【必読】自己免疫疾患の症状や治療法とは? 症状を改善するポイント

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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本来、私たちの体には、ウイルスや菌などに対して抵抗する力が備わっています。いわゆる“自己免疫”です。健康を維持し続けるためには、自己免疫力を高めなければなりません。自己免疫が正常に働かなくなり、過剰に反応し攻撃を加えてしまうこともあります。そのときに現れる症状のことをまとめて、自己免疫疾患と呼ぶのです。自己免疫疾患は症状が出てから時間が経過するほど、症状が治るまで時間がかかるといわれています。そのため、症状が悪化しないうちに治療を始めなければなりません。そこで、本記事では、自己免疫疾患の基礎知識や原因・症状・治療法・セルフケアなどについて説明します。

  1. 自己免疫疾患の基礎知識
  2. 自己免疫疾患の主な病気について
  3. 自己免疫疾患の原因・症状について
  4. 自己免疫疾患の診断について
  5. 自己免疫疾患の治療法について
  6. 自己免疫疾患のセルフケア
  7. 自己免疫疾患にかんしてよくある質問

この記事を読むことで、自己免疫疾患の症状を治すための基礎知識や治療法などを知ることができます。治療法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

1.自己免疫疾患の基礎知識

自己免疫疾患の症状を緩和するためには、どんな病気なのか、種類について知る必要があります。それでは、詳しくチェックしておきましょう。

1-1.どんな病気か

それでは、自己免疫疾患の概要・免疫・怖さについて詳しく説明します。

1-1-1.概要

自己免疫疾患は、免疫寛容の破綻による疾患の総称です。免疫寛容とは、特定抗原に対する特異的免疫反応の欠如・抑制状態のことを指しています。免疫寛容が破綻すると、自己抗原に対して免疫反応を示してしまうのです。つまり、自分自身の正常な細胞・組織に対して、過剰に反応し攻撃を加えてしまいます。その結果、自己免疫疾患が起こるというわけです。

1-1-2.免疫について

もともと、私たちの体には外部からの異物を認識して排除する働きが備わっています。その大切な役割を担っているのが、免疫です。免疫は異物と反応する抗体をつくり、発病を抑える抵抗力を持っています。免疫細胞が正常に働くことで、毎日健康に過ごせるのです。

1-1-3.怖さとは

自分の体を自分で攻撃してしまう自己免疫疾患は、さまざまな症状が現れます。自己免疫機能が正常に働いていないため、自然治癒能力が生かしきれていません。また、免疫機能が低下していると、すぐにウイルスや菌の浸入を許してしまいます。現在現れている症状よりも、最悪な状態になるでしょう。

1-2.種類について

自己免疫疾患の種類は、大まかに、全身性自己免疫疾患と臓器特異的疾患の2つにわかれることができます。全身性自己免疫疾患は全身的な影響が出てくるもの、臓器特異的疾患は一部の臓器だけが影響を受けるものです。それぞれの種類については、次項の【2.自己免疫疾患の主な病気について】で説明します。

2.自己免疫疾患の主な病気について

自己免疫疾患の主な種類は、全身性自己免疫疾患と臓器特異的疾患です。それぞれによって、病気の種類も異なります。それでは、詳しくチェックしていきましょう。

2-1.全身性自己免疫疾患

全身性自己免疫疾患は、関節・多臓器・皮膚・肺・子宮・血管など全体の臓器・組織で起こる疾患です。主に、以下の病気が挙げられます。

  • 全身性エリテマトーデス
  • 多発性筋炎
  • 皮膚筋炎
  • 関節リウマチ
  • シェーグレン症候群
  • 成人スティル病

2-2.臓器特異的疾患

臓器特異的疾患は、神経・筋や消化器、循環器、肺、腎臓、血液、内分泌・代謝、皮膚、目などの一部の臓器で見られる疾患のことです。主な病気は以下が挙げられます。

  • ギラン・バレー症候群
  • 重症筋無力症
  • 自己免疫性肝炎
  • 慢性円板状エリテマトーデス
  • 天疱瘡(てんぽうそう)
  • 円形脱毛症
  • 自己免疫性視神経症
  • 原田病

3.自己免疫疾患の原因・症状について

自己免疫疾患を改善するためには、原因やなりやすい人に見られる特徴・主な症状を把握することが大切です。自分で見られる症状と比較しながら、ぜひチェックしてみてください。

3-1.主な原因について

絶対に○○が原因といえるものはありません。自己免疫疾患の病気によって症状が大きく異なるように、さまざまな原因が考えられます。多くの自己免疫疾患は、ホルモンが関係しているといわれているのです。何かしらのきっかけでホルモンバランスが乱れて、自己免疫が過剰に反応してしまいます。ほかにも、免疫機能のバランスが崩れるストレスや遺伝が関連していることもあるのです。

