亜急性皮膚エリテマトーデスとは?

亜急性皮膚エリテマトーデスとは? 治療方法も詳しく解説

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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「顔や腕に赤い発しんが出て気になる」「時々関節が痛くなる」など、亜急性皮膚エリテマトーデスの症状に悩んでいる人もいることでしょう。つらい症状は、早く適切な治療を受けて改善したいですよね。しかし、どんな病院で治療を受けるべきか・どんな治療方法を行うのかなど、よくわからないことも多いでしょう。そこで、今回は、亜急性皮膚エリテマトーデスについて、治療方法を含め詳しく解説します。

  1. エリテマトーデスについての基礎知識
  2. 亜急性皮膚エリテマトーデスとは?
  3. 亜急性皮膚エリテマトーデスの原因
  4. エリテマトーデスの診断と治療について
  5. 亜急性皮膚エリテマトーデスに関するQ&A

この記事を読むことで、亜急性皮膚エリテマトーデスに関する基本が身につき、適切な対応を取ることができるようになります。まずは、記事をじっくり読んでみてください。

1.エリテマトーデスについての基礎知識

最初に、エリテマトーデスの基本を解説します。

1-1.エリテマトーデスとは?

エリテマトーデスとは、全身にさまざまな病変が現れる病気で、膠原(こうげん)病のひとつです。エリテマトーデスの主な症状は、以下を参考にしてください。

  • 皮膚症状(発しん・蝶(ちょう)形紅斑・日光過敏など)
  • 関節炎
  • 肺障害
  • 肝障害
  • 腎障害
  • 神経症状

1-2.患者数など

エリテマトーデスの患者数は、6万~7万人規模におよびます。患者は、20~40代の女性が多いことが特徴です。症状が軽いために未受診である人を含めると、より多くの患者数になると予測できます。

1-3.エリテマトーデスの種類

エリテマトーデスの主な種類は、全身にあらゆる症状が現れるものと主に皮膚症状だけのものの2種類です。全身に症状が現れるものを全身性エリテマトーデス、皮膚症状が主なものは、亜急性皮膚エリテマトーデスと呼びます。両者の共通点は、皮膚の発しんや関節炎が現れる点です。

1-4.エリテマトーデスの症状の違いについて

エリテマトーデスであっても、種類によって症状が異なります。全身性エリテマトーデスは、全身にさまざまな症状が現れ、皮膚や関節だけでなく、内臓疾患も現れることが特徴的です。しかし、亜急性皮膚エリテマトーデスでは、神経疾患や腎疾患が見られることはほとんどありません。皮膚に発しんが出現した場合でも、全身性エリテマトーデスではない可能性が高くなります。

エリテマトーデスは、全身にさまざまな病変が現れる膠原病のひとつなんですね。
皮膚症状が主なものは、亜急性皮膚エリテマトーデスと呼びます。皮膚の発しんや関節炎が現れる点は共通しています。

2.亜急性皮膚エリテマトーデスとは?

亜急性皮膚エリテマトーデスについて、主な症状や全身性エリテマトーデスとの関連についてなどを解説します。

2-1.亜急性皮膚エリテマトーデスとはどんな病気?

亜急性皮膚エリテマトーデスとは、エリテマトーデスの一種で、顔や体・腕などに薄く赤みがかった発しんが出る病気です。若い女性に多く、悪化と寛解(かんかい)を繰り返しやすいという特徴があります。単なる湿しんやアレルギーと勘違いする例もあり、症状が進んでから受診する人も多く、病気の認知を促すことが必要です。

2-2.亜急性皮膚エリテマトーデスの主な症状

亜急性皮膚エリテマトーデスになると、主に以下の症状が現れます。

  • 顔・体・腕に「円形状の赤い発しん(中央部の色は薄い)」が見られる
  • 同じく「盛り上がりのある発しん」が見られる
  • 紫外線に当たった後に皮膚が赤くなる・炎症が起きる
  • 関節が痛む

