多発性硬化症

多発性硬化症の予後は? 最新の治療と注意点を詳しく学ぶ!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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多発性硬化症は、若い女性に多く見ることができる神経難病のひとつです。発症すると、全身にさまざまな神経症状が出て日常生活を送るのもほかの人の助けが必要になることもあります。また、多発性硬化症は予後が重要で、できるだけ再発を予防することが重要です。今回は、多発性硬化症の予後に注目し、最新の治療と注意点を踏まえながら詳しく解説します。

  1. 多発性硬化症の基礎知識を学ぼう
  2. 多発性硬化症の予後について
  3. 多発性硬化症の予後の治療について
  4. 多発性硬化症の予後で気を付けるべきこと
  5. 多発性硬化症の予後にかんするよくある質問

この記事を読むことで、多発性硬化症にかんする正しい知識が身に付き、予後の治療や気を付けるべきことを学び、安心して生活できることがわかります。まずは、ひとつずつ丁寧に読み進めてください。

1.多発性硬化症の基礎知識を学ぼう

最初に、多発性硬化症の基礎知識を学びましょう。メカニズムや種類・主な症状や原因について詳しく解説します。

1-1.多発性硬化症とはどんな病気か

多発性硬化症とは、脳や脊髄(せきずい)の神経に障害が起こる病気です。20代から30代前後で発症し始め、厚生労働省の特定疾患として指定を受けています。平成26年時点の患者数は、日本全国で約19,000人であり、男性よりも女性に多いことが特徴です。

1-2.多発性硬化症になるメカニズム

脳や視神経・脊髄に炎症や脱髄(だつずい)が起こると、対応する体の部位に神経症状が出ます。症状は悪化・改善・再発を繰り替えし、徐々に機能の低下が定着するようになるのです。多発性硬化症になるメカニズムについては、体内で生成される特定のたんぱく質と免疫細胞が神経を傷つけるために起こるとの研究結果が報告されています。

1-3.多発性硬化症の種類

多発性硬化症は、大きく分けて3種類あります。3種類のうち、最も多いのが再発寛解(かんかい)型です。

  • 再発寛解(かんかい)型:再発後、症状が軽快するタイプ
  • 二次進行型:再発後、持続しながら進行していくタイプ
  • 一次進行型:発症時から症状が持続しながら進行していくタイプ

1-4.多発性硬化症の主な症状

多発性硬化症の症状としては、主に以下のようなものが代表的です。ただし、人によって症状の種類や出方が異なります。

  • 視力障害(複視・視力低下など)
  • 手足のまひ
  • 筋力低下
  • しびれ
  • 嚥下(えんげ)障害
  • 排尿障害

1-5.多発性硬化症で考えられる原因

多発性硬化症の根本的な原因は、まだよくわかっていません。しかし、以下のようなことで誘発すると考えられています。

  • 遺伝によるもの
  • ウイルス感染
  • 自己免疫システムの異常

中でも、自己免疫システムの異常によるものが多いとの見方が主になっています。

2.多発性硬化症の予後について

多発性硬化症は、予後に気を付ける必要があります。再発した場合の影響なども併せ、しっかり学びましょう。

2-1.多発性硬化症の予後とは

多発性硬化症を発症すると、予後は、ほぼ再発を繰り返すことになります。そのため、予後は経過観察を欠かすことができません。一般の病気は、完治後はごく簡単な検査で済むことが多いものです。しかし、多発性硬化症はむしろ予後に気を付ける必要があります。予後も、できるだけ再発しないように生活習慣を改めるなどの努力が必要です。

2-2.多発性硬化症の再発について

多発性硬化症の再発までの時期は、人によってまちまちです。数か月以内に再発する人もあれば、1年経過しても再発しない人もいます。また、毎年再発を繰り返す人もいるのです。そのため、いつ再発するか断言できないのが現状と言えます。再発したときに速やかに対処するためにも、予後の経過観察が大きな意味を持つことを理解してください。

