マグネシウム欠乏症とは

マグネシウム欠乏症とは? 不足症状や改善法・治療法などをご紹介!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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「血圧が上昇している」「不安やうつなどの精神症状が気になる」など悩んでいる方は、マグネシウム欠乏症の可能性があります。マグネシウム欠乏症は、名前のとおり、マグネシウムが不足することで起きる症状です。マグネシウムの過剰摂取もよくありませんが、不足しすぎるのもよくありません。しかし、症状を緩和するためには、一体どう対処すればいいのでしょうか。

そこで本記事では、マグネシウム欠乏症の基礎知識や原因・症状・改善方法・セルフケアなどについて詳しく説明します。

  1. マグネシウム欠乏症とは?
  2. マグネシウム欠乏症の原因
  3. マグネシウム欠乏症の症状
  4. マグネシウム欠乏症の経過と影響
  5. マグネシウム欠乏症の改善方法
  6. マグネシウム欠乏症のセルフケア
  7. マグネシウム欠乏症に関してよくある質問

この記事を読むことで、マグネシウム欠乏症について詳しく知ることができ、改善方法やセルフケアがわかります。症状で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.マグネシウム欠乏症とは?

マグネシウム欠乏症は、名前のとおり、体内のマグネシウムが不足することで起こる症状です。マグネシウムは、酸素・水などの基本的な栄養素に続き、重要なミネラルの1種となります。基本的に、マグネシウムは骨に貯蔵されている成分です。しかし、何かしらの原因によって、マグネシウムの量が不足し、さまざまな症状が現れ始めます。

1-1.メカニズム

マグネシウム欠乏症のメカニズムは、ストレスと密接に関係しています。過剰なストレスを受けている人は、ノルアドレナリンと呼ばれるホルモンの分泌量が増え、マグネシウムが消費されるのです。そして、体内のマグネシウムが少なくなり、さらにストレスを受ける→マグネシウム減少という悪循環に陥りやすくなります。

1-2.なりやすい人

過剰なストレスを受けている人・不眠が続いている人・生活習慣が荒れている人などが、マグネシウム欠乏症になりやすい傾向があります。マグネシウムは年齢を重ねるごとに減るものなので、高齢者にも多く見られる症状です。さらに、妊娠中や授乳中も、マグネシウムを胎児・赤ちゃんに取られやすい傾向があるため、マグネシウム欠乏症になっている妊婦もよく見られます。

1-3.セルフチェック

マグネシウム欠乏症になっているかどうか、以下の項目をチェックしてください。多く当てはまる人ほど、マグネシウム欠乏症になっている可能性があります。

  • あまり食欲がない
  • 顔や手足がむくむ・しびれる
  • ちょっとしたことでもイライラしてしまう
  • 肩こり・腰痛・手足の冷えがひどい
  • 疲れや体のだるさを感じやすい
  • 野菜・果物をあまり食べない
  • インスタント食品やファストフードをよく食べる
  • お酒をよく飲む
  • 職場や家庭で感じるストレスが多い
  • 睡眠不足や過労が続いている
  • 激しいスポーツをしている
  • ダイエットをしている
マグネシウム欠乏症はすべての年代の人に発生する可能性があるんですね。
はい。特に、高齢者・妊婦・ストレス過多の人、そして生活習慣が乱れている人は要注意です。

2.マグネシウム欠乏症の原因

マグネシウム欠乏症の主な原因は、ストレスです。毎日ストレスを感じている人ほど、マグネシウムが不足してしまいます。ほかにも、以下のような原因が挙げられるでしょう。

  • 重労働な仕事・運動
  • お酒の飲み過ぎ
  • 食生活の乱れ
  • 腎臓・胃腸の病気
  • 加齢
  • 妊娠

主な原因を見てわかるように、さまざまな要因が考えられます。どれか1つだけでなく、いくつか原因が重なって、マグネシウム不足になるケースが多いようです。たとえば、ストレス+重労働、食生活の偏り+お酒の飲み過ぎなど、日ごろの生活習慣が大きく関係しています。

マグネシウム欠乏症の原因は1つではないんですね。
はい。複数の要因が絡まり合って起こると考えられています。

3.マグネシウム欠乏症の症状

マグネシウム欠乏症は自覚しにくい症状として知られています。症状を自覚したときには、体のあらゆる組織に影響が出ているのです。早めに対処するためにも、分類・主な症状・セルフチェックを確認しておきましょう。

3-1.分類

マグネシウム欠乏症は、痛みの種類・症状の出る場所に分けることができます。よく挙げられる痛みは片頭痛です。片頭痛は、頭の片側だけに痛みが現れる症状で、脈打つような痛みがあります。マグネシウムに依存しているセロトニンが不足している証(あかし)でしょう。また、生理痛・筋肉痛などの痛みも、マグネシウム欠乏症の症状です。症状の出る場所は、頭・肩・首・背中・腕・足・手足など、全体におよびます。

3-2.主な症状

マグネシウム欠乏症の症状は、非常に幅広い点が特徴です。さまざまな症状があらゆる場所に現れるため、きちんと確認しておかなければなりません。以下に、主な症状をピックアップしてみました。

