クローン病

クローン病を詳しく知りたい人へ! 症状・治療を徹底解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
免責事項について

「最近食事をすると腹痛や下痢になる」「食事制限をしていないのに体重が減る」などの症状がある場合は、クローン病の可能性があります。クローン病は、難病指定を受けており、診断が難しい病気です。しかし、近年になって急増しているため、注意が必要となります。今回は、クローン病について症状や治療を詳しく解説しましょう。クローン病について詳しく知りたい人には、役に立ちますよ。

  1. クローン病の基礎知識を学ぼう
  2. クローン病の症状の経過と影響について
  3. クローン病の原因は?
  4. クローン病のセルフチェック
  5. クローン病の治療について
  6. クローン病と日常生活
  7. クローン病に関するよくある質問

この記事を読むことで、クローン病に関する知識が身に付き、早期発見に役立ちます。また、治療方法や日常生活での注意事項も理解できるので有益です。まずは、記事を読み進めて必要なことを理解してください。

1.クローン病の基礎知識を学ぼう

最初に、クローン病の基礎知識を学びましょう。定義・メカニズム・なりやすい人や患者数、また、特定疾患について解説します。

1-1.クローン病の定義

クローン病とは、特定疾患のひとつです。大腸および小腸の粘膜に、慢性の炎症または潰瘍ができる病気の総称という定義があります。原因がはっきりせず、症状が似ている病気も多いため、診断が難しくて誤診しやすい病気です。

1-2.クローン病が発症するメカニズム

遺伝などでクローン病の素質を持っている人が、腸に負担が大きな食事・乱れた生活習慣・ストレスなどの要因で発症します。しかし、発症までのメカニズムは確証できていません。ただし、遺伝要因が認められるため、家族に発症した場合はクローン病になる可能性が高いと考え、日常生活に気を付けることが必要です。

1-3.クローン病になりやすい人・患者数

クローン病になりやすい人は、以下のような人です。

  • 家族にクローン病の人がいる(遺伝要素がある)
  • 10~20代の若年層
  • 喫煙者
  • 男性(患者数が2:1で男性の方が多い)
  • 生活習慣が乱れている(偏った食生活・不規則な生活リズムなど)
  • ストレスを感じやすい

なお、クローン病の患者数は、2013年時点で4万人に達しています。年々増加傾向にあるのも特徴です。

1-4.「特定疾患」について

難病の中でも、原因不明で治療方法が確立していないものを「特定疾患」と呼びます。特定疾患は、厚生労働省が認定しており、申請によって医療費補助を受けることが可能です。2012年時点では、クローン病をはじめ、130の病気が特定疾患の指定を受けています。

2.クローン病の症状の経過と影響について

クローン病の症状について詳しく解説します。病状経過や放置した場合の影響なども理解しましょう。

2-1.クローン病になるとどんな症状が出るか

クローン病の主な自覚症状としては、下痢・腹痛・全身のだるさなどがあります。ただし、前述の3つの症状は、ほかの病気でも発症するものであるため、自己判断が難しいので注意しましょう。なお、クローン病では、発熱や体重減少を伴うこともあります。いずれにしても、早めに病院で検査を受けることが肝心です。

2-2.クローン病の病状経過

クローン病は、寛解(かんかい)と再発を繰り返す病気です。そのため、予後は経過観察が必要不可欠となります。治ったように見えても、いつ再発するかわからないので油断は禁物です。定期検診に通い、日常生活でも医師の指示に従いましょう。再発したと感じたときは、すぐに治療を受けることが大切です。

2-3.クローン病の影響について

クローン病を放置すると、症状が悪化して苦しい思いをするだけでなく、治療が長期化します。また、治療のために休職したり家事・育児に影響が出たりすることでしょう。クローン病も、早期発見・治療が望ましいことに違いありません。

3.クローン病の原因は?