2-3.再発の影響を学ぼう

多発性硬化症は、再発寛解(かんかい)型から二次進行型や一時進行型に移行することもあるので注意しましょう。場合によっては、後遺症などの影響があると考えてください。内容としては、全身の倦怠感・歩行障害・認知障害などです。いずれも、生活の質を大きく落とす原因となります。

3.多発性硬化症の予後の治療について

多発性硬化症の予後の治療について詳しく解説します。再発したらどうするか、病院につついてなどを学びましょう。

3-1.予後の経過観察について

多発性硬化症は、再発率がとても高い病気です。従って、予後の経過観察が重要な意味を持ちます。定期的に医師のチェックを受け、MRIなどの検査をすることで病状の把握をすることが必要です。多発性硬化症は、現時点では完治が難しい病気であり、予後は経過観察を続け、再発するたびに治療を行うことになります。

3-2.多発性硬化症が再発したらどうする?

多発性硬化症が再発した場合は、速やかに医師の診断を仰ぎ、適切な治療を開始してください。現時点では、再発のコントロールは難しいものです。症状が出たときは、速やかに医師の指示を仰ぎましょう。なお、入浴後・運動後・食事後など、体温が上昇しているときに再発しやすいため、体温を上げ過ぎないように心がけることもカギとなります。

3-3.治療を受ける病院について

多発性硬化症は、予後も必要に応じて治療を続ける必要があります。病院を選ぶときには、以下のポイントをチェックするといいでしょう。

  • 多発性硬化症の予後の治療を行っている
  • 医師が治療に積極的
  • 治療方針の説明がわかりやすい
  • 治療費が明確なシステムである
  • 院内や設備が清潔に保たれている
  • 患者からの評判がいい
  • 自宅から通いやすい立地にあるとベスト

なお、当アタナハクリニックでも多発性硬化症の治療を行っています。安心して治療を受けるための体制も設備も整っていますからぜひご検討ください。

3-4.多発性硬化症の予後の治療にかんするそのほかのこと

再発を恐れるあまり、消極的な生活を送るのもつまらないことです。多発性硬化症との付き合いは一生のものと考え、上手(じょうず)に対応していきましょう。普段からの生活習慣を改善することで、再発リスクを低くことは可能です。完全にゼロにすることはできなくても、楽に過ごしやすくなることは確実でしょう。医師の指示に従って医療的な治療を受け、自分でも日常生活で気を配ることが大切です。

4.多発性硬化症の予後で気を付けるべきこと

多発性硬化症の予後は、いろいろと気を付けるべきことがあります。具体的にどんなことに気を付けるべきか、詳しく解説しましょう。

4-1.感染症を予防しよう

多発性硬化症は、ウイルスや細菌感染で悪化することが知られています。外出時にはマスクをし、帰宅後はうがい・手洗いを欠かさずに行いましょう。インフルエンザなどが流行(りゅうこう)する前に予防接種を受けることもおすすめです。また、感染症の疑いがあるときは速やかに治療を受けてください。たかが風邪(かぜ)と甘く見ることは、予後を悪くするので注意しましょう。

4-2.体温管理に気を付けよう

多発性硬化症を発症した人は、体温管理に気を付け、できるだけ平熱を保つようにしましょう。体温上昇によって、症状がひどくなる可能性があります。夏場だけでなく、食事・入浴や運動後など体温上昇しやすい状況には気を付けてください。ウイルス感染などによる発熱にも注意が必要です。なお、体温が下がると症状は治まります。

4-3.生活習慣を改善しよう             

不規則な生活リズムは、免疫力の低下につながります。まずは、規則正しい生活リズムを心がけましょう。十分な睡眠と早寝・早起きを基本とし、軽めの運動を心がけてください。また、食生活も栄養のバランスを考えて、できるだけ決まった時間に1日3食を摂(と)りましょう。生活リズムが整うことで、症状を出にくくすることができます。