  • 疲労感
  • スタミナ減退・筋力低下
  • 筋肉痛
  • イライラする・不安感がある
  • 集中力の低下
  • 手足のしびれ・痙攣(けいれん)・ふるえ
  • 吐き気・脱力感・眠気
  • 高血圧・動悸(どうき)・不整脈など
  • 食欲の低下
体調不良が続くと思ったら、マグネシウム欠乏症だったということもありそうですね。
はい。ただし、同じような症状が出る病気は多いので個人での判断は禁物です。

4.マグネシウム欠乏症の経過と影響

マグネシウム欠乏症の症状経過や影響・関連する病気について詳しく説明します。

4-1.症状経過

マグネシウム欠乏症は、自覚症状が薄いため、気づいたときには悪化しているケースがほとんどです。たとえば、疲労感が抜けない・イライラすることが増えた・食欲が低下したなど、複数の症状が同時に現れ始めます。症状が長く続くにつれ、手足のしびれや痙攣(けいれん)が止まらなくなり、高血圧などの生活習慣病や不整脈・動脈硬化・虚血性心疾患のリスクが高まるのです。最悪な状態になれば、命を失う恐れもあります。

4-2.影響

マグネシウム欠乏症をそのまま放置すれば、手足の痙攣(けいれん)が起き始めます。体中のあちこちに痛みが走り、顎関節の障害や頭痛・胸部の圧迫感による呼吸困難を起こすリスクも高まるのです。さらに、疲労がすぐに取れない、慢性疲労に陥ってしまいます。常に、体が疲れた状態となるため、快適な生活を送ることができません。

4-3.関連する病気

マグネシウム欠乏症に見られる症状は、低マグネシウム血症とよく似ています。低マグネシウム血症は、血清マグネシウム濃度が1.4mEq/L(ミリエキュバレントパーリットル)を下回る状態です。マグネシウムが足りていない状態となり、食欲不振・吐き気・筋力低下・人格変化などの症状が現れます。マグネシウム欠乏症とは違い、慢性の下痢や利尿薬・排泄(はいせつ)低下などが主な原因です。

適切な治療をしないと日常生活にも支障が出るんですね。
はい。早期に治療するほど予後もよくなります。

5.マグネシウム欠乏症の改善方法

それでは、マグネシウム欠乏症の改善方法について詳しく説明します。

5-1.病院へ行くべき症状

体の不調が数日間続く場合は、病院に行ったほうがいいでしょう。手足のしびれや痙攣(けいれん)が出始めたころは、すでに症状が進行していると思ってください。「そのうち自然と治る」と思わずに、すぐ病院へ行き、適切な対処をしてもらいましょう。受診する際は、どこにどのような症状がいつから出ているのか、具体的に伝えてくださいね。

5-2.何科へ行けばいいか?

マグネシウム欠乏症の恐れがある場合は、内科を受診してください。さまざまな原因が考えられますが、内科で検査を受けたほうが、あらゆる原因に対処できます。また、原因別に適切な診療科をすすめてくれるでしょう。イライラや精神不安定さが目立つ場合は、精神科を受診するのも選択肢の1つです。

5-3.検査・診断方法

マグネシウム欠乏症の検査・診断方法は、血液検査です。血液中に含まれているマグネシウム値を調べ、基準値をクリアしているか調べます。マグネシウムの基準値は、1.8~2.4mg/dl(ミリグラムパーデシリットル)です。あくまで、目安の指標となるため、検査方法によって基準値は異なるでしょう。血液検査のほかに、問診・視診なども行います。

5-4.治療方法

マグネシウム欠乏症の治療方法は、マグネシウムの補給です。軽症であれば、食生活の改善でマグネシウムを摂取していきます。重症の場合は、注射による補給になるでしょう。進行の具合によって、治療方法は異なります。また、ストレスが密接に関係してるため、心のケアも大切な治療法です。

5-5.注意点

症状を放置することだけは絶対にしないでください。「疲れているだけ」という理由で、病院に行くほどではないと考える方が多いでしょう。しかし、いつもと違う症状が現れたり、長く続いたりしている場合は注意が必要です。不安を感じたら、すぐに病院へ行きましょう。

具合が悪くなったら、できるだけ早く病院を受診することが大切なんですね。
はい。風邪とも症状が似ているので、病院を受診したら症状を詳しく説明し、血液検査を受けましょう。

6.マグネシウム欠乏症のセルフケア

マグネシウム欠乏症の改善や予防は、セルフケアが大きなポイントです。自分でできるケアをいくつかピックアップするので、ぜひ生活を見直してください。

6-1.マグネシウムの推奨される1日の摂取量・目安

マグネシウムは、1日の摂取量が決まっています。基本的な摂取量は300mg(ミリグラム)となっていますが、性別・年齢によって異なるため、以下の目安を参考にしてください。最低でも摂取したい量「推定平均必要量」を示しています。

