人は脂肪肝であると言えるのです。数字を見ると国民病のひとつとして考えてもいいのではないでしょうか。

2.脂肪肝の症状と原因

脂肪肝の症状と原因について、主なものを知っておきましょう。原因と症状を学ぶことで、予防や早期治療の手掛かりになります。

2-1.脂肪肝の主な症状

脂肪肝には、自覚症状がほとんど無いことが大きな特徴となります。ただし、脂肪肝になると血中の脂質濃度が上がるため、全身のだるさや肩こり・集中力の欠陥などが出てくることも多いです。人によっては、腹部に不快感を覚えたり何をしても疲れやすいと感じたりすることもあるでしょう。原因がわからないときは、脂肪肝である可能性もあります。

2-2.脂肪肝の主な原因とは

主な原因としては、下記を参考にしてください。

  • 脂質や糖質の摂(と)り過ぎ
  • お酒の飲み過ぎ
  • 運動不足
  • 薬の副作用
  • 極端なダイエット
  • 加齢

脂肪肝の原因は、肥満やメタボリックシンドロームと同じようなものとなります。普段からの不摂生が原因だと強く認識し、改善するための努力をしてください。

3.脂肪肝と関連する病気について

脂肪肝は、さまざまな病気と関連しています。主なものについて解説しましょう。

3-1.脂肪肝の進行について

脂肪肝が進行すると、恐ろしい病気になるので注意しましょう。たとえば、以下のようなものですね。

  • 脂肪性肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓がん

特に、肝臓がんの予後は悪いことで有名です。肝臓は再生可能な臓器であっても、大部分が変質してしまうと再生不可能となるだけでなく最悪の場合脂肪に至ります。脂肪肝自体は命にかかわることが少なくても、進行することで思わぬ重病になるので気を付けましょう。

3-2.脂肪肝と関連する病気には何がある?

脂肪肝は、関連してさまざまな病気を引き起こす原因となります。

  • 慢性すい炎
  • 胆石症・胆のう炎
  • 腎臓病
  • 高血圧

いずれの病気も、悪化することで命にかかわる可能性があります。脂肪肝を甘く見ず、適切な治療をすることが大切なことを理解してください。

4.脂肪肝の危険度チェックをしてみよう

現在、自分がどのくらい脂肪肝のリスクを背負っているのかチェックをすることも大切です。

4-1.脂肪肝は危険度チェックをこまめに行うことが大切

脂肪肝は、知らないうちにどんどん進んでいきます。普段から危険度チェックをこまめに行って、予防に努めることが大切です。特に、飲み会が続いたり年末年始が過ぎたりした後は、必ずチェックをしてみてください。少しダメだったなと思う時点で改善できれば脂肪肝にならずに済んだり悪化を防いだりすることができます。

4-2.脂肪肝の危険度チェックを具体的に紹介

まずは、以下の項目をチェックしてみてください。

  • 現在太り気味であるもしくは太っている
  • 会社の健康診断でメタボリックシンドロームの判定を受けた
  • 頻繁(ひんぱん)にお酒を飲んでいる
  • 食事の量が人よりも多い
  • 炭水化物や糖分がたっぷり入った食事である
  • カロリーオーバーな日が続いている
  • ラーメンなど塩分たっぷりの食事が続いている
  • 運動をあまりしていない
  • 疲れやすくて動くこと自体が面倒になっている
  • 肩こりや腰痛などがある
  • 腹部に軽い不快感がある
  • 夜ふかしなど不規則な生活が続いている
  • 年齢が40代以上である

半分以上の項目に当てはまる人は、脂肪肝予備軍もしくは初期の脂肪肝になっている可能性もあります。特に、太り気味もしくは太っている人は全身だけでなく肝臓にも脂肪が付いている可能性が高くなるので注意しましょう。

5.脂肪肝の改善方法を伝授!

