低血糖症の原因や症状を知りたい! 健康な人でも発症することはある?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
免責事項について

空腹時に急激に眠くなったり、動悸がひどくなったりする。こんな症状に悩まされている人はいませんか? 空腹時の体調不良は低血糖が原因の可能性があります。低血糖は糖尿病の症状の1つですが、生活習慣によっては糖尿病を発症しなくても低血糖に陥る可能性もあるでしょう。

今回は、低血糖の原因や症状・対策方法などを解説します。

  1. 低血糖症の基礎知識
  2. 低血糖症になる原因
  3. 低血糖症と病気の関係
  4. 低血糖症のセルフチェック
  5. 低血糖症の治療と対処方法
  6. 低血糖症に関するよくある質問
  7. おわりに

この記事を読めば、低血糖の予防方法も分かるでしょう。空腹時に体調不良になることが多く悩んでいるという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.低血糖症の基礎知識

はじめに、低血糖の定義や原因・症状を解説します。なぜ、低血糖が起こるのでしょうか?

1-1.低血糖の定義

低血糖とは、何らかの原因で血中の血糖値が低くなってしまった状態です。健康な人の血糖値は70mg/dl~120mg/dlとなっています。低血糖は、血糖値が70mg/dl~50mg/dl以下になってしまった状態です。血糖値が高めの人は80mg/dl以下でも、低血糖になることがあります。

1-2.低血糖の症状

低血糖になると、以下のような症状が現れます。

  • 70mg/dl以下:汗をかく・イライラする・顔色が蒼白になる・頻脈・手足の震え(交感神経症状)
  • 50mg/dl前後:目のかすみ・集中力の低下・生あくび(中枢神経症状)
  • 50mg/dl以下:痙攣・異常な行動・意識障害

1-3.低血糖症とはどのような病気か?

私たちの体は、血糖値をコントロールできるようになっています。しかし、何らかの原因でこのコントロール機能が乱れ、安定した値を維持できなくなることもあるのです。血糖値が高いままになってしまうと糖尿病となり、血糖値が低いままになってしまうものが低血糖症となります。

2.低血糖症になる原因

血糖値のコントロールが機能が乱れる原因には、以下のようなものがあります。

2-1.糖尿病患者の場合

糖尿病とは、すい臓からのインシュリン分泌量が低下し、血糖値が正常値を超えて高くなってしまう病気です。さまざまな合併症を発症する可能性のある病気なので、薬で血糖値をコントロールする必要があります。しかし、食事量が少なかったり運動量が多かったりすると、糖尿病患者でも一時的に血糖値が正常に戻ることもあるでしょう。その際、普段通りに血糖値を下げる薬を服用してしまうと、血糖値が下がりすぎて低血糖になることがあります。

2-2.食生活の乱れ

一方、健康な人が低血糖に陥る場合は、不健康な食事が原因ですい臓が大量のインスリンを出すようなり、血糖値が下がりすぎてしまうことによって起こります。たとえば、ご飯やパンなどの炭水化物や甘いもの・酒類を中心とした食事を取り続けていると、すい臓は常に多量のインシュリンを出し続けるようになるでしょう。すると、空腹時に過剰に血糖値が下がってしまうのです。

3.低血糖症と病気の関係

この項では、低血糖と病気のかかわりについて解説します。

3-1.食生活が乱れる原因

食生活と健康は密接に関係しています。しかし、仕事が忙しかったり病気になったりすると食生活が乱れがちになるでしょう。現在は、手軽に食べられるものがスーパーやコンビニにたくさん売っています。栄養価は関係なく安価でおなか一杯になれるものを選ぶと、おにぎりや菓子パンなど糖質が高い食物を選びがちになり、過剰な糖分接種につながるのです。

3-2.食生活が乱れがちになる病気

ストレスが溜まると痩せてしまう人もいますが、暴飲暴食をストレス解消法にすると過食になりがちです。また、うつ病になると甘いものの過剰摂取が止まらなくなるという人もいます。さらに、過激なダイエットをして一気に体重を落とすと、その反動でドカ食いをしてしまい、高血糖状態が続いてしまうというケースもあるでしょう。

3-3.1人暮らしの人が危ない?

