マイコプラズマの症状

マイコプラズマの症状は? 風邪との見分け方をしっかりチェック!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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近年、マイコプラズマによる感染症にかかる人が増えてきています。肺炎を引き起こすこともあるため、特に小さい子どもは注意が必要です。マイコプラズマは一般の細菌とまったく異なる性質を持っているため、ペニシリン系の抗生物質が効きません。「咳が長く続いている」「風邪だと思っていたがなかなか治らない」というときは、その症状を慎重にチェックしてください。放置しておくと入院が必要な状態になることもあるため、早めの治療が必要です。

この記事では、マイコプラズマの症状や治療法・予防法などをまとめてご紹介します。

  1. マイコプラズマの基礎知識
  2. マイコプラズマの症状
  3. マイコプラズマをセルフチェックしよう
  4. マイコプラズマ感染症の治療について
  5. マイコプラズマの予防法
  6. マイコプラズマに関するよくある質問

この記事を読むことで、マイコプラズマについて詳しく分かるはずです。ぜひ参考にして早めに対処してください。

1.マイコプラズマの基礎知識

マイコプラズマの基礎知識

まずは、マイコプラズマの特徴や感染力などをまとめました。

1-1.マイコプラズマとは?

マイコプラズマは細菌とウイルスの中間に位置する微生物で、1898年に病原体として発見されました。マイコプラズマに感染すると最初は風邪のような症状が現れ、咳が長く続きます。症状がすすむと肺炎を起こし、激しい咳や発熱といった症状が現れるようになるのです。
また、近年になって肺炎以外にも、マイコプラズマが原因の一つとなって起こる疾患が数多くあることが分かってきています。たとえば、関節リウマチや線維筋痛症・川崎病・橋本病なども、マイコプラズマが関係する病気です。

1-2.特徴

マイコプラズマは通常の風邪やインフルエンザに比べて潜伏期間が長く、2~3週間あります。流行が終わったころに発症することもあるため、注意する必要があるでしょう。感染力はインフルエンザほど強くありませんが、一人が感染したら家族全員にうつってしまったという例も珍しくありません。マイコプラズマの怖い点は、初期の自覚症状があいまいであるということです。特に大人は高熱が出ないことも多いため、感染していることに気づかずに出勤し、感染を広げてしまうこともあるでしょう。肺炎に移行してからようやく受診し、治療を開始する人も多いのです。また、通常の細菌感染時に使用されるペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効きません。マイコプラズマに感染していることが確定した時点でマクロライド系などの抗生物質が使用されることになるため、完治まで時間がかかりがちです。

1-3.なりやすい人や時期について

マイコプラズマは子どもも大人も感染しますが、特にマイコプラズマ肺炎を発症しやすいのは6~12歳の子どもといわれています。5歳以下だと感染しても肺炎として発症することは少ないのです。また、マイコプラズマには流行(りゅうこう)の波があり、その年によって流行(りゅうこう)時期は異なります。基本的には12~1月の冬場がピークですが、1年を通して発生が報告されているため、油断はできないでしょう。

2.マイコプラズマの症状

マイコプラズマの症状について

マイコプラズマの主な症状や風邪との違いなどをまとめました。

2-1.さまざまな症状・特徴

マイコプラズマに感染すると、潜伏期間を経て発熱や頭痛・だるさなどの症状が現れます。この時点では風邪と勘違いする人がほとんどでしょう。その後、乾いた咳が3~4週間ほど続くのがマイコプラズマの特徴です。病院で処方された薬を服用しても症状がよくならない場合、咳が悪化していく場合は、マイコプラズマ肺炎を疑うべきでしょう。

2-2.風邪との違い

マイコプラズマは発熱から症状が始まることが多いのですが、一般的な風邪との違いは熱の出方にあります。「昼間は熱が下がっていても夜になると上がってくる」というように、1日のうちでも熱が上下するのが特徴です。完全に熱が下がるまで1週間~10日ほどかかる場合もあるため、その点で風邪との違いに気づく人も多くなっています。

2-3.大人と子どもの違い

大人の場合は発熱や頭痛などの症状がなく、咳とだるさだけが続く場合も多いでしょう。そのため、病院を受診せず、悪化するまで気づかないという例も少なくありません。大人は子どもに比べて重症化しやすいため、早めに判断することが大切です。

2-4.注意点

マイコプラズマの場合、明確な出席停止期間が提示されているわけではありません。そのため、発熱していなければ登校・出勤する人がほとんどでしょう。しかし、感染症である以上は人にうつす可能性があります。医師の許可が出るまでは外出を控え、咳が残っている場合はマスクを着用して登校・出勤するようにしましょう。

3.マイコプラズマをセルフチェックしよう

マイコプラズマをセルフチェック

自分の症状がマイコプラズマかどうかをチェックするために、以下の項目をチェックしてみてください。当てはまる項目が多いほど、可能性は高くなります。

  • 咳が1週間以上(大人の場合は1か月以上)続き、日に日に悪化している
  • 38℃台の発熱が3~4日続いている
  • 頭痛やだるさがある
  • 特に、夜中や早朝によく咳が出る
  • 耳痛や咽頭痛がある
  • 嘔吐や下痢がある
  • 口臭が強くなった

4.マイコプラズマ感染症の治療について

マイコプラズマ感染症の治療について

マイコプラズマ感染症にかかった際の治療についてご紹介しましょう。

4-1.病院へ行くべき症状とは? 何科を受診するのか?