脂肪肝は、毎日の生活で改善することが可能です。ここでは、何をすると効果が高いのかさまざまな点から解説します。

5-1.生活習慣を改善しよう

脂肪肝の人は、現在の生活習慣を改善することが何よりも大切です。主には、下記の内容にかんして見直してみてください。

  • 食事:糖質や脂質に偏った食事を改めて栄養バランスのいいメニューに変える
  • アルコール:お酒好きの人は飲む量と回数を控える
  • 運動:毎日ウォーキングをするなど適度な運動をする
  • 喫煙:タバコは脂肪肝にも悪影響があるため禁煙が望ましい
  • 睡眠:夜は早めにベッドに入り十分な睡眠を取って休息する

健康的な生活習慣を取り戻すことで脂肪肝も改善します。本気で脂肪肝を改善したい人は、がんばって取り組んでください。

5-2.脂肪肝に良い食品や栄養素について

脂肪肝を改善するためには、肝臓の機能をサポートする効果がある食品・栄養素を積極的に摂(と)ることが大切です。

  • ビタミン・ミネラル類:野菜・果物・ごまなどに多い
  • タンパク質:肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などに多い
  • 食物繊維:野菜・海藻・きのこ類などに多い

なお、脂肪肝に効果が高いものであっても過剰摂取は逆効果です。特に、脂溶(しよう)性ビタミンであるビタミンA・D・Eは過剰摂取になると肝臓に負担を掛けることになるので気を付けてください。

5-3.脂肪肝の改善のためにやってはいけないこと

たとえば、食べ過ぎが原因で脂肪肝になった場合でも、極端なダイエットをすることは望ましくありません。なぜなら、極端なダイエットは「低栄養性脂肪肝」を引き起こすことがあるからです。食事制限は、適正範囲で慎重に行ってください。また、いくら脂肪肝の改善に効果的な方法であってもやり過ぎは禁物です。改善努力は、毎日コツコツと行うことが近道だと意識しましょう。

5-4.脂肪肝を改善する薬について

医師の判断によって、脂肪肝を改善する薬が処方になることがあります。処方薬については、飲む量やタイミングを守ってください。なお、市販薬の中にも肝臓にいいと謳(うた)っているものもあります。しかし、自己判断で脂肪肝の治療に効果があると判断してはいけません。治療のために薬を飲むときは、必ず医師の判断が必要になります。むやみに飲むことは、症状の悪化につながるのでやめましょう。

5-5.脂肪肝の改善方法にかんする注意点

脂肪肝の改善方法を行っていて、いまひとつ効果を実感できないこともあります。まずは、正しい改善方法を行うことができているかチェックしてください。いいと思って実行していたことが、間違った方法だったということはよくあります。また、症状が以前より悪化したと感じるときは、速やかに医師に相談してください。脂肪肝が悪化したり、ほかの病気を発症している可能性もあります。

6.脂肪肝の治療について詳しく学ぼう

脂肪肝の治療が必要な場合について、症状や受診をする科の種類・検査や審査の方法などを解説します。

6-1.受診すべき症状とは

脂肪肝で受診するべき症状は、以下をご覧ください。

  • 食欲がなくなった
  • 腹部に鈍痛を感じる
  • 少し動いただけでも疲れやすい
  • 全身のだるさが取れない

特に、普段から脂肪肝のリスクが高い人で上記の症状が出た場合は、進行している可能性があります。速やかに医師の診断を受けてください。

6-2.脂肪肝の疑いがあるときは何科を受診する?

脂肪肝の疑いがあるときは、内科・消化器内科の受診してください。できれば消化器内科が望ましいでしょう。理由は、一般的な内科よりも専門性が高いからです。また、病院の中には肝臓外来を特設していることがあります。肝臓について専門性が高まるほど、適切な診断・治療ができる可能性が高まるのでおすすめです。なお、実際に受診するときは患者からの評判も調べてからにしましょう。

6-3.脂肪肝の検査・診断方法について

  1. 医師による問診や腹部触診を行う
  2. 血液検査にて肝臓の機能に異常があるか調べる
  3. 腹部の超音波検査・CT検査・MRI検査を行う
  4. 場合によっては肝生検(かんせいけん)により肝臓の細胞を採取して調べる

実際には、上記の複数の方法によって脂肪肝との判断を下します。重症になるほど、検査の内容も高度なものになるため、設備の整った病院での診察・検査が必要になると考えましょう。

7.脂肪肝にならないためのセルフケアを理解しよう

脂肪肝は、自分でも予防できます。効果的なセルフケアについて、詳しく説明しましょう。

7-1.生活習慣で気を付けること

脂肪肝にならないためには、以下のことに気を付けましょう。

  • 食べ過ぎに注意をして栄養バランスのいい食事を摂(と)ること
  • お酒が好きであっても飲む量を控えること
  • 適度な運動を取り入れた生活にすること
  • 不規則な生活を改めること
  • 睡眠時間を十分にとって肝臓にも休みを与えること
  • 極端なダイエットに走らないこと