男性の場合

  • 18~29歳:290mg
  • 30~49歳:310mg
  • 50~69歳:290mg
  • 70歳以上:260mg

女性の場合

  • 18~29歳:230mg
  • 30~49歳:240mg
  • 50~69歳:240mg
  • 70歳以上:220mg

妊婦の場合は、最低でも1日260~270mgの摂取が必要です。

6-2.食事

マグネシウムの摂取方法と言えば、食事が1番に挙げられます。日ごろから、マグネシウム摂取を意識した食生活を心がけてください。

6-2-1.マグネシウムを摂取するための食品

基本的に、マグネシウムは野菜・海藻類・果物・大豆類などに多く含まれています。特に、トマト・シラス・イクラ・わかめ・ひじき・アーモンド・くるみ・枝豆・納豆・豆腐・シソ・ごま・緑黄色野菜の含有量が多いのです。朝食のみそ汁にわかめを加えるなど、マグネシウムが含まれている食品を加えましょう。

6-2-2.摂取タイミング

マグネシウムを一度に大量摂取すると吸収率が悪くなるため、摂取するときは2~3回に分けてください。たとえば、朝昼晩にマグネシウム食品を加えるといいでしょう。また、マグネシウムは睡眠を深くする効果があります。起床時よりも、就寝前に摂取したほうが吸収しやすくなるでしょう。

6-2-3.そのほか注意点

マグネシウムを効率的に摂取するためには、栄養バランスの良い食事を摂(と)ることが大切です。マグネシウムが多く含まれる食品だけでなく、ミネラル・アミノ酸などの必要な栄養素も、バランス良く摂取してください。栄養バランスが整っている食事は、マグネシウムの吸収率を高めることができます。

6-3.サプリメント

「仕事が忙しくて自炊できない」などと、食事からマグネシウムが摂取できない方もいるでしょう。そんなときは、サプリメントを利用してください。サプリメントは、栄養素が凝縮されています。摂取量を守って飲み続けることで、マグネシウムを補うことができるのです。

6-4.そのほか

規則正しい日常生活を心がけ、できるだけストレスを溜(た)め込まないようにしてください。過剰なストレスは、マグネシウム不足が進行する要因です。ストレスを感じたときは、リラックスできることを実践してください。たとえば、お風呂にゆっくりつかる・好きな音楽を聴く・ストレッチなどの運動をして汗をかくなど、できることはたくさんあります。

6-5.NG行為

マグネシウムをたくさん摂取すれば良いというわけではありません。よく勘違いしている方が多いのですが、過剰摂取は体に悪影響を与えます。実際に、過剰摂取により起きる「マグネシウム過剰症」が起きているのです。血液中のマグネシウム濃度が高くなると、イライラ・うつ・集中力の低下・筋力低下・神経過敏・錯乱(さくらん)などの症状が現れます。

マグネシウムは不足しても過剰摂取してもいけないんですね。
はい。適量を摂取することが大切です。サプリメントを利用する場合は、特に過剰摂取に気をつけてください。

7.マグネシウム欠乏症に関してよくある質問

マグネシウム欠乏症に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.なぜマグネシウムが必要なのか?
A.マグネシウムは約300種類の酵素を活性化させる働きがあります。体内には数千種類の酵素が存在しており、それぞれ、体内のさまざまな代謝を助けているのです。マグネシウムが十分に足りているからこそ、体内の組織が正常に働きます。

Q.マグネシウムの吸収率を高めるコツは?
A.マグネシウムと同時に、有機酸またはビタミンCを摂取してください。お酢・梅干しなどに含まれている有機酸は、ミネラル類の吸収を助ける働きがあります。ビタミンCもマグネシウムの吸収を促進させる成分です。

Q.マグネシウム欠乏症により、リスクが高まる病気は?
A.糖尿病・高血圧などの生活習慣病や心筋梗塞・脳卒中・動脈硬化・気管支炎・喘息(ぜんそく)などのリスクが高まります。さらに、マグネシウム欠乏症は、がんの発症率が高まるとも言われているのです。

Q.自分でできる心のケアは?
A.できるだけ、心が落ち着ける環境に身を置く・ストレスを解消する・ネガティブな考えをしないなどのケアがあります。しかし、自分で工夫をしてみても、ストレスが解消できない場合もあるでしょう。そんなときは、「アタナハクリニック」で実践している直観医療をおすすめします。直観医療は、心の状態を含めた、体内のエネルギー情報に基づいて治療を行う方法です。ぜひ1度、相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか? マグネシウム欠乏症は、マグネシウムが不足することで起こる症状です。脱力感やイライラ・筋肉痛・頭痛・吐き気・食欲低下などの症状が現れます。症状を放置すれば、高血圧・糖尿病などの生活習慣病・心筋梗塞・がんのリスクが高まるため、早めに対処しなければなりません。

きちんと原因を突き止め、マグネシウムの摂取量を増やすために、食生活や生活習慣の改善を心がけてください。ストレスも関係しているため、心身のケアも大切です。マグネシウム欠乏症の基礎知識を身につけることが、改善の第1歩となります。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』