膠原病

膠原病の症状や原因・治療法などについて徹底解析!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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「関節の腫れやこわばりが気になる」「皮膚に紅斑(こうはん)や紫斑(しはん)が現れる」などの症状が出ている場合、膠原病(こうげんびょう)のおそれがあります。膠原病が悪化すると、関節の変形や臓器に障害が起こり、日常生活に支障をきたしかねません。また、1度進行した障害はもとに戻らないといわれているため、早期発見が大きなポイントです。そこで、本記事では、膠原病の基礎知識や原因・症状・経過と影響・治療法について説明します。

  1. 膠原病の基礎知識
  2. 膠原病の原因
  3. 膠原病の症状
  4. 膠原病の経過と影響
  5. 膠原病の治療について
  6. 膠原病に関してよくある質問

この記事を読むことで、膠原病の原因や症状・治療法などについて詳しく知ることができます。悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.膠原病の基礎知識

膠原病とは、一体どのような病気なのでしょうか。基礎知識を深めることで、改善のコツをつかむことができます。それでは詳しくチェックしていきましょう。

1-1.どんな病気か

真皮(しんぴ)・軟骨・骨・腱(けん)・靭帯(じんたい)などを構成するコラーゲンに障害・炎症を生じるさまざまな疾患の総称が「膠原病」です。全身性エリテマトーデス・全身性硬化症・皮膚筋炎・関節リウマチ・リウマチ熱・結節性多発性動脈炎の6疾患を古典的膠原病といいます。現在は、これらに加えて、以下の疾患を含めて膠原病といわれているのです。

  • リウマチ性多発筋痛症
  • 側頭動脈炎
  • 多発性筋炎
  • シェーグレン症候群
  • 混合性結合組織病
  • 重複症候群
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫(にくげしゅ)症
  • ベーチェット病
  • ウェゲナー肉芽腫症など

1-2.国の難病指定について

難病情報センターホームページで「膠原病」と検索してもヒットしません。なぜなら、膠原病とは、1つの病気の名前ではなく、共通の特徴を持つ複数の病気の総称だからです。難病指定に登録されているのは、膠原病ではありませんので注意してください。膠原病の1種であるベーチェット病・全身性エリテマトーデス・全身性強皮症・悪性関節リウマチなど、病名1つ1つが難病指定されています。

1-3.メカニズム

膠原病の特徴は、全身にさまざまな疾患が現れることです。本来ならば体を守るための免疫システムが誤作動を起こすことで、自分の体を攻撃してしまいます。膠原病は、別名・全身性自己免疫性疾患とも呼ばれており、病名ではありません。そのため、膠原病のうち、どのような病気であるか見極めることが大切なポイントとなります。

1-4.種類

膠原病の種類はさまざまありますが、代表的なのは以下のとおりです。それぞれの特徴についても、ピックアップしてみました。

  • 関節リウマチ:左右対称に全身の関節にこわばり・痛みや腫れが出るなど、進行すれば関節が壊れる
  • 全身性エリテマトーデス:細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体が作られることで、全身の諸臓器が侵されてしまう病気
  • 全身性強皮症:強皮症の1種で、消化管や肺などの内臓臓器の硬化を伴う
  • 多発性筋炎・皮膚筋炎:数週間~数か月にわたって進行する、体幹などの筋力低下をもたらす炎症性筋疾患
  • シェーグレン症候群:自己免疫に異常が生じ、自己抗体やリンパ球によって自身を攻撃してしまう病態
  • 混合性結合組織病:全身性エリテマトーデス・強皮症・多発性筋炎・皮膚筋炎などの病気の症状を同時に持っている病気
  • 抗リン脂質抗体症候群:動脈・静脈の血栓症、または胎盤微小血栓を主な病態とする自己免疫血栓症
  • 血管炎症候群:血管炎を原因とした多種多様の臨床症状や疾患郡の総称

1-5.なりやすい人・患者数

膠原病は、男性よりも女性に多い傾向があります。特に、妊娠が可能な年齢に発病しやすいことが分かっており、女性ホルモンが免疫異常を高めていると考えられているのです。また、外で仕事をする機会が多い人(紫外線を浴びやすい人)・ストレスを感じやすい人なども膠原病になりやすい傾向があります。膠原病の患者数は、種類によって異なるでしょう。たとえば、関節リウマチは約50万人以上、全身性エリテマトーデスは4万3,000人、皮膚筋炎・強皮症は2万2,000人ほどです。

