過敏性腸症候群の原因は? 発症しやすい人・予防法・対処法をご紹介

アタナハクリニック 院長 矢崎智子

記事監修
アタナハクリニック 院長 矢崎智子
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急な腹痛や下痢で困ることはありませんか? 便通異常が続く場合、過敏性腸症候群(IBS)である可能性があります。過敏性腸症候群を引き起こす原因やなりやすい人の特徴などを知り、予防に努めましょう。また、気づいた場合の対処法などもご紹介します。

  1. 過敏性腸症候群の原因は?
  2. どんな人が過敏性腸症候群になりやすい?
  3. 過敏性腸症候群の予防法
  4. 過敏性腸症候群に気づいた場合の対処法
  5. 過敏性腸症候群でよくある質問

便通異常は、心身ともに負担が大きいだけでなく、日常生活に支障をきたす恐れもあるため、早めに対処することが大切です。腹痛や下痢でお困りの方は、本記事を参考に改善するきっかけにしてください。

1.過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群とは、何が原因で発症するのでしょうか? 原因について詳しく解説します。

1-1.ストレス

ストレスは、過敏性腸症候群だけでなく、さまざまな病気の発症原因となります。現代社会は、ストレスを感じている方が多いものです。しかし、言葉や行動で発散することができず、内面に抱えてしまうことからストレス反応が起こり、便通異常などを引き起こすと考えられています。

1-2.生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れると、食事の時間帯や睡眠時間にズレが生じ、腸の活動が弱まるとされています。腸内が活性化されないことで便通異常が起こり、放置していると過敏性腸症候群へと発展してしまうのです。

1-3.不安定な精神状態

精神状態が不安定だと、過敏性腸症候群の発症リスクが高まります。うつなどを患っている方は、周囲の反応や言葉を敏感に感じてしまい、正常な精神状態を維持することが難しいため、過敏性腸症候群を発症してしまうケースも珍しくありません。

1-4.疲労

疲労が蓄積している方は、ストレスの影響を受けるのと同じように、便通異常などのトラブルが起こりやすくなります。眠っても疲れが取れない場合は、免疫力も低下し、腸のぜん動運動が正しく行われないため、過敏性腸症候群を招いてしまうのです。

2.どんな人が過敏性腸症候群になりやすい?

同じ環境で過ごしていても、過敏性腸症候群になりやすい人とそうではない人がいます。どのような人が発症しやすいのでしょうか?

2-1.うまく感情を出すことができない人

喜怒哀楽の表現が苦手・うまく感情を出すことができない人は、ストレスを感じやすいため、過敏性腸症候群を発症するリスクが高いものです。自分の気持ちをきちんと伝えられるよう、カウンセリングなどを受けながらトレーニングをするといいでしょう。

2-2.産後うつなどメンタルが不安定な人

産後は、ホルモンバランスの変化があるだけでなく、睡眠不足や疲労からメンタルが不安定になり、過敏性腸症候群を発症しやすいので注意してください。家族に育児を代わってもらい、心と体を休めるなど、疲れやストレスをため込まない工夫が必要です。

2-3.食事の回数や時間にばらつきがある人

食事の回数や時間にばらつきがあると、腸の収縮リズムが乱れます。空腹を感じにくくなり、腸内環境が悪くなるのです。時間と回数だけでなく、メニューも見直し、食物繊維が豊富でバランスがいい食事を取るようにしましょう。

2-4.完璧主義・神経質な人

完璧主義・神経質な人は、何事においても高い目標を掲げているため、目標を達成できないジレンマやイライラを感じやすいので注意が必要です。常に緊張や不安を抱えている場合あるでしょう。心身ともにオーバーワークとならない程度に、目標を定めることが大切です。

2-5.緊張が強いられる仕事の人

交通機関の運転士など、緊張が強いられる仕事をしている人は、過敏性腸症候群にかかりやすい傾向があります。懸命に仕事をする一方、強いストレスや緊張が続くためです。体に違和感を抱いたら、勤務形態や休日の取得などを相談し、リラックスして仕事に臨めるようにしましょう。

3.過敏性腸症候群の予防法

過敏性腸症候群の発症を防ぐ方法をご紹介します。

3-1.無理をしない

心身ともに健康な状態を維持するためには、無理をしないことが大切です。自分のペースで進むようにし、自分の体としっかり向き合いましょう。自分を適度に甘やかすことも、ストレスから身を守る方法です。

3-2.周囲の評価ばかり気にしない

ストレスを感じやすい人は、周囲の評価を気にしすぎる傾向があります。周囲の評価ばかり気にせず、自己肯定感を養うことが大切です。否定や非難をされる状況が続くと、強いストレスを感じます。ストレスとなる要因から身を遠ざけ、自分を守るようにしてください。

3-3.適度なストレス発散を心がける

普段から、適度なストレス発散を心がけることが大切です。趣味や運動など、打ち込めるものを作りましょう。仕事に追われている人は、休日はしっかり休むなど、疲労解消にも努めてください。

4.過敏性腸症候群に気づいた場合の対処法

過敏性腸症候群に気づいたら、どのように対処すればいいのでしょうか?