クローン病の原因や、関連する病気や症状について解説します。

3-1.クローン病の主な原因

クローン病の原因は、現時点でははっきりわかっていません。しかし、遺伝によってなりやすい体質の人は存在します。クローン病になりやすい人が、食事・喫煙・ストレスなどの要因によって腸の粘膜の免疫機能に異常をきたし、炎症を起こすのです。

3-2.クローン病で考えられるほかの病気

クローン病と症状が似ている病気としては、以下のようなものがあります。

  • 過敏性腸症候群:腸に異常が無いのに下痢・便秘を繰り返す
  • 潰瘍性大腸炎:大腸粘膜に潰瘍やびらんができ下痢や血便を伴う

3-3.クローン病に関連する病気や症状

クローン病になると、以下の病気や症状が出ることがあります。

  • 関節炎
  • 口内炎
  • 虹彩(こうさい)炎
  • 結節性紅斑

4.クローン病のセルフチェック

クローン病のセルフチェックは、早期発見のためにも重要です。チェック項目やガイドラインを解説します。

4-1.クローン病のセルフチェック

クローン病が心配な人は、以下のセルフチェックをしてみましょう。

  • 腹痛がある
  • 原因不明の下痢が続く
  • 発熱がある
  • ダイエット中ではないのに体重が減少する
  • 肛門(こうもん)に痛みがある
  • 喫煙者である
  • 食事をすると調子が悪くなる
  • 10~20代である
  • 家族にクローン病患者がいる
  • 大きなストレスを抱えている

4-2.クローン病のガイドラインについて

クローン病は、診断が難しい病気であるため、ガイドラインが存在します。2011年10月に日本消化器病学会が発行した「クローン病診療ガイドライン」は、診断基準や治療方針などを詳しくまとめているものです。難病指定のあるクローン病の診断・治療の参考情報として、活用してください。

5.クローン病の治療について

クローン病の治療を詳しく解説します。どんな症状が出たら病院に行くべきか・検査や診断方法・治療方法など、しっかり学びましょう。

5-1.クローン病で病院に行くべき症状とは?

以下のような症状がある場合は、すぐに病院に行きましょう。クローン病も、早期発見・治療に越したことはありません。

  • 激しい下痢・腹痛がある
  • 口内炎・虹彩(こうさい)炎など全身に炎症が広がっている
  • 腸から出血がある(血便などを含む)

5-2.クローン病は何科に行く?

クローン病の疑いがあるときは、消化器科もしくは消化器内科を受診しましょう。クローン病の検査を受けることができます。正確な診断のためには、設備の整った大病院の方が望ましいことも事実です。必要に応じて紹介状をもらい、改めて再検査することになるでしょう。

5-3.クローン病の検査・診断方法

クローン病の疑いがある場合は、以下のような検査をします。複数の検査の結果を総合して診断を下すのです。

  • 血液検査
  • X線検査
  • CT・MRI検査
  • 内視鏡検査
  • 造影検査
  • 便検査

5-4.クローン病の治療方法を学ぼう

クローン病の主な治療は、栄養療法・薬物治療・外科治療の3つです。

5-4-1.栄養療法

クローン病の治療は、栄養療法によって進められます。症状の寛解を目指すためには、腸に刺激を与えないことが重要なポイントです。そのため、厳しい食事制限(絶食)を行う必要があり、高カロリー輸液を行うことにより栄養補給を行います。食事療法に移項した場合でも、難消化性・高脂質のものは避けるのが一般的です。

5-4-2.薬物治療

多くの場合で、栄養療法と併用して薬物治療を行い、症状や体質に合わせ、主に以下の薬剤を使用します。

  • サリチル酸製剤
  • 分子標的治療薬
  • 副腎皮質ホルモン剤
  • ステロイド剤
  • 免疫抑制剤

5-4-3.外科治療

栄養療法や薬物治療で効果が認められないときは、外科治療として大腸の切除手術をすることがあります。特に、腸閉塞・大出血・穿孔(せんこう)・中毒性巨大結腸症があるときは、手術が必要です。しかしながら、切除をしても再発をする可能性は高いままであり、切除後の縫合部分に多く出現します。

5-4-4.そのほかの治療法

そのほかの治療法では、血球成分除去療法や自己免疫療法などが代表的です。たとえば、当アタナハクリニックでも、自己免疫や治癒力を高める方法でクローン病の治療を行っています。どんな治療方法でも効果が無い・体に負担の少ない治療方法を探しているといった方は、ぜひご検討ください。

5-5.クローン病の手術や入院について

外科治療として、手術を行う場合は入院を伴うことが多くなります。病変周辺を切除するため数週間以上の入院になることも多いでしょう。入院期間中は治療に専念し、退院後の生活にスムーズに移ることができるようにしましょう。