2-3.全身性エリテマトーデスとの関連

亜急性皮膚エリテマトーデスの人は、約50%の人が全身性エリテマトーデスの症状も併発しています。当初は、亜急性皮膚エリテマトーデスとの診断を受けても、再度の血液検査などで全身性エリテマトーデスに該当していたという例もあるのです。発しんなどの皮膚症状や関節炎以外にも、気になる症状が出てきたときはただちに医師に相談してください。

2-4.注意すべき症状や考えられる病気など

亜急性皮膚エリテマトーデスの症状となる発しんは、ほかの病気でも見ることができるものです。亜急性皮膚エリテマトーデス特有の症状があっても、自己判断せず、医師の診断を受けてください。エリテマトーデスでも、全身性である可能性もあります。いずれにしても、いつもと違う症状や進行の疑いがあるときは速やかに受診しましょう。

顔や体・腕などに薄く赤みがかった発しんが出る病気が、亜急性皮膚エリテマトーデスなんですね。
亜急性皮膚エリテマトーデスの人は、約50%の人が全身性エリテマトーデスの症状も併発しています。発しんなどの皮膚症状や関節炎以外にも、気になる症状が出てきたときはただちに医師に相談するようにしましょう。

3.亜急性皮膚エリテマトーデスの原因

亜急性皮膚エリテマトーデスの原因を詳しく解説します。放置するとどうなるかについても、併せて学びましょう。

3-1.亜急性皮膚エリテマトーデスの原因

亜急性皮膚エリテマトーデスは、自己免疫システムが暴走することで起こると言われています。しかし、何が引き金になっているのかはハッキリ解明されていません。現在のところ、遺伝要素が強いという見方が高まっています。家族に亜急性皮膚エリテマトーデスの人がいる場合、発症する確率が高くなると覚えておきましょう。

3-2.亜急性皮膚エリテマトーデスを放置するとどうなる?

亜急性皮膚エリテマトーデスは、放置して自然に治ることはありません。症状が悪化するだけでなく、関節や内臓の不調など全身症状が現れる場合もあります。放置せず、速やかに治療を受けてください。また、投薬治療中は、医師の指示に従って量・タイミングを守って服用することが大切です。自己判断で服薬をやめてしまうことはやめてください。

原因は自己免疫システムの暴走なんですね。
何が引き金になっているのかは解明されていませんが、遺伝要素が強いという見方が高まっています。家族に亜急性皮膚エリテマトーデスの人がいる場合、発症する確率が高くなると覚えておきましょう。

4.エリテマトーデスの診断と治療について

エリテマトーデスの診断と治療について詳しく解説します。

4-1.病院へ行ったほうがいい場合

以下の症状が見られるときは、すぐに病院に行きましょう。

  • 皮膚の発しんが時間の経過と共に広がってくる
  • 全身のこわばり・関節の痛みがひどい
  • 腹痛やはき気がひどい
  • 息苦しい・胸が痛む
  • 意識がハッキリしない

4-2.エリテマトーデスの診断方法や診断基準

エリテマトーデスの診断は、医師による問診および視診のほかに以下の検査結果を判断して行います。

  • 赤血球沈降速度検査
  • 尿検査
  • 末梢(まっしょう)血血液検査
  • 免疫血清検査
  • 胸部X線検査
  • 心電図検査

特に、免疫血清検査で抗DNA抗体と補体の値が高いことが有力な診断基準となります。

4-3.エリテマトーデスの治療方法

エリテマトーデスの治療は、主に投薬により行われます。過剰反応を起こしている免疫システムを正常にし、炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬を使用する方法です。また、効果が見られない場合は、パルス療法(副腎皮質ステロイド薬の大量投与)や免疫抑制薬を使用する方法に移行します。