4-4.経過観察をしっかり行おう

多発性硬化症は、予後の経過観察が重要です。特に問題が出ずに過ごしている人でも、いつ再発するかわかりません。定期的に病院で検査をしてください。経過観察を続けることで、再発や悪化の予兆を知る機会になるだけでなく、精神的な安心を得ることもできます。面倒でも、経過観察をしっかり行いましょう。

4-5.そのほかで気を付けるべきこと

多発性硬化症の予後は、ストレスも大敵です。ストレスは、自律神経を乱すため、多発性硬化症の再発の原因となります。自分なりの解消法を持ち、溜(た)めこみ過ぎないようにしましょう。また、疲れを残さないことも重要です。特に休日は、きちんと体を休めることを優先してください。

4-6.多発性硬化症の予後にかんする注意点

多発性硬化症の予後は、日常生活に気を付ける必要があります。しかし、厳密に気を付け過ぎてストレスになると本末転倒です。無理をしない範囲で、健康的な生活を送るように気を付けていきましょう。また、家族や知人の協力を得ると楽です。また、不安を感じたら病院に頼ることも忘れないでください。

5.多発性硬化症の予後にかんするよくある質問

最後に、多発性硬化症の予後にかんするよくある質問に回答します。不安を解消し、安心して生活を送るためにもそれぞれ確認しておいてください。

5-1.多発性硬化症は不治の病ということですか?

現時点では、国の難病指定を受けているという点で完治が難しい病気であることは事実です。しかし、新薬の開発や病気のメカニズムにかんして、続々と研究が進められています。近い将来に、特効薬が現れる可能性もあるため、悲観し過ぎないようにしましょう。不安やストレスも、再発を促す原因になりますよ。

5-2.多発性硬化症は子どもに遺伝してしまうのでしょうか?

現時点では、遺伝しないと断言することは不可能です。しかし、遺伝によるものよりも、本人の免疫システムの異常によるものが大きいとの見方が強まってきています。また、親が発症しても必ず子どもが発症するわけではありません。体質が遺伝することはあっても、環境要因までは遺伝しないからです。

5-3.妊娠と多発性硬化症に何らかの関係はありますか?

女性は、妊娠がきっかけで多発性硬化症を発症することもあります。妊娠すると、胎児は母体にとって異物であるとの認識になるほか、ホルモンバランスが大きく変化することから自律神経に影響が出るからです。発症した場合は、できるかぎり妊娠を継続しながら、多発性硬化症のコントロールを進めていきましょう。

5-4.多発性硬化症があると就職に不利になるのでは?

法律では、病気を理由に採用差別をすることは許されていません。もしも、企業が病気を理由に採用不可とした場合は、不当な扱いと言えます。しかし、すでに多発性硬化症を発症している場合、体に無理が利かないのも事実です。職場の理解を得ることが、病気治療と仕事を両立するための大きなポイントとなります。就職試験を受けるときには、正直に伝えて、働く意思と有能な人材であることのアピールに努めましょう。

5-5.多発性硬化症で食べてはいけないものはありますか?

多発性硬化症には、食べてはいけないものはありません。何でも好きなものを口にしてください。ただし、熱い料理やからい料理などで、体温上昇を招くことは避けましょう。理由は、体温上昇による再発を避けるためです。自律神経や免疫システムを整えるためには、栄養バランスに気を付け、3食きちんと摂(と)ることがベストには違いありません。特に、ビタミンやミネラル類が不足しがちですから、意識して摂(と)るといいでしょう。

まとめ

今回は、多発性硬化症について詳しく解説しました。多発性硬化症は、20代から30代の女性で多く発症する病気のひとつです。根本的な原因の解明がなされておらず、難病指定を受けていることからも、治療は根気よく行いましょう。特に、予後の経過観察は重要です。また、普段から生活改善を心がけ、自律神経を整えて免疫機能を正常化することも必要と言えます。いずれにしても、再発リスクが高い病気ですから、十分に気を付けましょう。再発した場合でも慌てず、速やかに適切な治療を受けるようにしてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』