咳が長引いていて日に日に悪化している場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。特に小さな子どもの場合は、咳以外にも38℃以上の熱が3日以上下がらないとき、顔色が悪くぐったりしているときなどは受診が必要です。大人の場合は、「呼吸が苦しい」「意識がもうろうとする」などの症状があるときは注意が必要になります。肺炎を起こしている可能性があるため、早めに病院へ行きましょう。マイコプラズマ感染が疑われる場合、内科または呼吸器内科を受診してください。子どもの場合は小児科を受診しましょう。

4-2.検査、診断方法

マイコプラズマ肺炎を診断するために、主に以下の検査が行われます。

  • 血液検査:マイコプラズマに対する抗体が上昇しているか調べる
  • LAMP法:喉から検体を採取し、病原体がいるか調べる
  • 迅速検査:現在の主流である検査方法。喉から検体を採取し、15~20分で診断可能

4-3.治療方法

マイコプラズマの治療は、抗生物質を用いて行われます。近年は薬剤に耐性のあるマイコプラズマも増えてきているため、経過を観察しながら慎重に処方されることになるでしょう。咳や鼻水の薬が同時に処方されることもあります。抗生物質を飲みながら自宅で安静にしていれば、3~4週間ほどで症状がなくなる場合がほとんどです。しかし、呼吸困難や脱水を起こしている場合などは、入院治療が必要になることもあります。

4-4.薬について

マイコプラズマに対して処方されるのは、主にマクロライド系の抗生物質です。幅広い細菌に効果があるため、中耳炎や気管支炎などの治療にも使われる薬となっています。服用期間は10日ほどと長めになることが多くなりますが、最後までしっかり飲むようにしてください。マクロライド系の抗生物質が効かない場合は、ニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質が使われます。また、肺炎の症状が重症だとステロイド剤の使用が検討されることになるため、症状をしっかり観察した上で再受診することも必要です。

4-5.注意点

病院で処方された抗生物質を飲みながら、自宅でのケアもしっかりと行いましょう。部屋の湿度を保つこと、こまめに換気することを忘れないでください。また、食欲不振や吐き気・下痢などの症状が出ているときは、脱水症状に気をつけましょう。喉への刺激が少ないお茶やお湯などを少量ずつ飲み、食事も消化のよいものを食べるようにしてください。

5.マイコプラズマの予防法

マイコプラズマの予防法

マイコプラズマは症状が長引くつらい病気です。普段から予防のために対策をしておきましょう。

5-1.予防のための対策は?

マイコプラズマは感染力があまり強くないため、少しの工夫で予防することは十分に可能です。外出時にはマスクを着用し、帰宅時には手洗いとうがいを徹底しましょう。また、免疫力を落とさないために、十分な睡眠と栄養をとることも心がけてください。マイコプラズマは飛沫(ひまつ)・接触感染するため、家族が感染した場合は食器やタオルなどを分けて使うようにしましょう。

5-2.注意点

マイコプラズマは抗体が長く持続しないため、一回かかっても再び感染することがあります。「去年かかったので今年は大丈夫」ということはないのです。マイコプラズマが流行(りゅうこう)する時期には、特に注意して予防対策を行ってください。

6.マイコプラズマに関するよくある質問

マイコプラズマの合併症

「マイコプラズマについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.マイコプラズマの合併症にはどのようなものがありますか?
A.脳炎や脳症、じんましん、肝炎などの合併症を起こす場合があるでしょう。また、ぜん息を持っている人がマイコプラズマにかかると悪化する危険があるため注意が必要です。

Q.マイコプラズマが「オリンピック病」と呼ばれていたのはなぜでしょうか?
A.以前は夏季オリンピックのある年に大流行(だいりゅうこう)していたため、そのように呼ばれていたのです。現在は毎年のように流行(りゅうこう)するようになってしまったため、「オリンピック病」と呼ばれることは少なくなりました。

Q.マイコプラズマは自然治癒することもあるのですか?
A.比較的症状が軽ければ、3週間ほどで自然治癒することもあります。ただし、重症化や合併症には十分注意しましょう。

Q.マイコプラズマの迅速検査の結果は100%間違いありませんか?
A.100%とはいえないでしょう。検査の仕方によっては正確に判定できないこともあります。また、検査する時期によっても感度が低下することがあるでしょう。

Q.マイコプラズマにかかってしまったときは、どのような食事がおすすめですか?
A.プリンやヨーグルト・ゼリー・すりおろしたリンゴなど、栄養価が高く喉に刺激が少ないものがよいでしょう。煮込みうどんや豆腐・鶏のささみなど、消化のよいものと組み合わせて食べるのがおすすめです。

まとめ

マイコプラズマの解説

いかがでしたか? マイコプラズマの症状や原因・治療法などを詳しくご紹介しました。マイコプラズマは初期症状が風邪と似ているため、早期診断が難しい病気です。気づくのが遅れると長期間つらい思いをすることになるため、慎重に症状を観察して早めに病院を受診することをおすすめします。ぜひこの記事を参考にして、マイコプラズマの予防を実践してみてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』