3-2.なりやすい人・患者数

ホルモンバランスの乱れが関係していることから、女性の発症率が高めです。また、過剰なストレスを感じている人や日ごろの生活が荒れている人は、免疫機能のバランスが崩れやすい傾向が見られます。現在は、自己免疫疾患のような免疫力の異常から起こる病気が、多く発症している状態です。難病情報センター特定疾患医療受給証交付件数のうち、自己免疫疾患をわずらっている人が年々増加していることがわかっています。

3-3.主な症状

症状は、自己免疫疾患の病気や障害を受けた部位によって異なります。たとえば、決まった臓器だけが侵される疾患や全身の組織が同時に侵される疾患などです。組織の炎症と損傷が起きれば、痛み・関節の変形・かゆみ・脱力感・呼吸困難・むくみなどが現れます。中には、幻覚や錯覚が現れるせん妄(もう)が起きて、そのまま死亡するケースもあるのです。

4.自己免疫疾患の診断について

さまざまな病気・症状が起きる自己免疫疾患は、どこでどのような症状が起きているのか把握する必要があります。診断方法や注意点についてチェックしておきましょう。

4-1.診断方法

自己免疫疾患の診断方法は、クームス試験と呼ばれる検査です。クームス検査では、赤血球の細胞膜に免疫グロブリンという抗体の存在を確かめることができます。赤血球が凝固している場合は、免疫グロブリンが存在しているあかしです。赤血球の凝固=クームス試験の陽性となり、自己免疫疾患になっています。また、血液検査も診断方法の1つです。炎症が起きている場合は、たんぱく質が赤血球の血液中で沈みやすくなります。よって、赤血球沈降速度(ESR)が高くなりがちです。ただし、必ずしも自己免疫疾患が起きているとは判断しにくいため、さまざまな抗体の有無を調べます。

4-2.注意点

自己免疫疾患はさまざまな病気・症状が起こります。しかし、すべての原因が自己免疫疾患だと判断できません。症状が悪化する・長く現れている場合は、すぐに病院で検査をしてください。きちんと検査をして、原因を把握したほうが適切な治療を受けることができます。自分で勝手に判断しないように注意しましょう。

5.自己免疫疾患の治療法について

自己免疫疾患の主な治療法と受診すべき症状・病院の選び方・注意点などについて説明します。

5-1.主な治療法

病気の種類によって症状が異なるため、本人に合った治療を行わなければなりません。基本は、炎症を抑えて免疫機能の過剰反応を防ぐことに力を注ぎます。

5-1-1.薬物療法

薬物療法では、起きている炎症を抑えることが目的です。炎症を抑えるためのステロイド・免疫抑制剤を使用するでしょう。免疫システムを抑制する薬剤は、アザチオプリン・クロラムブシル・シクロホスファミド・メトトレキサートなどが挙げられます。どのような症状が起きているのか、きちんと病気を明確にして、薬物療法を行うことが大切です。

5-1-2.治療の流れ

基本的な治療の流れは、最初に検査を行い、原因や症状・病名をはっきりさせます。そのうえで、現在現れている症状に見合った治療を行う流れです。治療前は、必ず医師から説明を受けてください。どのような薬物を使い、どんな効果があるのか、副作用の有無など細部まで確認しておきましょう。

5-2.病院について

どのような症状が現れたときに受診すべきか、何科に行けばいいのか、悩みますよね。適切な治療を素早く受けるためにも、受診すべき症状や病院の選び方についてチェックしてください。

5-2-1.受診すべき症状

体が弱くなっている・すぐにウイルスや菌に感染する・関節痛が長く続いている場合は、病院を受診してください。病気によって症状は異なりますが、ほとんどの自己免疫疾患は、最初に関節痛が起こります。手足の関節から体の中心に向かって痛みやすくなるのです。関節痛を放置していると、関節が破壊され、骨同士がくっつく状態になります。

5-2-2.何科を受診するか、病院の選び方

感染症内科、または内科を受診してください。おそらく、ほとんどの方が内科で診察を受けるでしょう。初診で病名や原因を知り、適切な科で治療を開始します。病院の中には、間質性膀胱炎専門外来や膠原(こうげん)病専門外来などの自己免疫疾患の専門科もあるので確認してみてください。口コミや評判をチェックして、実績・経験のある病院を選ぶといいでしょう。丁寧な説明をしてくれる病院は、安心して診察できます。

5-3.注意点

「時間がたてば自然と治るだろう」と、甘く考えてはいけません。様子を見るにしても、1週間以上症状が続いているのなら、すぐに病院へ行きましょう。治療が遅くなるほど、使用できる薬や治療法も限られてきます。また、治療期間も長くかかるので注意が必要です。

6.自己免疫疾患のセルフケア

病院による治療はもちろん大切ですが、セルフケアも自己免疫疾患を治す大切なポイントです。自宅でできる簡単なケアを紹介します。

6-1.免疫力を高める

自己免疫疾患は、免疫力の低下と大きく関係しています。免疫力の低下によって呼び起こされる疾患ともいえるでしょう。そのため、免疫力を高める努力をしてください。規則正しい生活を心がけるだけでも、免疫力の向上につながります。特に、睡眠・運動・食事の3点は注意していきましょう。

