疲労感

疲労感や倦怠感が抜けない原因は? 対処法と共に解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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疲労感とは、だるさや眠気、倦怠感・食欲不振・集中力の低下などを感じる症状のことです。人は動けば必ず疲労しますので、適度な休養が必要になります。しかし、原因によっては単に休むだけでは疲労感が取れず、病院で医師の治療が必要になることもあるのです。また、「単なる疲労」とがまんしていると、日常生活にも支障が出てくるかもしれません。

そこで、今回は疲労感や倦怠感の原因や対処方法をご紹介します。

  1. 疲労に関する基礎知識
  2. 慢性疲労症候群とは?
  3. 疲労をためないための方法
  4. 疲労感や倦怠感に関するよくある質問

この記事を読めば、なかなか疲労感が抜けない時の対処法も分かるでしょう。疲労しやすい、疲労感が抜けにくいという方は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.疲労に関する基礎知識

はじめに、疲労を感じやすい時期や疲労の種類をご紹介します。どのような時に、疲労感を覚えやすいのでしょうか?

1-1.疲労とは?

私たちは、毎日食べ物を食べてエネルギーを作り出し、活動をしています。エネルギーが切れたり体を酷使したりすると、疲労感を覚えるのです。これを肉体的疲労といい、食事や睡眠をとることで回復します。若い年代の方ならば、短い睡眠時間でも回復しやすいでしょう。年齢が上がるにつれて、休息時間を長く取ったり栄養のある食事をとったりしないと、疲労が取れにくくなるのです。

また、私たちは強いストレスがかかっても、疲労感を覚えやすくなります。仕事をしていると短時間でも疲労感を覚える方も多いことでしょう。これは、ストレスを感じているからです。また、強いストレスがかかっていると、眠りが浅くなったり食欲不振になることもあります。こうなると、疲労も回復しにくく、より疲れやすくもなってしまうのです。

1-2.病気の症状として疲労が現れることも

肉体的・精神的な疲労の他、病気の症状として疲労が現れることもあります。貧血や急性肝炎・糖尿病などを発症すると、強い疲労感が症状として現れることもあるのです。また、更年期障害やうつ病など精神的な病気でも疲労感が症状として現れることもあります。
病気の症状として現れる疲労の特徴は、休んでも回復しないということです。肉体的・精神的な疲労は、ゆっくりと休息を取れば回復します。しかし、病気の症状だった場合は、たとえ1日中横になっていても回復しません。また、「今までに感じたことのないだるさや倦怠感を覚えた」という方もいるのです。

このような症状が現れた場合は、一度内科を受診してみましょう。不眠や食欲不振・体重減少・強い不安感などの症状が一緒に現れている場合は、精神科を受診してみてください。

1-3.疲労感が抜けない病気もある

慢性疲労症候群という病気を発症すると、原因不明な極度の疲労感が長期間続きます。血液検査やレントゲン検査・ホルモン検査などをおこなっても何の異常もないため、仮病と思われてしまうケースもあるのです。日本では、1990年代前半からようやく症例が報告されるようになりました。慢性疲労症候群については、次の項で詳しくご紹介しましょう。

2.慢性疲労症候群とは?

この項では、慢性疲労症候群の特徴や治療方法などをご紹介します。どのような原因で発症するのでしょうか?

2-1.慢性疲労症候群の原因とは?

慢性疲労症候群の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、さまざまな研究により、慢性疲労症候群発症のメカニズムは、ある程度解明されてきました。
何らかの原因で体の抵抗力が落ちると、体内に潜伏していたウィルスが活性化します。すると、体はウィルスを抑えようと免疫物質を過剰に作るようになるのです。その結果、免疫物質によって脳の働きに異常が起き、激しい疲労感や思考力の低下・筋肉痛などといった症状を引き起こします。

2-2.慢性疲労症候群の主な症状

慢性疲労症候群の症状は、激しい疲労感だけではありません。筋肉痛・頭痛・微熱・喉の痛み・抑うつ状態・不眠や過眠、集中力の低下やもの忘れの症状が現れることもあります。これらすべてが現れるわけではありませんが、人によっては布団から起きあがれなくなることもあるでしょう。また、もの忘れの症状が強く出ると、認知症のような状態になる方もいます。

2-3.慢性疲労症候群を発症しやすい人とは?

