むずむず脚症候群で眠れない? その理由や治療方法を一挙解説!

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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むずむず脚症候群とは、足の内側に何ともいえない不快感を覚える病気です。布団に入っているときなど、リラックスしているときに症状が出やすいので、不眠に悩まされる人も珍しくありません。症状が強く出るとじっとしていられず、脚の中に手を突っ込んでかきむしりたいような衝動にかられる人もいます。

今回は、むずむず脚症候群の原因や治療法について解説しましょう。

  1. むずむず脚症候群の基礎知識
  2. むずむず脚症候群と不眠との関係
  3. むずむず脚症候群のセルフチェック
  4. むずむず脚症候群の治療方法
  5. むずむず脚症候群に関するよくある質問
  6. おわりに

この記事を読めば、むずむず脚症候群の特徴や症状についてもよく分かります。脚の違和感を感じて眠れないという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.むずむず脚症候群の基礎知識

はじめに、むずむず脚症候群の症状や原因を解説します。どのような病気なのでしょうか?

1-1.むずむず脚症候群とはどのような病気?

前述したように、むずむず脚症候群とは脚の内側にむずむずするような違和感・不快感を覚える病気です。人によって不快感の覚え方は差がありますが、ひどい場合はじっとしていられないほどの苦痛が伴うことがあります。また、人によってはお尻やおなか・肩などに症状が現れることもあるでしょう。

1-2.症状が現れやすい時間帯とは?

むずむず脚症候群は、入眠間際などリラックスしているときに症状が強く現れやすいのも特徴です。そのため、毎夜脚の強い不快感に悩まされ、眠れないという人も多いでしょう。

1-3.むずむず脚症候群の原因

むずむず脚症候群には、一次性(突発性)と二次性(持続性)があります。二次性のむずむず脚症候群は、鉄欠乏性貧血・慢性腎不全・パーキンソン病といった病気の合併症として発症することが大半です。45歳以上になってむずむず脚症候群を発症した場合は、ほとんどが二次性でしょう。また、妊娠や月経などの際も鉄欠乏性貧血になりやすく、むずむず脚症候群を発症する人もいます。二次性の場合は、薬を変えたり病気の症状が改善するにつれ、むずむず脚症候群の症状も出なくなることが多いでしょう。
一方、一次性(突発性)のむずむず脚症候群の原因はまだ不明です。鉄分の欠乏やドーパミンが不足することによる神経機能障害が原因と考えられていますが、発症するタイミングなどはまだ分かっていません。また、むずむず脚症候群を発症させる遺伝子があるのではないかという仮説も立てられています。子どものむずむず脚症候群の患者は、80%以上が遺伝ではないかと言われているのです。一次性のむずむず脚症候群の患者は若い年代が多く、ほとんどが45歳以下で発症します。

1-4.日本の患者数やかかりやすい人

むずむず脚症候群は、日本の全人口の2~5%、20人~50人に1人が発症する病気といわれています。患者数は40代~70代が多く、女性の方が男性よりも1.5倍ほど発病しやすい病気です。特に、二次性のむずむず脚症候群は妊娠中に発症しやすく、妊婦の約二割がむずむず脚症候群に悩ませられていると言われています。

2.むずむず脚症候群と不眠との関係

1でご紹介したように、むずむず脚症候群の症状は入眠時などリラックスしているときに強く現れます。そのため、眠ろうと布団に入ったら足の違和感が強くなり、眠れなくなる人も多いでしょう。このような状態が続けば、不眠症になることもあります。また、不眠症からうつ病に移行するケースも珍しくありません。さらに、睡眠不足は心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中などの心血管疾患の原因となることもあります。ですから、「たかが足の違和感くらいで」と思っていると命に関わることもあるでしょう。

3.むずむず脚症候群のセルフチェック

自分がむずむず脚症候群ではないかと思う人は、以下の項目に当てはまることがあるかどうかチェックしてみましょう。

  • 脚の内部がかゆい・むずむずする・チクチク痛いといった感覚を得ることがある
  • 脚の不快感は、寝る間際などリラックスしているときに強く現れる
  • 脚を動かす、歩きまわるなどすると症状が軽減する
  • 脚の不快感で眠れないこともある
  • 何かに集中しているときは、脚の不快感は表れにくい

当てはまる項目が多いほど、むずむず脚症候群の可能性が高くなります。

4.むずむず脚症候群の治療方法

この項では、むずむず脚症候群の治療方法や自分でできる対策方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.むずむず脚症候群を治療してくれる病院とは?

むずむず脚症候群は、睡眠障害の一種に分類されています。ですから、日本睡眠学会の睡眠医療認定機関を受診しましょう。呼吸器科や神経内科・精神科・睡眠障害クリニックなどです。病院のホームページをチェックすれば、むずむず脚症候群の治療実績がある病院もすぐに分かります。皮膚科や整形外科などを受診しても専門外なので、むずむず脚症候群が見逃されることもありますから、注意しましょう。なお、妊娠中の場合はまずかかりつけ医に相談してください。

4-2.診断方法

むずむず脚症候群が疑われるときは、血液検査・下肢静止検査・終夜睡眠ポリグラフ検査のほか、自覚症状や既往歴(今までかかった病気について)・家族歴などの問診を行います。また、不随意運動(意識せずに手足が動く異常行動)の有無も問われるでしょう。その結果に基づき、むずむず脚症候群の診断が下ります。

4-3.治療方法

むずむず脚症候群の治療は、抗てんかん薬・ドーパミン受容作動薬などを用いた薬物治療や生活習慣の改善・運動療法などが用いられます。うつ病の治療薬の副作用などでむずむず脚症候群の症状が出ることもあるので、その場合は薬を変えて様子を見ることが多いでしょう。

4-4.自分でできる対策

自分で行えるむずむず脚症候群の対策には、以下のようなものがあります。

  • レバー・ひじき・貝類などの鉄分を多く含む食品を食べる
  • カフェインの接種・飲酒・喫煙などを控える(特に夕刻以降)
  • 寝る前に軽く足をマッサージする
  • 適度な運動をする、ただし激しすぎる運動は逆効果
  • 寝る前は刺激を避け、快適な睡眠になるように心がける
  • パーキンソン病・腎臓病・うつ病などを患っている場合は、かかりつけ医と相談し投薬の内容を変更したりする

このようなことを実行すれば、むずむず脚症候群やそれに伴う不眠の改善効果が期待できます。

5.むずむず脚症候群に関するよくある質問

Q.むずむず脚症候群とよく似た病気にはどのようなものがありますか?
A.線維筋痛症や下肢の血管疾患などを発症しても、脚の違和感や不快感を覚えることがあるでしょう。

Q.むずむず脚症候群の症状改善にはどのくらいの時間がかかりますか?
A.個人差がありますが、薬物治療を始めれば1~2週間で症状改善が見られるでしょう。

Q.むずむず脚症候群は、ある日突然発症するものですか?
A.はい。特に二次性のむずむず脚症候群は突然発症することもあります。

Q.妊娠中にむずむず脚症候群になった場合は、薬が飲めないのでしょうか?
A.まずはかかりつけ医に相談してください。妊娠中でも使える薬について相談に乗ってくれます。

Q.むずむず脚症候群は遺伝するのでしょうか?
A.はい。遺伝する可能性は高いのですが、必ず遺伝するとは限りません。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回はむずむず脚症候群の症状や原因・治療方法などを解説しました。むずむず脚症候群は命に関わる病気ではありませんが、それが原因で不眠症になると生活の質が著しく低下します。長期間足の不快感が続く場合は、一度むずむず脚症候群の治療実績がある病院を受診してみましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』