6-2.喫煙・飲酒

喫煙・飲酒は、自己免疫疾患が起きやすい状態をつくるものです。たばこの中に含まれるニコチンやアルコールは、体の免疫機能を低下させてしまいます。ヘビースモーカーの方は、この機会に1日の喫煙数を減らしてください。毎日お酒を飲む方は、飲酒量を減らしつつも、まったく飲まない日をつくりましょう。

6-3.睡眠・運動

免疫力向上につながる睡眠・運動は、とても大切なセルフケアです。特に、睡眠は心身ともにリラックスでき、免疫機能を高めるために必要となります。最低でも1日7時間~8時間は睡眠を確保しましょう。また、ウォーキングやストレッチ・ヨガでも構いませんので、毎日数分間でも運動を続けてください。運動は基礎代謝を高める近道です。

6-4.食事・栄養素

睡眠・運動と同じく、運動・栄養素も免疫機能をアップさせるポイントです。ファストフードやレトルト食品の多様化がすすんでいますが、これらは栄養が偏る要因といえます。できるだけ、自炊を心がけ、たんぱく質・ミネラル・ビタミンなどの栄養バランスが整った食事をしてください。油ものが多い方は、野菜・魚類・大豆類などを摂取していきましょう。

6-5.ストレス

過剰なストレスは、ホルモンや免疫機能のバランスが乱れる要因です。できるだけ、ストレスをためこまないことがセルフケアにつながります。ストレスを感じたときは、自分がリラックスできることを実践しましょう。読書をする・好きな音楽を聴く・運動をするなど、ストレス解消法を見つけてください。

6-6.体温

体温が低い方は、免疫機能が正常に働いていません。基礎代謝が下がっているため、免疫機能も低下しがちです。そのため、体温(平熱)をあげてください。体を温める・冷たいものを口にしないなど、日々の生活で気をつかいましょう。

6-7.やってはいけないこと・注意点

心と体はつながっていることを、あなたはご存じでしょうか。自己免疫疾患はストレスが原因の1つであるように、過剰なストレスを感じるほど症状も悪化します。病気にかかると、「治らないのでは」「なぜ私がこの病気になったの」と、ネガティブな考えになりがちです。しかし、病気に対してネガティブ思考になってしまえば、さらに症状が悪化してしまいます。大切なのは、病気を“受け入れること”です。体・心・魂レベルで女性の病を根本治療している「アタナハクリニック」では、体にやさしい療法で自然治癒力を高めています。ぜひチェックしてみてください。

7.自己免疫疾患にかんしてよくある質問

自己免疫疾患にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。

7-1.自覚症状が出るのはいつか?

ほとんどの自己免疫疾患は、潜在的に発症するので自覚症状がありません。自覚症状が出始めるのは、慢性的に経過しているときです。発熱や脱力感・めまい・関節の炎症などが起きて、やっと異常に気づくことができます。発症してから時間がたっているほど、治りにくく、治療期間が長くなるのです。

7-2.自己免疫疾患の中で最も多い病気とは?

さまざまな病気がある中で、最もよく見られるのは関節リウマチです。関節リウマチで悩まされている患者数は年々増えており、治療法がすすんでいます。基本的な治療は、非ステロイド性抗炎症薬の使用です。

7-3.薬物療法において副作用の危険性はあるのか?

自己免疫疾患に使われる薬の中には、細菌やウイルスに対しても免疫機能抑制効果が発揮されるものがあります。薬の合併症や副作用として症状を起こすことがあるため、注意しておかなければなりません。自己免疫疾患の症状が悪化する恐れがあります。

7-4.膠原病(こうげんびょう)とは?

全身の複数の臓器に炎症が起こり、機能障害をもたらす疾患群の総称です。自己免疫疾患・リウマチ性疾患・結合組織疾患が重なった位置に、膠原病(こうげんびょう)があるとされています。

7-5.妊娠中の発症リスクが知りたい

自己免疫疾患は女性に多く見られる病気です。特に、妊娠中・出産直後の女性がなりやすいといわれています。中でも、妊娠初めの3か月間と出産後の6か月間はリスクが最も高い時期といえるでしょう。疲れが出やすい時期となるため、ストレスを過剰に感じやすく、心と体に大きな負担がかかるのです。

まとめ

いかがでしたか? 自己免疫疾患は全身性自己免疫疾患と臓器特異的疾患の2つにわけることができます。外部からやってくるウイルスや菌を排除するための免疫機能が、もとから備わっている組織や細胞にまで過剰に反応し、攻撃を加えてしまうのです。その結果、関節リウマチやギラン・バレー症候群などの病気になってしまいます。症状が進行してから自覚症状が現れるため、発見・治療が遅くなってしまうことがほとんどです。自己免疫疾患を改善するためにも、病院でしっかり検査をして原因を把握しましょう。病院での専門的な治療はもちろんのこと、セルフケアも必要です。免疫機能を高めるために、規則正しい生活を送ってください。きちんと意識していけば、症状も少しずつやわらぎます。