線維筋痛症の治療にかかる医療費

線維筋痛症の治療にかかる医療費の助成制度とは? 患者負担はどのくらい?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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線維筋痛症とは、検査をしても何の異常が出ないにも関わらず身体のあちこちに激しい痛みが出る病気です。はっきりとした原因は不明で、症状が重くなるとほぼ寝たきりになってしまうこともあります。線維筋痛症は完治までに時間がかかることが珍しくなく、患者さんの中にはかさむ医療費に悩んでいる人も珍しくありません。しかし、線維筋痛症は条件によっては医療費の助成を受けることができます。
今回は、医療費の助成制度を中心に、線維筋痛症について解説しましょう。

  1. 線維筋痛症の基礎知識
  2. 線維筋痛症の治療方法
  3. 線維筋痛症の医療費助成について
  4. 線維筋痛症の医療費助成に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、線維筋痛症を発症した際、受けることができる国や自治体からの補助の内容がよく分かります。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.線維筋痛症の基礎知識

医療費の助成について説明する前に、線維筋痛症とはどのような病気かということを解説します。痛み以外にも症状はあるのでしょうか?

1-1.線維筋痛症の概要

前述のとおり、線維筋痛症とは身体の一部、もしくは全身に強い痛みを感じる病気です。痛む場所や強さは人によって異なりますが、重症化すれば日常生活を送ることも困難になることも珍しくありません。寝たきりになる人もいます。また、日によって痛む箇所が変わったり痛みの強弱に波がある人もあり、「次はどこが痛むのか」と不安になる人も多いのです。
痛みのほかの症状として、、だるさや倦怠感・睡眠障害・抑うつ症状などが症状として現れることがあります。厚生労働省の発表によると、患者数は約200万人であり、20~60代の女性に発症しやすいそうです。また、10歳前後の子どもが線維筋痛症を発症した場合は、若年性線維筋痛症と呼ばれ、こちらは現在厚生労働省の指定難病になっています。

1-2.線維筋痛症の特徴や原因

線維筋痛症は、患者さんが強い痛みを訴えていても、レントゲン検査や血液検査・CT検査等には異常が出ないということが最大の特徴です。ですから、心因性の病気や気のせい・仮病などと誤診されることも多く、治療法も確実なものがありません。家族にさえ理解を得られず、孤立する患者さんもいます。
また、線維筋痛症の原因も不明です。手術・ケガ・病気などで何らかの強い痛みを感じたことがある経験や、ストレスなどによって脳が誤作動を引き起こし、痛みを感じる神経が過敏になっているのではないかという説が有力ですが、まだ仮説にすぎません。ただし、ストレスが症状を悪化させることはほぼ間違いないでしょう。

1-3.線維筋痛症の進行具合について

線維筋痛症の症状は、以下のようにステージ1~5まで分類されています。

  • ステージ1:痛みはあるが、日常生活は特に問題ない
  • ステージ2:痛みに加えて、不安・不眠・うつ状態などの症状が出はじめ、日常生活が困難になり始める
  • ステージ3:爪や髪へのささいな刺激でも痛みを感じるようになって、日常生活が大変困難になる
  • ステージ4:自分の体重が痛みを引き起こす原因となり、長時間同じ姿勢を保てなくなる。寝たきりになる人も。
  • ステージ5:全身の痛みに加えて目の乾きや尿路感染などが発症する危険性があり、日常生活はほぼできなくなる

ステージ2以上になるとうつ病のような症状が出始め、ステージ3以降は日常生活が困難になるでしょう。

1-4.線維筋痛症と間違われやすい病気

近年は、線維筋痛症に対する認知も広がってきました。しかし、全身に痛みが出るということや、検査結果に異常がないということで、関節リウマチや心因性の病気などと誤診されることも珍しくありません。現在、繊維筋痛症はペインクリニックや心療内科・整形外科で診断や治療が受けられますが、治療実績のある病院を受診することが大切です。最近はホームページを開設している病院も多いので、線維筋痛症の治療を行っているならば、その旨が記載されているでしょう。病院選びの参考にしてください。

1-5.線維筋痛症の診断基準

現在、線維筋痛症の診断は、米国リウマチ学会の診断基準に基づいて下されます。

  • 全身の広範囲にわたる痛みが3か月以上続いていること
  • 全身18か所の圧痛点のうち、11か所以上に痛みがあること

上記2点が当てはまれば、線維筋痛症と診断されるでしょう。圧痛点は、後頭部・肩・背中・胸部・腹部・臀部・太ももなど全身にあり、圧迫して痛みを感じるかどうかを調べることで、痛みの範囲や強さを知ることができます。また、線維筋痛症は検査をしても異常が出ませんが、関節リウマチなどと誤診しないために血液検査やレントゲン検査も行われることが一般的です。