内臓疲労の原因や治療法を知りたい! なぜ、内臓は疲れてしまうの?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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内臓疲労とは、暴飲暴食・過度な小食・運動のし過ぎなどが原因で起こる内臓の不調です。病気ではありませんが、内臓疲労をそのままにしておくと常に体が重く、肌荒れや便秘・下痢などの不調が出てきます。さらに、免疫力も低下してさまざまな病気になる可能性もあるでしょう。特に、夏や年末年始は内臓が疲れやすい時期です。
そこで、今回は内臓疲労の原因や対処方法・予防法を解説します。

  1. 内臓疲労の基礎知識
  2. 内臓疲労と間違えやすい病気
  3. 内臓疲労の回復方法・予防法
  4. 内臓疲労に対するよくある質問

この記事を読めば、内臓が疲れ気味の時、どうしたらよいのかもよく分かるでしょう。最近、食欲がないという方や疲れやすいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.内臓疲労の基礎知識

はじめに、内臓疲労の症状や原因などを解説します。どのような自覚症状があるのでしょうか?

1-1.内臓とはどこを指すの?

内臓とは、体内にある臓器全般を指す言葉ですが、「内臓疲労」と言った場合は胃や腸などの消化器官と肝臓を意味します。消化器官や肝臓は食生活の影響を受けやすく、調子が悪くなると体にも影響が出やすいのです。また、肝臓は消化器官ではありませんが、食物から得た栄養素をエネルギーに変換したり、アルコールや老廃物を無毒化する役割を担っています。食生活の乱れは肝臓にも影響を与えるので、暴飲暴食や過度な小食などを続けていれば、肝臓も疲れてくるのです。

1-2.内臓が疲労すると現れる自覚症状とは?

内臓が疲労すると、

  • 疲労感
  • 下痢や便秘
  • 食欲不振
  • 胃もたれ
  • 倦怠感
  • 肌荒れ

といった症状が現れやすくなります。夏ならば「夏バテ」、冬ならば「風邪」と思われがちな症状ですが、内臓が疲労している場合は、この症状が何カ月も続くこともあるでしょう。セルフチェックをして以上のような症状が現れ、1週間以上続いている場合は一度病院へ行きましょう。

1-3.内臓疲労の原因

内臓疲労は

  • 暴飲暴食
  • 過度なダイエット
  • 冷たいものの取り過ぎ
  • 運動のし過ぎ
  • ストレス

などが原因で起こります。内臓は、使いすぎても使わなさ過ぎても弱るのです。また、冷たいものを取りすぎると内臓が冷えて動きが悪くなり、疲労しやすくなります。
運動のし過ぎで内臓が疲労するというのは、意外に思われるかもしれません。運動をすると普段は内臓に集まっている血液が、全身に送られてしまいます。すると、内臓はエネルギー不足になり、激しい運動をした後は食欲が失われやすくなったり消化不良になりやすくなったりするのです。

1-4.内臓疲労の弊害

内臓が疲労すると、消化吸収能力が落ちて栄養不足になります。すると、エネルギーが不足して疲労感が抜けません。眠りも浅くなり、長時間眠っても眠気が取れず、常にだるさを感じるようにもなるでしょう。また、栄養を取ろうにも疲労した内臓は消化吸収の能力が落ちていますので、むやみに食べ物を食べてもますます疲労するばかりです。
体が栄養不足になると、自律神経にも悪影響が出て、不眠やイライラ、気分の不調などが起こる可能性もあります。

1-5.内臓疲労が起こりやすい季節

内臓疲労は季節や年代問わずに起こりますが、特に夏や年末年始にかけて起こりやすい傾向にあります。夏は、暑さから食欲が衰えがちになり、冷たいものを取りがちです。また、「スタミナをつけなければ」とウナギや焼き肉など脂っこいものを冷たい飲み物と一緒に取る人も多いでしょう。冷たい飲み物の取りすぎは胃腸の働きを弱めます。そこに脂っこいものを食べれば、胃腸はますます弱ってしまうでしょう。
また、年末年始はクリスマス・忘年会・新年会などごちそうを食べる機会がたくさんあります。さらに、暖房の効いた室内では冷たい飲み物の方がおいしく感じることでしょう。冷たい飲み物をたくさん飲んで戸外へ出れば、余計に体が冷えやすくなります。すると、内臓も弱りやすくなるでしょう。さらに、お酒をたくさん飲めば肝臓は解毒のために休む暇なく働き、疲労しやすくなります。

1-6.内臓疲労を起こしやすい年代

10代後半~20代の女性は、過度なダイエットによる内臓疲労を起こしやすい傾向にあります。この年代はダイエットをする機会が多く、食事を抜いたりダイエット食品におきかえたりしやすいでしょう。急激なダイエットや、流動食中心のダイエットは栄養不足になりやすいのです。
一方、暴飲暴食による内臓疲労は、30代後半~40代に起こりやすいといわれています。この年代は、加齢によって内臓機能が低下しはじめるのです。20代と同じようなペースで飲食を行うと、内臓が疲れやすくなります。
また、高齢者の場合は風邪などが原因で食欲が落ちると、そのまま小食による内臓疲労を起こしやすいので注意が必要です。

2.内臓疲労と間違えやすい病気

胃炎や腸炎といった消化器官の炎症が起こると、食欲不振や下痢・吐き気などの症状が起こります。また、胃腸にポリープや腫瘍ができていても、胃もたれや消化不良といった症状が現れるでしょう。このほか、肝炎・すい臓炎などの病気でもだるさや食欲不振の症状が現れます。
ですから、