4-4.投薬・手術・そのほかの治療方法について

亜急性皮膚エリテマトーデスは、投薬治療(外用薬および内服薬)が主体であり、手術を行うことはありません。そのほかにも、大きなストレスにより自己免疫システムが狂うという考えから、カウンセリングなどの心理療法を併せて行うケースもあります。なお、紫外線への過剰反応が症状をひどくするため、徹底的に対策をすることも有効です。

4-5.病院探しについて

まずは、皮膚科を受診してください。症状によって、エリテマトーデスの疑いが濃厚になった場合は、総合病院など、より正確な検査や診断を受けられる機関に紹介してもらえます。適切な治療を早く受けるためにも、気になる症状があるときはすぐに受診しましょう。なお、当アタナハクリニックでも、エリテマトーデスの治療を行っています。できるだけ薬に頼らない方法で改善を目指していますのでぜひご相談ください。

治療方法は主に投薬によって行われるんですね。
炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬を使用します。大きなストレスにより自己免疫システムが狂うという考えから、カウンセリングなどの心理療法を併せて行うケースもあります。

5.亜急性皮膚エリテマトーデスに関するQ&A

最後に、亜急性皮膚エリテマトーデスに関するよくある質問に回答します。不安や疑問を解決するのに役立ててください。

Q.母親が亜急性皮膚エリテマトーデスである場合、子どもは必ず発症するのですか?
A.必ずではありませんが、発症する可能性は高いと言えます。亜急性皮膚エリテマトーデスの発症は、遺伝子が関連するという見方が大きいからです。遺伝子検査を受けることで発症しやすいかどうかを確かめることもできます。心配な場合は、専門医に相談してください。

Q.亜急性皮膚エリテマトーデスの患者はプールに入ってもいいですか?
A.特に問題ありません。ただし、プールは屋外型を避けてください。屋内型であっても、窓越しに日光が当たる場所は避けることが大切です。なお、発しんがひどいときなどは、症状が悪化しやすいのでやめておきましょう。プールを使用した後は、きちんと外用薬を塗ってください。

Q.亜急性皮膚エリテマトーデスの人が日常生活で気をつけることは?
A.日光に当たらないように、屋外での対策は元より、家の中でも気をつけてください。たとえば、窓には紫外線カット効果の高いガラスを使用する・遮光カーテンを使う・家の中でも紫外線ケアクリームを塗るなどです。うっかり紫外線に当たってしまうと、発しんなどがひどくなるので十分に注意しましょう。

Q.投薬治療の効果が無い場合はどうすればいいですか?
A.まずは、医師に相談してください。投薬治療の効果は、個人差が大きいため経過観察をしながら進めます。現在使用中の薬が合わない場合は、医師の判断によって種類を変更することになるでしょう。

Q.亜急性皮膚エリテマトーデスは完治しますか?
A.現時点では、完治は難しいと考えてください。亜急性皮膚エリテマトーデスの治療方法は、外用薬・内服薬による投薬治療であり、対症療法となります。原因がハッキリ断定できていないため、完治に至る治療方法が未確立なのです。症状が悪化しないようにコントロールしながら、気長に治療を続けましょう。

心配だったことがわかったので少し安心しました。ありがとうございます。
よかったです。くれぐれも放置せずに、適切な治療を受けるようにしてくださいね。

まとめ

今回は、亜急性皮膚エリテマトーデスについて、治療方法を含め、詳しく解説しました。亜急性皮膚エリテマトーデスは、皮膚の発しんや関節炎などが中心になります。もしも、気になる症状があるときは、早めに病院を受診してください。投薬治療によって、つらい症状をやわらげることができます。適切な治療を受けずに放置すると症状が悪化し、治りづらくなるので注意しましょう。亜急性皮膚エリテマトーデスの治療は、専門医がいる病院で受けることが理想的です。なお、治療を続けても効果が出ない・病院の治療方針に疑問がある場合は、ほかの病院にセカンドオピニオンを求めることも考えましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』