微熱が続くのは慢性疲労症候群が原因

微熱が続くのは慢性疲労症候群が原因? 対処法・予防法を解説

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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微熱とは、37℃以上38℃未満の熱を指します。風邪をひいた場合、このくらいの熱がよく出るという人もいるでしょう。頭痛やだるさといった症状が出ることも多いですが、意識ははっきりしており、「このくらいの熱なら」と仕事をする人もいます。一晩寝れば熱が下がるようならば、問題ありません。しかし、微熱が続く場合は風邪以外の重い病気が隠れている場合があります。
そこで、今回は微熱が続く原因や病院を受診する基準、治療法などを解説しましょう。

  1. 微熱の基礎知識
  2. 慢性疲労症候群とは?
  3. 慢性疲労症候群の治療方法
  4. 微熱や慢性疲労症候群に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、安静にしていれば治る微熱と、病院を受診した方がよい微熱の違いも分かります。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.微熱の基礎知識

はじめに、微熱が出る原因や対処法、注意しなければならない微熱などを解説します。なぜ、熱が出るのでしょうか?

1-1.微熱の定義

前述のとおり微熱とは、37℃以上38℃未満の発熱のことです。平熱が36℃台ですから、やや高い熱といえるでしょう。38℃近くになればだるかったり悪寒がしたりしますが、37℃台前半ならば「ちょっと調子が悪いかな」と思う位の人もいます。ただし、平熱が35℃台と低い場合は、37℃でもかなりつらく感じることがあるでしょう。

1-2.微熱の原因

微熱は、風邪をはじめとする軽度の感染症や内臓の炎症・関節リウマチなどで起こります。風邪をはじめとする感染症が原因の場合は、一晩寝ればすっきりと下がることが多いでしょう。このような微熱は心配いりません。逆に、十分休養を取っても熱が下がらない場合や、1週間以上熱が上がったり下がったりをくり返すようならば、重大な病気の可能性もあります。

1-3.病院受診したほうがよい場合とは?

休養を取っても微熱が1週間以上続いている場合や、頭痛・腹痛・鼻づまり・だるさ・不眠・関節痛などの症状が併せて現れている場合は、一度病院を受診しましょう。微熱が出る病気はたくさんありますが、前述したような症状も併せて1週間以上続いている場合は、臓器や関節が炎症を起こしている可能性があります。また、熱はそれほど高くないのにだるさや疲労感で体が動かないという場合は、慢性疲労症候群の可能性もあるでしょう。病院は、まず内科を受診しましょう。ただし、手や足の関節が複数箇所痛むという場合は、整形外科を受診したほうが病名が早く特定できる可能性があります。

微熱でも病院に行ったほうがいい場合があるんですね。
思わぬ病気が潜んでいる可能性もあるので微熱が続く場合は放置せず病院に受診してください。

2.慢性疲労症候群とは?

この項では、微熱が続く病気の一つである慢性疲労症候群について解説します。どのような病気なのでしょうか?

2-1.慢性疲労症候群の定義

慢性疲労症候群とは、生活に影響が出るほど強い疲労感・頭痛・微熱・筋肉痛などの症状が6か月以上続く病気です。この中でも特に強い疲労感を覚える患者さんが多く、症状が重い場合は寝たきりになる人もいます。普通の疲労が休養したり眠ったりすれば取れるのに対し、慢性疲労症候群は眠ったり休んだりしても、疲労感が取れません。特に、20代~50代の女性の発症しやすく、厚生労働省の調査によると、現在日本には推定30万人の患者がいると言われています。

2-2.慢性疲労症候群の原因や怖さ

慢性疲労症候群の原因は、現在のところ不明です。発症時に発熱・のどの痛み・リンパの腫れなどを訴える患者さんが多いことから、何らかの細菌感染が発症の引き金になるのではないかという仮説が立てられていますが、科学的に立証はされていません。また、クラミジア・マイコプラズマ・トキソプラズマ・カンジダなどに感染したことをきっかけに慢性疲労症候群を発症したという例も報告されています。こちらは、「感染後慢性疲労症候群」と呼ばれ、区別されているのです。また、過度のストレスが発症の引き金になっているのではという説もあります。

慢性疲労症候群は、レントゲン検査や血液検査・ホルモン検査・CT検査などを行っても、特に異常はありません。そのため、仮病と疑われることも多く、精神的につらい毎日を送っている人もいるでしょう。