  • 胃もたれをはじめとする消化不良
  • 食欲不振
  • だるさ
  • 胃酸の逆流
  • 胸のむかつき
  • 便秘・下痢
  • 腹部の鈍痛

1-2.で紹介したような症状に加えて、セルフチェックをして以上のような症状が現れていることが分かり、1週間以上改善が見られない場合は、内科や消化器科を受診しましょう。

なお、病院では、レントゲン検査・胃カメラ・血液検査などを行います。場合によってはMRIなどの検査をすることもあるでしょう。内臓疲労の症状はほかの病気の症状としても現れやすいため、複数の検査を時間をかけて行うこともあります。
かかりつけ医がある場合は、まずその病院を受診してください。場合によっては、総合病院など大きな病院への招待状を書いてもらえます。

3.内臓疲労の回復方法・予防法

この項では、内臓疲労の回復方法と予防方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.内臓が弱っていると言われたら?

前述したような症状で内臓が弱っていると診断された場合、投薬による治療が行われることが一般的です。それに合わせて、食べてはいけないものや、おすすめの食事などを指導されることもあるでしょう。
医師の指示通り薬を飲み、指導に基づいて食事の内容を見直してください。また、症状が回復したように思えても、そのままにしておいてはいけません。薬を飲みきったら再受診し、消化器官の様子をチェックしてもらってください。

3-2.内臓を弱らせない食事の内容とは?

内臓を疲労させないためには、食事は1日3回取るのが理想です。食事時間があきすぎると、空腹のあまりドカ食いをしがちになります。また、食事の量は多すぎても少なすぎてもよくありません。腹八分目を目安に食べましょう。
人間に必要な栄養素のうち、脂肪分は消化されにくく胃腸に負担がかかります。食べる時は温かい飲み物と組み合わせたり、大根など、消化を促進する栄養素を含んだ食べ物と食べましょう。
よくかんで食べることも大切です。よくかんで食べれば、胃腸の負担もそれだけ減って内臓も疲れにくくなるでしょう。

3-3.運動中の水分補給や運動後の栄養補給について

暑い時期に運動をすると、冷たい飲み物が飲みたくなります。しかし、氷などで冷やした飲み物は胃腸に負担がかかるので、運動中は常温の飲み物がおすすめです。また、運動後にすっかり食欲がなくなってしまう場合は、運動のし過ぎが考えられます。運動メニューを見直しましょう。
運動後は、ビタミンB1やB2を多く含む食事を取ると、疲労が回復しやすくなります。このほかには、タンパク質をしっかりと取りましょう。
長時間運動をしなければならない場合は、糖類などを定期的に補給するのがおすすめです。

3-4.改善したい食習慣

  • お酒を飲むばかりで、食事を取らない
  • ダイエット目的で食事を抜く
  • 夏は、アイスやスムージー・かき氷などを食事代わりにする
  • 冷たい飲み物と脂肪分の多い食事の組み合わせ

以上のような食生活は、改善が必要です。脂肪分の多い食事はビールがすすみますが、飲み過ぎに注意し、食後に温かいウーロン茶などを飲めば、内臓の負担が軽くなります。また、現在は冬でも暖房の効いた室内では、冷たいものがおいしく感じることでしょう。しかし、食べ過ぎ・飲み過ぎは禁物です。食べた後は温かいお茶を飲むなどして体を温めましょう。

3-5.ストレス改善は暴飲暴食以外で行う

食事は、最も簡単なストレス解消法のひとつです。イライラしたらつい好きな食べ物を思い切り食べたくなる人もいるでしょう。しかし、ただでさえストレスで弱っている胃腸に、大量の食べ物は大きな負担です。暴飲暴食以外でストレスを解消する方法を見つけましょう。

3-6.注意点

ドラッグストアでは、胃もたれや消化不良を解消することを目的とした胃薬や、疲労回復効果をうたった健康食品やサプリメントもたくさん販売されています。それらを使用しても良いのですが、「サプリメントや胃薬を服用しているから大丈夫」ということはありません。食生活や生活習慣を見直すことが大切です。

4.内臓疲労に対するよくある質問

Q.内臓疲労は、ある日突然起こるのでしょうか?
A.ある日突然ということはありませんが、自覚症状がいきなり現れたと感じる方もいます。

Q.内臓疲労はどのくらいで回復するのですか?
A.個人差がありますが、数か月かかることもあるでしょう。

Q.胃腸薬や消化剤は内臓疲労に効果的ですか?
A.消化吸収を助ける効果はありますが、食生活を改善することが大切になります。

Q.子どもでも内臓疲労を起こすことがあるでしょうか?
A.はい。暴飲暴食をしていれば内臓は疲労します。

Q.内臓疲労はマッサージや鍼灸で治るのでしょうか?
A.心身のリラックスが消化吸収を促進することがありますが、食生活を改善しなければ効果は期待できません。

Q.消化吸収の良いものとはなんでしょうか?
A.おかゆやポタージュスープなどがおすすめです。冷たい物は消化が良くても内臓の働きを弱めてしまいます。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、内臓疲労の原因や予防法について解説しました。内臓疲労はいろいろな病気を引き起こす原因になります。内臓の不調を感じたらできるだけ早く対処しましょう。また、病気の可能性もありますので、病院に行って胃や腸の様子を検査することも大切です。