4-1.生活リズムを改善する

睡眠・食事の時間を一定にし、生活リズムを整えることが大切です。過敏性腸症候群は、不摂生による自律神経の乱れが原因であることが多いため、夜更かしは避け、規則正しい生活が送れるように改善してください。

4-2.体を冷やさない

過敏性腸症候群の改善には、体を冷やさないことが大切です。血流が悪くなると、腸にもうまく血液が巡らなくなるため、下痢や腹痛などが起こりやすくなります。生の食品は避け、温めたものを食べるようにしてください。

4-3.アルコールやカフェインを避ける

アルコールやカフェインの摂取は、腸を刺激するため、過敏性腸症候群の悪化につながります。また、アルコールやカフェインには利尿作用があり、下痢をしているときに摂取すると、脱水などに発展する恐れがあるので危険です。

4-4.早食いはやめる

早食いはやめ、しっかり嚙(か)んで食べてください。早食いをすると、通常より空気を多く吸い込んでしまうため、おならが多くなる・腹部膨満感を抱くなど、ガス型過敏性腸症候群へと移行します。炭酸飲料や喫煙も同様で、過剰に空気を吸い込むきっかけになるので注意してください。

5.過敏性腸症候群でよくある質問

過敏性腸症候群に関する質問を集めました。

Q.過敏性腸症候群は、便秘の症状が出ることもあるのか?
A.はい、あります。過敏性腸症候群は、下痢型と便秘型の2つがあり、交互に繰り返すこともあるのが特徴です。

Q.過敏性腸症候群は、子供でも発症することがあるのか?
A.はい、あります。子供は言葉でうまく症状を伝えられないため、便の状態や日ごろの様子をしっかり観察し、異変に早く気づいてあげることが大切です。悩みがあるようなら、話を聞くなど、心に寄り添ってあげましょう。

Q.急な腹痛や下痢が起きるのではないかと不安に感じる場合はどうすべきか?
A.まず、不安を解消するため、リラックスすることが大切です。緊張してしまうと、余計に症状が出やすくなります。仕事や試験など大切な場面で影響が出てしまう恐れがある場合には、整腸剤や漢方薬などを服用し、早めに対処しましょう。

Q.受験期の中学生も発症しやすい?
A.はい、発症しやすいでしょう。受験期は、寝不足・緊張・疲労などが重なるのに加え、思春期特有の悩みもあります。周囲と自分を比べ、劣等感などを抱きやすく、過敏性腸症候群を発症しやすくなるのです。

Q.過敏性腸症候群の症状が出やすい時間帯はあるのか?
A.はい、あります。症状が出やすい時間帯は、昼間なのが特徴です。しかし、夜は1日の疲れが出て、症状が強まる恐れもあります。時間を問わず症状が続くようなら、早めに病院を受診しましょう。

まとめ

過敏性腸症候群を発症すると、急な下痢や便秘に悩まされます。緊張やストレスなどによって症状が出るため、完璧主義や神経質な人は注意が必要です。ストレスを感じやすい方は、趣味や運動などストレスを発散する方法を見つけ、リフレッシュすることが予防につながります。また、疲労をため込まず、きちんと休息を取るように心がけましょう。生活リズムの改善・食事の見直しなど、自分でもできる対処法も覚えておいてください。

アタナハクリニック院長 矢崎 智子

監修者

矢崎 智子
アタナハクリニック院長
日本産科婦人科学会認定医/高濃度ビタミンC点滴療法学会理事/世界アンチエイジング学会認定医/日本内分泌学会・国際オーソモレキュラー医学会・病巣疾患研究会会員/日本線維筋痛症学会会員

1969年長野県生まれ。平成6年杏林大学医学部卒。産婦人科医としての経験を積んだあと、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療をおこなうクリニックハイジーアを開設。関節リウマチや線維筋痛症、慢性疲労症候群、摂食障害など、通常治療困難とされる疾患や、不妊症などの婦人科疾患の治療において豊富な臨床経験を持つ。日本では数少ない機能性医療の専門家であり、最も経験豊富な一人。

平成24年、医療とヒーリングの統合を目指し、アタナハクリニックを開設。現在はキネシオロジー(筋肉反射テストを使ったセラピー)の一種であるインテグレートヒーリング(IH)を中心とした統合医療を行なっている。

著書
なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病

雑誌掲載歴
2014年:『ゆほびか(6月号)』『スターピープル(vol49)』『スターピープル(Vol.48)』
2013年:『トリニティ(Vol.48)』
2011年:『日経ヘルス(1月号)』
2010年:『VoCE(12月号)』『AERA with BABY』『anan(1月20日号)』
2009年:『クロワッサン(6月10日号)』『クロワッサン(1月25日号)』