きちんとした生活習慣を送っているかどうかは、肝臓を見ればわかると言います。脂肪肝になったことは、生活習慣に何らかの問題があってもおかしくありません。まずは、見直してみてくださいね。

7-2.そのほかで気を付けること

生活習慣以外でも、気を付けたいことがあります。本気で脂肪肝になりたくない人は、以下も参考にしてください。

  • ストレスを溜(た)め過ぎないこと
  • 健康診断の結果を軽く見ないこと
  • 定期的に血液検査を受けること

脂肪肝にならないためにも、面倒くさがらずに守ってくださいね。

7-3.脂肪肝のセルフケアを行うときの注意点

脂肪肝のセルフケアは、甘くなりがちです。今日だけは大丈夫と思っているうちに、だらしなくなってしまうこともあります。脂肪肝のセルフケアにかんしては、1日の積み重ねが大切です。今日だけは大丈夫などと自分を甘やかしてしまわないように注意してください。なお、間違ったセルフケアを行うと逆効果になります。セルフケアはあくまでも補助的なものと考え、主な治療にかんしては医師の指示に従ってください。

8.脂肪肝にかんするよくある質問にお答えします!

最後に、脂肪肝にかんするよくある質問にお答えします。今まで学んだ知識の再確認になるほか、不安や疑問を解消して正しく対策するためにも必見ですよ。

8-1.やせている人でも脂肪肝になることはありますか?

やせている人でも、脂肪肝になることがあります。特に、お酒が大好きで飲み過ぎが多い人は注意してください。また、極端なダイエットの結果としてやせている場合も、低栄養性脂肪肝になっている可能性があります。やせていることだけで安心しないようにしましょう。最近健康診断を受けていない人は、きちんと調べてみることをおすすめします。

8-2.脂肪肝になっても放置しておけば自然に治りませんか?

ごく初期の脂肪肝なら、生活習慣を改めることで自然と改善することもあります。しかし、どんな脂肪肝でも放置することでよくなるわけではありません。まずは、現在の肝臓の状態を正しく把握することが大切です。脂肪肝でも、状態によって適切な対応方法が異なります。状態を悪くしないためにも、また、肝硬変や肝臓がんにならないためにも放置はしないでくださいね。

8-3.子どもでも脂肪肝になることはありますか?

子どもであっても、条件によっては脂肪肝になることがあります。特に、最近はファーストフードやコンビニで気軽に高カロリーなものを手に取ることが多くなりました。また、運動する機会もひと昔前に比べると格段に減っています。子どもを取り巻く環境が変化したことからも、脂肪肝になるリスクは高まっていると考えてください。親として、子どもの食生活や生活習慣の見直しをしてみましょう。

8-4.妊娠中で脂肪肝が発覚したときの注意点は?

妊娠中には、急性妊娠性脂肪肝になるリスクがあることを覚えておきましょう。現時点での原因は不明ですが、医師から診断を受けたときは母胎の安全を考えて妊娠を終結することもあります。適切な処置を行うことで、母子の健康や命を守りましょう。帝王切開の道も含め、脂肪肝と発覚した場合は医師と十分に相談して対応してください。

8-5.高齢者の脂肪肝の治療について注意することは?

高齢者は、肝臓の機能不全を起こしやすいため脂肪肝になりやすくなります。また、全体的に運動不足になりがちなことも否定できません。しかし、脂肪肝以外にも持病を持っていたり不具合を訴えたりすることも多くなります。高齢者の脂肪肝の治療にかんしては、必ず医師の指示に従って進めることが大切です。なお、肝臓にいいサプリメントなどを自己判断で飲むこともやめてくださいね。

まとめ

今回は、脂肪肝についてさまざまな情報をお届けしました。脂肪肝になると、明らかに健康に悪影響になるだけでなく、生活の質を落としてしまいます。普段から予防に気を付けたり、セルフチェックで早期発見に努力したりすることが大切です。また、脂肪肝であるとの診断を受けた場合は、速やかに医師の指示に従って治療を開始しましょう。早期治療と自分の心掛けによって、完治も可能です。まずは、記事を読んで基礎的は知識を身に付けましょう。不安な人は、具体的な症状が出ていなくても医師の診断を受けてみることもおすすめしますよ。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』