慢性疲労症候群は、子どもを除くすべての年代に発症する可能性がある病気です。日本では、現在38万人の患者がいると推定されており、これからも増え続けると予想されています。慢性疲労症候群は、責任感が強く弱音がはけない方が無理をし続けて発症することが多いのです。そのため、働き盛りの30代~50代の方が発症しやすい傾向にあります。
風邪や気管支炎などがきっかけに発症することもありますので、風邪がなかなか治らないという場合は、注意が必要です。

2-4.慢性疲労症候群かな? と思ったら

慢性疲労症候群は、小さな病院では診断がつきにくい病気です。風邪のような症状が1か月以上続いたり、たっぷり眠っても疲労感が抜けない場合は、総合病院の内科や心療内科を受診しましょう。かかりつけ医がある場合は、紹介状を書いてもらうと診察までスムーズにすすみます。また、インターネットでも病院が検索可能です。

慢性疲労症候群の疑いで診察を受ける場合、血液検査やレントゲン・甲状腺の検査などを一通りおこなったうえで問診をおこない、最終的な診断が下されます。

2-5.慢性疲労症候群の治療方法

慢性疲労症候群の治療は、症状によって異なります。不眠などの症状が出ている場合は、それを解消する薬が処方されるでしょう。この他、認知療法や段階的運動療法、適度な運動と休息のバランスを知るペーシング、漢方薬の利用といった治療方法があります。原因がまだはっきりとしていない病気ですので、治療法もさまざまです。効果が出るまでに時間がかかることもありますが、根気強く治療を続けていきましょう。

3.疲労をためないための方法

この項では、慢性疲労症候群の原因ともなる、疲労をためない方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.適度な休息をとる

忙しくなると、休息時間どころか睡眠時間を削ってしまう方も珍しくないでしょう。しかし、適度な休息を取らないと、体がもちません。また、あまり疲れていると食事をとることもおっくうになったり、疲れているのに眠れないといった症状が出たりする場合もあるでしょう。このような状態になる前に、休息を取ってください。

3-2.食事のバランスに気を配る

忙しいと、食事もおろそかになりがちです。今は、コンビニやスーパーで手軽に食べられるものがいつでも手に入りますので、おにぎりや菓子パンですませてしまう方もいるでしょう。しかし、ビタミンやミネラル・鉄分といった栄養素を取らないと、疲労は回復しにくいのです。
調理する時間がない場合は、おひたしやサラダ・ビタミンのサプリメントなどを利用しましょう。ナッツ類もビタミンが豊富なので、疲れている時にはおすすめです。

3-3.睡眠の質を高める

睡眠は、最も効果的な疲労回復の手段です。しかし、眠りが浅かったり睡眠時間が短かったりしては、疲労回復の効果はありません。ぐっすりと眠れるように、夜は同じ時間に布団に入り、しっかりと睡眠を摂りましょう。何度も目が覚めてしまったり、一度目が覚めたら眠れなかったりする場合は、睡眠外来を受診してみてください。
家族からいびきの大きさを指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあります。こちらも、耳鼻咽喉科や睡眠外来を受診してみましょう。

4.疲労感や倦怠感に関するよくある質問

Q.どんなに疲労感があっても原因がはっきりとしている場合は、慢性疲労症候群ではないのでしょうか?
A.はい。原因がはっきりとしている場合は、慢性疲労という病名がつきます。

Q.子どもでも疲労感や倦怠感を覚えることがあるのでしょうか?
A.はい。親に合わせて夜更かしをしていることが多いと、疲労を感じやすいでしょう。受験のストレスも疲労の原因になります。

Q.自分が疲れているかどうか、よく分かりません。
A.このような場合は、疲労感が大きすぎて何も感じられなくなっていることもあります。睡眠時間を十分にとっても状態が変わらない場合は、病院で診察を受けましょう。

Q.どうしても食事時間が満足に取れない場合は、栄養補助食品だけでもかまいませんか?
A.栄養補助食品は、あくまでも「補助」です。1日最低1食は、主菜・副菜のバランスが取れたものを食べましょう。

5.おわりに

いかがでしたか。今回は、疲労感や倦怠感の原因や、それらが症状として現れる病気をご紹介しました。疲労感や倦怠感は、誰もが一度は覚えたことのある症状です。しかし、だからといってがまし続けていると、慢性疲労症候群のような病気を発症することもあります。1日で溜まった疲労は、その日のうちに解消するようにするのが理想です。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』