2.膠原病の原因

それでは、膠原病の原因とは一体どのようなものなのでしょうか。

2-1.主な原因

膠原病の原因は、未(いま)だハッキリしていませんが、「体質と素因」「環境条件」「免疫異常」などの要因が考えられています。

2-1-1.体質と素因

膠原病の1つである全身性エリテマトーデスでは、体質や素因が関係しているのではと考えられています。一卵性の双子の1人が発症したときに、もう1人のほうも発症する確率が約25%といわれているのです。そのため、膠原病は遺伝・体質も要因の1つとみなされています。

2-1-2.環境条件

遺伝以外の原因としては、環境条件があります。長時間の紫外線が原因で膠原病を発症するのではないか、と考えられているのです。また、ウイルス・細菌・カビなどの感染症や薬物乱用・妊娠や出産・ストレス・美容整形などが関係している可能性もあります。

2-1-3.免疫異常

自己免疫疾患は、自己の免疫反応が過剰反応して自分の細胞を傷つけることが原因で起こります。膠原病の原因として、自己免疫の異常が考えられているのです。膠原病を患っている方は、自己の体を構成する成分に反応する「リンパ球」や「自己抗体」が多く出現しています。これらの成分によって、免疫異常が起き、膠原病を発症する仕組みです。

2-2.誘因について

膠原病は、原因不明の病気として扱われていました。現在でも判明できないことがたくさんありますが、少しずつ解明されるようになってきています。そこで、判明したのが、膠原病は環境因子と呼ばれるものが誘因して引き起こすということです。具体的には、風邪やウイルスなどの感染症や、夏場の強い紫外線を長く浴び続けることが誘因となって発症します。日常生活にも注意が必要ですね。

3.膠原病の症状

膠原病は、全身にさまざまな不具合・不調が起こる特徴を持っています。主に、以下の症状が現れるでしょう。

  • 発熱
  • 体の痛み
  • 血管の所々に直径1cm程度の「動脈瘤」ができる
  • 体のしびれ
  • 発汗
  • 足に茶・紫色の斑点ができる

まずは、どのような症状が現れているのか把握することが大切です。

4.膠原病の経過と影響

膠原病の病状経過と影響、関連する病気・症状について説明します。

4-1.病状経過

初期症状として、原因不明の発熱・湿疹・関節の痛みなどが現れるでしょう。全身に症状が出てくるのが膠原病の特徴なので、最初から疑いを持つのは難しいところがあります。初期症状から少しずつ進行するたびに、脱毛・口内炎などの症状も出てくるでしょう。そして、目や口の中のかわき・握力の低下・手指のしびれ・爪の変形などが現れるのです。リウマチの場合は、関節の痛みや腫れがひどくなります。

4-2.影響について

放置すれば、症状が悪化し、全身にさまざまな症状が出てくるでしょう。病気の種類によって進行具合や症状は異なりますが、内臓に疾患が出た場合は注意が必要です。最悪な状態になれば、臓器不全に至って死亡する可能性もあります。

4-3.関連する病気・症状について

膠原病に似ている病気・症状はたくさんあります。膠原病は体のあちこちで炎症が起こり、くり返す病気が含まれているため、内臓に疾患が起こることも多いのです。そのため、膠原病とは異なる内臓疾患を疑うこともあります。また、不安感や抑うつ状態などの精神症状が現れて、膠原病とは知らずに精神科・神経科に通う方も多いのです。

5.膠原病の治療について

膠原病を治療するために必要な知識を身につけていきましょう。

5-1.病院へ行くべき症状

原因不明の症状が、全身のあちこちに現れた場合は、すぐに病院へ行ってください。少しでも異変が訪れた場合は、病院へ行き原因を追究しなければなりません。受診する際は、どこでどんな症状が現れているのか、明確に担当医師へ伝えましょう。

5-2.何科へ行けば良いのか?