家族と共に暮らしている人の場合は、食生活が乱れがちになると気遣ってもらえたり、指摘されたりできます。しかし、1人暮らしの場合はいつ何を食べても自由です。その結果、不健康な食生活に拍車がかかることもあるでしょう。

4.低血糖症のセルフチェック

自分は低血糖症かもと思ったら、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 食事は菓子パンやおにぎりなどで済ますことが多い
  • お酒を食事代わりにすることが多い
  • 空腹時に手足の震えが起きることがある
  • 1回の食事量が少ない、もしくは食事と食事の間が長い
  • 肥満体質である
  • やる気が出ず、ぼんやりしていることが増えた
  • イライラすることが増えた
  • ストレスがたまると暴飲暴食をする

当てはまる項目が多いほど、低血糖症の可能性があります。

5.低血糖症の治療と対処方法

この項では、低血糖の治療や対処方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。

5-1.低血糖を疑われる症状が現れたら?

低血糖の症状である目まい・動悸・手足の震えなどが起きたらアメや砂糖が入ったジュースなどでブドウ糖を補給しましょう。ブドウ糖を5~10g摂取すれば症状は治まります。ただし、カロリーゼロの甘味料を使ったジュースや果汁100%のジュースでは効果が薄いので、気をつけましょう。加糖ブドウ糖入りのジュースを選んでください。低血糖は空腹時や空腹時に運動を行ったときになりやすいので、低血糖が疑われる場合は、アメやジュースを常備しておきましょう。

5-2.病院を受診する目安

空腹の度にアメやジュースなどを摂取しないと動悸・イライラ・手足の震えなどが治まらない場合は、病院を受診しましょう。まずは内科を受診し、血糖値を測ってもらってください。低血糖症と診断されたら生活習慣の改善などの治療を行います。また、低血糖症の人は糖尿病予備軍とも言われていますので、医師の指示を守って食生活も改めましょう。

5-3.低血糖の治療方法

血糖値は薬でコントロールすることはできますが、低血糖症の場合は以下のような生活改善を行いましょう。

  • 菓子パンやおにぎりなど、炭水化物や糖質ばかりの食事をやめる
  • 食事はまず豆類や野菜から食べ、血糖値の上昇を穏やかにする
  • ストレス解消に暴飲暴食はしない
  • 血糖値のコントロールができるまでは禁酒する
  • 水分補給はお茶で行う
  • テンサイ糖やオリゴ糖を利用する
  • 適度な運動をする

以上のことを守っていれば、低血糖症は改善されていくでしょう。

5-4.低血糖の予防方法

ここまで記事をお読みいただければわかると思いますが、低血糖は食生活の乱れが原因です。忙しくてもバランスの取れた食事を心がけ、暴飲暴食でストレスを解消するのをやめましょう。外食やお弁当が中心の食生活の場合は、野菜多めの定食を選んだり野菜の御惣菜をプラスするだけでも違います。
また、血族に糖尿病患者がいる場合は血糖値のコントロールができにくい体質の可能性があるので、より生活習慣に気を配りましょう。

6.低血糖に関するよくある質問

Q.低血糖症から糖尿病になることはありますか?
A.はい。低血糖症になるということはすでに血糖値のコントロールができていない状態です。糖尿病予備軍とも言えます。

Q.低血糖で意識を失うことがあると聞きました
A.はい。血糖値が下がりすぎると意識を失うこともあります。ですから、いざというときの対処法を書いたものとブドウ糖を身につけておきましょう。

Q.血糖値を測定する機械はありますか?
A.はい。数千円~1万円前後で販売されているので、低血糖が気になる人は購入してみましょう。

Q.どうしても食事時間があいてしまう場合はどうしたらいいですか?
A.飲みものにブドウ糖を入れて飲んだり、アメなどで糖分を補給しましょう。

Q.子どもでも低血糖になることはありますか?
A.食生活がひどく乱れている場合や、一型糖尿病の場合は低血糖になる可能性があるでしょう。子どもで低血糖症が疑われる場合はすぐに病院を受診してください。

7.おわりに

いかがでしたか? 今回は低血糖症の症状や原因・対処方法などを解説しました。低血糖は糖尿病の症状と思われがちですが、糖尿病患者でなくても低血糖症になることもあります。空腹時に極端に具合が悪くなるという人は、一度病院を受診し、血糖値を調べてもらいましょう。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』