2-3.慢性疲労症候群のセルフチェック

以下のような症状が現れている場合は、慢性疲労症候群の可能性があります。

  • 微熱が続き、体がだるい
  • 少し家事や仕事をすると、立っていられないほど疲れてしまう
  • 夜は早く寝ているのに、疲れが取れない
  • 病院を受診しても、異常が見つからなかった
慢性疲労症候群は原因不明なんですか。仮病と疑われてしまうのはつらいですね。
セルフチェックで多く該当する場合は慢性疲労症候群の可能性があるので、医師に相談してみましょう。

3.慢性疲労症候群の治療方法

この項では、慢性疲労症候群の治療方法を解説します。どのような治療方法があるのでしょうか?

3-1.慢性疲労症候群の診断基準

前述のとおり、慢性疲労症候群はレントゲン検査や血液検査では異常が見つかりません。そこで、厚生労働省が1991年に作成した診断基準を基に診断が下されます。

  1. 日常生活に支障が出るほどのだるさが、6か月以上くり返し発症している
  2. 検査の結果、ほかに病気がないことがはっきりとしてる
  3. 微熱・のどの痛み・リンパの腫れなどがある
  4. 筋肉痛・筋力低下などの症状が出ている
  5. 思考力の低下やうつ状態などの神経症状が出ている
  6. 関節痛がある
  7. 過眠・不眠などの睡眠障害がある
  8. 運動後にけん怠感が24時間以上続く

以上、8項目のうち1・2の症状を自覚し、3~8の症状のうち、4つ以上当てはまれば慢性疲労症候群です。また、これに併せて現在はPS値(パフォーマンスステータス)の数値も診断基準に加えられます。PS値とは、社会的な生活が送れるかどうか、身の回りのことがどの程度自分でできるかどうかを表わす数値で、患者さんの状態を客観的に判断するために用いられるものです。0~9までの10段階に分類されており、数字が大きくなるほど社会生活が困難になります。PS値は3以上ならば、慢性疲労症候群です。

3-2.治療している診療科

慢性疲労症候群はまだ治療を行っている病院が少ないので、診療科を問わず、治療実績がある病院を受診することが大切です。慢性疲労症候群の治療を行っているとホームページに記載している病院をピックアップし、通いやすい病院を選びましょう。

3-3.治療方法

慢性疲労症候群は、原因がはっきりと分かっていないため、治療法も確立されていません。そのため、病院によって治療方法が異なります。また、患者さんによっては抗うつ剤などの薬剤が効果的なこともあるので、投薬治療を行っている病院は多いでしょう。また、患者さんの思考の偏りや認知のゆがみを自覚してもらい、症状の改善や生活の質を上げる認知行動療法や、段階的に運動量を増やしていく段階的運動プログラムを行っている病院もあります。どのような治療法にしろ、効果が出るまで一定の時間はかかるでしょう。また、患者さんによって効果が出やすい治療と出にくい治療があります。

いまのところ治療方法は確立されていないんですね。
そうですね。ですから、慢性疲労症候群の治療実績がある病院を選ぶことをおすすめします。

4.微熱や慢性疲労症候群に関するよくある質問

Q.微熱の場合は、解熱剤を使っても大丈夫ですか?
A.問題ありませんが、薬の効果が切れたら再び熱が上がってくる場合は、何度も使用するより病院を受診しましょう。

Q.平熱が36℃台後半とかなり高いのですが、それでも37℃を超えたら微熱ですか?
A.体温が高めの場合や低めの場合は、平熱の平均に1℃足した場合が微熱と考えましょう。

Q.子どもの場合も、37℃から微熱ですか?
A.幼児の場合は37.5℃から発熱と考えます。

Q.慢性疲労症候群は完治しないのですか?
A.ほとんど症状が現れないくらいまで改善することはできます。

Q.男性でも慢性疲労症候群を発症するのでしょうか?
A.はい。患者数は少ないのですが発症しないというわけではありません。

これで気になっていたことがわかりました。
微熱だからと放置したりせず、しっかりと対処するようにしましょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は微熱が続く原因や対処方法などを改善しました。多くの場合、微熱は十分な休養と栄養を取っていれば改善します。しかし、1週間以上上がったり下がったりをくり返す場合は、まず内科を受診してください。重要な病気が隠れている場合があります。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』