皮膚筋炎の初期症状について解説! 特徴的な症状は?

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

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アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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「最近、筋力が低下してきた気がする」「まぶたや関節周辺の皮膚が荒れてきた」と悩んでいる人はいませんか? このような症状が出る病気の1つに皮膚筋炎があります。皮膚筋炎を発症すると、皮膚の症状だけでなく筋力低下や間質性肺炎などが起こり、日常生活に重大な支障が出ることもあるでしょう。皮膚筋炎は早期発見や早期治療が大切です。
今回は、皮膚筋炎の初期症状や治療方法などを紹介しましょう。

  1. 皮膚筋炎の基礎知識
  2. 皮膚筋炎の初期症状
  3. 皮膚筋炎の診断・検査・治療について
  4. 皮膚筋炎に関するよくある質問

この記事を読めば、病院を受診する目安などについてもよく分かります。最近、皮膚の荒れに悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.皮膚筋炎の基礎知識

はじめに、皮膚筋炎とはどのような病気かということを解説します。

1-1.皮膚筋炎の定義

皮膚筋炎は免疫細胞が自分の体を攻撃する自己免疫疾患の一種で、炎症性筋疾患とも言われ、多発性筋炎と共に発症することがほとんどです。皮膚筋炎を発症すると、手や指・ひじ・膝などの関節に紅斑(こうはん)ができたり、皮膚が硬くなったりします。また、まぶたが赤や紫色に腫れるヘリオトロープ疹が出る人もいるでしょう。
一方、多発性筋炎の場合は、筋肉が炎症を起こして筋力が低下したり、筋肉を使うと痛みが出たりする病気です。皮膚筋炎の症状が先に出て、症状が進行すると多発性筋炎の症状が出てくる人もいれば、皮膚筋炎の症状だけが強く出て多発性筋炎の症状が出にくい人、両方の病気の症状が同時に出る人もいます。

1-2.皮膚筋炎の原因

前述したように、皮膚筋炎は何らかの原因で免疫細胞が自分を攻撃することで発症します。しかし、現在のところなぜ免疫細胞が自分の体を攻撃するようになるのか、はっきりと分かっていません。そのため、皮膚筋炎は多発性筋炎と共に指定難病に指定されている病気です。

1-3.皮膚筋炎の患者数やなりやすい人

皮膚筋炎の患者数は多発性筋炎と併せて、約20,000人と言われています。病気の知名度が高まるにつれ、病院を受診する患者さんの数も増え、認知される患者数が増えてきました。また、皮膚筋炎・多発性筋炎は性別や年代関わりなく発症します。割合としては、男女で1:3と女性の方が発症しやすい傾向です。また、皮膚筋炎の症状が強く出やすいのは5~9歳までの子どもと、50歳代と言われています。

2.皮膚筋炎の初期症状

皮膚筋炎の初期症状には、以下のようなものがあります。当てはまっている項目が多い人は、皮膚筋炎を発症しているかのうせいがあるでしょう。

  • まぶたに赤や紫に腫れあがる(ヘリオトロープ疹)
  • 手指の関節やひじ・膝に紅斑が出る
  • 胸や背中に湿疹ができる
  • 微熱
  • 疲労感・食欲不振
  • 体重減少
  • 筋力低下(特に、太ももの筋力が低下しやすい)

なお、関節リウマチなどをすでに発症している人が、皮膚筋炎(多発性筋炎)を発症することもあるでしょう。子どもの場合は皮膚症状が強く出やすく、上記の症状に加えてイライラ感が強くなるケースもあります。

3.皮膚筋炎の診断・検査・治療について

この項では、皮膚筋炎の診断・検査・治療について解説します。

3-1.病院を受診する目安

まぶたや手指の間接に赤や紫色の斑点が生じたり、胸に湿疹が広がったりして数日たっても全く改善の兆しがない場合は、病院を受診しましょう。このような症状が現れる病気はいろいろあるので、皮膚科とリウマチ科など膠原病を治療している科の両方を受診するのがおすすめです。なお、皮膚筋炎かどうかは、血液検査や筋MRI検査をしないと分かりません。

3-2.検査方法について

前述したように、皮膚筋炎は血液検査や筋MRI検査などで分かります。また、検査によって病気の進行具合なども分かるでしょう。地域によっては、検査できる病院が限られているところもあります。

3-3.治療方法について

皮膚筋炎は、現在のところ完治が難しい病気です。治療方法は、ステロイド剤を用いて炎症を抑える治療が一般的となります。症状が治まっても、投薬をやめると再発する可能性が高まるので、定期的な通院を欠かさないようにしましょう。また、皮膚筋炎を発症すると間質性肺炎やガンの発症リスクがアップします。予後が順調でも、定期的な検査が欠かせません。

3-4.皮膚筋炎の治療を受ける際の注意点

皮膚筋炎の治療に用いられるステロイド剤は、免疫力を低下させます。そのため、感染症にかかりやすくなるので、対策をしっかりと立てましょう。また、治療が遅れるほど筋力の低下が強くなり、回復も難しくなります。おかしいなと思ったら、より詳しい検査ができる病院を受診しましょう。

4.皮膚筋炎に関するよくある質問

Q.皮膚筋炎は、男性でも発症するのですか?
A.はい。女性より患者数は少ないですが発症リスクはあります。

Q.多発性筋炎がまず発症してから、皮膚筋炎の症状が出るケースもあるでしょうか?
A.はい。もちろんです。この場合は、30~50代が最も発症しやすい年代になります。

Q.皮膚筋炎が自然治癒する可能性はないでしょうか?
A.ゼロではありませんが、限りなく低くガンや間質性肺炎を発症するリスクもアップするため、可能な限り早く治療を開始してください。

Q.一度皮膚筋炎を発症したら、一生薬を飲み続けなければなりませんか?
A.現在のところ、皮膚筋炎は薬で症状をコントロールしながら日常生活を不便なく送れるようにすることが、主な治療法です。ですから、症状が治まっても服薬は必要になります。

Q.多発性筋炎や皮膚筋炎は、診断が難しい病気ですか?
A.現在は検査方法が発達しているので、診断が下るまでそれほど時間はかかりません。ただし、筋ジストロフィーの患者さんを多発性筋炎と誤診してしまった例はありました。ですから、治療実績がある病院で診断を受けることがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、皮膚筋炎の初期症状について解説しました。皮膚筋炎を放置しておくと、多発性筋炎の症状も強くなる可能性があります。筋力の低下がひどくなる前に病院を受診し、治療をスタートさせましょう。特に、子どもは湿疹ができやすい場合もありますが、数日たっても湿疹や紅斑が薄くなる様子がない場合は、リウマチ科など自己免疫疾患を治療できる診療科を受診してください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』