子どもの場合は小児科、大人の場合は総合内科を受診してください。膠原病の疑いを考えている方は、膠原病内科か、膠原病・リウマチ内科を受診すると良いでしょう。総合内科を受診して原因や病名などが分かれば、適した診療科へ案内してくれます。

5-3.検査・診断方法

全身を診察した後、血液検査を行います。膠原病の場合は、特殊な抗体検査が必要です。陽性率が高い抗核抗体と呼ばれる検査や、リウマチ因子・DNA抗体検査が陽性かどうかを調べます。また、血液検査以外にも、レントゲン検査・胸部レントゲン検査なども行うでしょう。膠原病として診断するためには、いろいろな検査が必要となります。

5-4.治療方法

治療方法は、膠原病のうち、どのような病気になっているかで大きく異なります。主な治療法としては、副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイドホルモンを使用することになるでしょう。ステロイド治療と呼ばれている方法で、症状に応じて使用量を決めます。最初は少しの量から投与していき、少しずつ減量しながら様子を見ていくことになるでしょう。ただし、ステロイド治療は、食欲が過剰になる・白内障になりやすくなるなどの副作用が多いことでも有名です。治療を行う際は、きちんと担当医師の指示に従わなければなりません。

5-5.手術・入院・費用について

膠原病によって合併症が出てきた場合に、手術が必要になる可能性があります。たとえば、白内障を発症した場合は、その手術を行うことになるでしょう。一般的に、膠原病を治すために手術を行うことはありません。
ただし、ステロイド薬の服用量が1日当たり30mg以上になる場合は、細菌感染の危険を避けるために入院が必要となります。ステロイド薬を投与しながら、入院中にいろいろな検査を行うでしょう。
また、膠原病は特定疾患に認定されているため、患者として認定されれば医療費の一部、または全額が公費負担となります。自己負担額は、都道府県によって異なるので自治体にて確認したほうが良いでしょう。

5-6.投薬について

ステロイド治療として使われる種類は、プレドニゾロン・メチルプレドニゾロン・ベタメタゾン・デキサメタゾンなどです。最もよく使われるのは、プレドニゾロンとなります。ステロイド投与は、病態・症状を改善するために用いるもので、疾患を治すためのものではありません。しかし、実際に、ステロイド投与によって、膠原病の死亡率が大きく改善しました。ステロイド薬が使われるようになる以前は、膠原病の5年生存率が約20%だったのが、90%を超えるようになったのです。

5-7.注意点

適切な治療を受けるためには、膠原病のどの病気に当たるのか判明することが大切です。きちんと病名を突き止めなければ、原因も治療法も分かりません。「時間が経過すれば治る」と考えずに、病院できちんとした検査を受けてくださいね。

6.膠原病に関してよくある質問

膠原病に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.膠原病の治療で重要なこととは?
A.治療後のケアが最も重要だといわれています。膠原病は病状が安定した後でも、再び悪化する特徴があるので注意しなければなりません。再発しないように、紫外線を浴びすぎない・部屋を清潔にするなど、日ごろからできることをすすんで実行することが大切です。

Q.膠原病治療における公費負担制度を利用するためには?
A.国や地方自治体によって内容は異なりますが、手続きは地元の保健所で行うケースがほとんどです。保健所に設置されている所定用紙に必要事項を記入します。主治医が意見書として記載しなければならない箇所もあるため、病院に持って行きましょう。

Q.膠原病は完全に治るものなのか?
A.残念ながら、膠原病は完全に治りません。完全治癒はできませんが、適切な治療によって病状を安定させることができます。ステロイド薬を服用しながら、安定した状態で生活を送っている方も多数いらっしゃるので心配することはありません。いち早く、適切な治療を受けることが大切です。

Q.日常生活で気をつけるべきこととは?
A.膠原病は、ストレス・疲労感・睡眠不足などが悪化を招く要因となります。そのため、日ごろから規則正しい生活習慣を心がけてください。また、外出する際は、マスクをして感染予防に努め、紫外線カットのために帽子をかぶったり、日傘を使用したりと心がけることがたくさんあります。

Q.妊娠中の女性は治療が受けられるのか?
A.膠原病の治療として使われるプレドニゾロンは、胎盤で代謝される成分です。そのため、胎児への影響が少なく、妊娠時でも使うことができます。ただし、副作用が懸念されていることもあり、使用量には十分な注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか? 膠原病は、別名・全身性自己免疫性疾患と呼ばれている、自己免疫の異常からくる疾患の総称です。病名ではありませんので注意してください。明確な原因は判明していませんが、体質・素因、環境因子、免疫細胞の異常などが関係しているといわれています。特に、近年増えているのがストレスなど環境因子の影響です。病気に対してネガティブ思考になるほど、気持ちが落ちてしまい、悪循環に陥ります。心と体のケアを行っている「アタナハクリニック」では、直観医療を実施しているのでぜひご相談ください。直観医療とは、超感覚能力を使って体内臓器の物理的・エネルギー的な情報を読み取り、その情報に基づいて行う医療のことです。病気と向き合う姿勢を持ち、上手に付き合っていきましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』