5-6.クローン病の治療に関する注意点

クローン病の治療でわからない点や不安な点があったときは、必ず医師に相談しましょう。自己判断で進めることが最もいけないことです。不安な気持ちがストレスとなり、再発を促してしまうこともあります。クローン病は、長く付き合うことになる病気です。最良の治療を受けるためにも、不安を残さないようにしましょう。

6.クローン病と日常生活

クローン病の予後について、どんな点に注意するべきか解説します。

6-1.日常生活で気を付けるべきこと

クローン病を発症した後は、日常生活で気を配ることが再発防止に役立ちます。食事・運動・そのほかの注意点について解説しましょう。

6-1-1.食事

腸を刺激しない食事内容にすることが大切です。たとえば、脂質・繊維質・刺激物を避けてください。できるだけ消化がよく、腸に長時間残らないものを食べるようにすることです。食欲に任せて大量に食べることはやめましょう。暴飲暴食は、クローン病の大敵です。

6-1-2.運動

クローン病を発症した場合は、全身疲労が再発の原因になると言われています。そのため、激しい運動は避けた方がいいでしょう。しかし、ウォーキングなど軽い運動を続けることは問題ありません。適度な運動はストレス解消にもなるため、体調を見ながら行ってください。ただし、腹痛などの症状があるときは厳禁です。

6-1-3.そのほかのこと

クローン病は、喫煙により悪化すると言われているため、禁煙することが必要です。タバコは、全身の血流を悪くするだけでなく、腸の働きにも影響を与えます。再発を防止するためにも、いい機会だと考えて禁煙に踏み切りましょう。

6-2.再発・寛解(かんかい)・予後について

クローン病は、再発と寛解(かんかい)を繰り返す病気です。そのため、予後は経過観察をしつつ治療を続けることになります。数年発症しなくても、油断はできません。途中で治療を勝手に中断した結果、再発する例もあります。日常生活に気を配り、定期検診をきちんと受けることが大切です。

7.クローン病に関するよくある質問

最後に、クローン病に関するよくある質問に回答します。病気を正しく理解するためにもそれぞれ確認しておきましょう。

7-1.クローン病によって制限のある職業はありますか?

クローン病であることによって、職業の自由が制限されることはありません。ただし、疲労やストレスが再発の原因になることから、長時間労働・負荷が大きな作業は避けるべきでしょう。また、勤め先がクローン病の症状や治療にかんして理解を持っていることが大切です。なお、体調不良や治療のために早退・休暇を取りやすい点を考えて職業選び・職場選びを行いましょう。

7-2.クローン病の治療費負担はどうなりますか?

クローン病は、難病指定を受けている病気です。そのため、申請により国から治療費の補助を受けることができます。ただし、指定医療機関を受診・難病指定医による確定診断の2つが必要です。詳しくは、ヒュミュラ情報ネットの医療費負担に関するページを参考にしてください。

7-3.クローン病はがんに移行しますか?

クローン病であっても、必ずしもがんになるとは限りません。しかし、確率が上がるのは事実です。予後は、医師の指示に従って生活習慣・食事の改善に努め、定期検診を受けることで、がんの発生率を抑えましょう。がんを発症した場合でも、早期治療を行えば問題ありません。

7-4.クローン病を発症した後での妊娠は難しいですか?

クローン病を発症しても、妊娠はできます。ただし、症状の治療で薬物療法を受けるときには注意が必要です。まずは、主治医に妊娠の希望があることを伝え、できる限り食事療法などの方法で進めるようにしましょう。出産するまでは体調管理に気を付けながら過ごしてください。

7-5.高齢者はクローン病にならないと考えていいですか?

10~20代の若者に多く発症する病気であっても、高齢者でも見ることはあります。高齢という理由だけでは、安心できません。原因不明の下痢・腹痛があるときは、速やかに医師に相談してください。高齢になると、腸の働きも弱くなるものです。健康で自立した生活を長く続けるためにも、適切な診断・治療を受けましょう。

まとめ

今回は、クローン病について詳しく解説しました。若い世代を中心に急増しているクローン病は、長く付き合うことが必要な病気です。しかし、病気の性質を知り、適切な治療・セルフケアを行うことで症状の再発を防ぐことは十分にできます。まずは、正しい知識を身に付け、理解することが大切です。早期発見・治療が大切であることは、ほかの病気と変わりません。原因不明の腹痛・下痢が続くときは、クローン病の疑いがあるため、速やかに医師の診断を受けてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』