私の副腎疲労体験記⑤

 

「また、風邪ひいた・・・」

 

ここ10数年間の私は、とにかく風邪をひきやすかった。一冬に何回か風邪をひくこともしばしばだった。

一回ひくと治りにくく、回復するまでにおおよそ2週間、下手をすると1か月くらいかかることもあった。

Common COLD

お約束のように決まって風邪をひくのが、長期の休みや学会などで、海外旅行に出かけた時だった。

休みだ~~!!と喜び勇んで出かけるのだが、必ずと言っていいほど旅先で風邪をひいて、体調は最悪。

ひどい時はホテルのベッドでダウンして、1日中寝ている、ということも多かった。

私の前のクリニック時代からの古い読者の方はご存知かもしれないが、分子栄養学の開拓者・故エイブラム・ホッファー先生を訪ねて、カナダに行った時もそうだった(その時のブログはこちら)。

(なぜ休みの日に風邪を引くかは理由があるのだが、それはまた後日)

 

また、開業してしばらく経った頃(30代半ばくらいか)、突然花粉症がはじまった。

それまではまったく症状はなかったのに、ある年の春になって、鼻水と涙がひどく、夜は鼻づまりで眠れないほどになった。

まだ疲労や不眠などの症状が出る前だったが、たかだか花粉症といえど、夜眠れないのはかなりこたえた。

ビタミンAや亜鉛を中心にした栄養療法(これらは粘膜や免疫の正常化に必要)で、症状はだいぶ改善したものの、その後も花粉症の症状は毎年出るようになった。

sneezing

 

また、風邪のように頻繁ではなかったが、傷が治りにくい、ということも何度かあった。

紙で指を切り、小さな傷ができたような時、大した傷ではないのになかなか治らず、膿というほどでもない薄い浸出液がずっと出続け、じくじくしたまま、1か月くらいたった頃だったか、気が付いたらいつの間にか治っていたということもあった。

 

一言でいうと、「免疫力が落ちている」という状態だったのである。

 

—————-―――――――――――――――――――

 

コルチゾールは、生命維持に必要不可欠なホルモンです。

今まで描いてきたように、血糖値を高め、ストレスに対抗するという働きを持ちます。

そして、それに勝るとも劣らないとても大切な働きが、

「免疫系を調節する」

という働きです。

 

皆さまは、ステロイド剤をご存知でしょうか?

ステロイド剤は、コルチゾールを薬にしたものです。

しかしながら一般に使われるステロイド剤は、天然のコルチゾールと同じ物質ではなく、分子構造を人工的に変えた、本来人体には存在しない物質です。

多くの病気にこのステロイド剤は使われます。
よく使われるのが、関節リウマチなどのいわゆる「自己免疫疾患」です。

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「ステロイド剤は怖い」

こんな言葉を聞いたことがありませんか?

実際、ステロイド剤を飲みたくなくて受診されるリウマチの患者さまが、私のところには多いです。

 

ステロイド剤は、確かに使い方に注意が必要です。

ネットでコルチゾールについて調べると、大体悪い情報ばかりを目にするでしょう。

「悪玉コルチゾール」と書いてあるサイトもあります。

ストレスでコルチゾールが過剰になることによって、血圧が上がる、血糖値が上がって糖尿病になる、胃潰瘍ができる、骨粗しょう症になる、老化が進む、などなど、いいことなしです。

中でもよく言われるのが、免疫力が低下する、ということです。

 

確かに、コルチゾールが増えすぎると、免疫力は低下し、感染症にかかりやすくなります。

これは副腎にできる腫瘍などによって、コルチゾールが増えすぎてしまう「クッシング症候群」などの例を見れば明らかです。

 

では、免疫系を正常に保つということにあたって、コルチゾールは低い方がよいのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。

 

コルチゾールの不足によっても、免疫力は低下してしまいます。

 

コルチゾール不足による免疫低下により、感染性の微生物や環境毒素(寄生虫、アレルゲン、特定の細菌や毒素)に対する抵抗力が低下します。

さらに、自己免疫疾患、アトピーや喘息などのアレルギー疾患、悪性疾患、慢性疲労症候群、慢性疼痛症候群、線維筋痛症を含む炎症性疾患にかかりやすくなるのです。

 

ステロイド剤が怖い、というよりも、そもそもコルチゾールという私たちの副腎が作ってくれているホルモンの働きが、あまりにも重要で、切れ味がよい、ということなのです。

 

 

 

続きます。

 

私の副腎疲労体験記①はこちら

私の副腎疲労体験記②はこちら

私の副腎疲労体験記③はこちら

私の副腎疲労体験記④はこちら

アタナハクリニックの副腎疲労治療ページはこちら

 

とっても懐かしかったので、載せますね(*^_^*)

ホッファー先生と撮っていただいた写真です。

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ていうか、久しぶりに読み返しましたが、私の昔のブログ、面白いですね(笑・自分で言ってどうする)。

今はちょっと真面目に書きすぎかもしれませんね。

もっと笑えるブログを目指します!(?)

 

 

 

↑これはまだ読んでいませんが、読まなきゃですね。

 

 

私の副腎疲労体験記④

 

眠れない・・・

 

とにかく疲れて仕方がない、ということに引き続き、いろいろな症状がやってきた。

中でも困った症状が、「不眠」だった。

 

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私はそれまで、不眠というものを全く体験したことがなかった。

生まれてこの方、「自分の枕でないと眠れない」といった繊細さとは無縁で、

「いつでもどこでもすぐ眠れる」

というのが取り柄だった私が、ぱたりと眠れなくなってしまったのだ。

 

眠れなくなった最大の原因は、「動悸」だった。

 

眠ろうとして布団に入ると、夜の静けさの中に、バクバクした心臓の鼓動だけがやけに強調されて、気になって仕方がなくなってしまった。

昼間は眠くて仕方がないのにもかかわらず、夜の眠りたい時に限って、目が冴えてらんらんとしてしまう。

胸のバクバク感にひたすら耐えながら、ベッドの中で何度も寝返りを打って過ごし、やっとおさまって寝ついたとしても、夜中の2~3時ごろにぱっちり目が覚めてしまう。

そしてその時には、また胸がバクバクしているのだ。

Palpitation

このバクバク感、つまり動悸は、自分でコントロールできないだけに、ほんとうに参った。

もちろん、昼間も動悸はしているはずなのだが、いろいろなことに気をとられているため、鼓動を感じてはいても、それほど支障がでるほどではなかった。

しかしいざ眠ろうとすると、気になりだすのだ。

当然ながら、睡眠不足は、エネルギー不足からくる頭の回転の鈍さを、さらに助長させることになった。

 

また、ちょっとした刺激にも、とても敏感になった

少し刺激の強いテレビのニュースを見ただけでも、胸の動悸が高まり、苦しくなるので、見続けることができないのだった。

そのせいで、好きなサスペンス映画はおろか、ほとんどのテレビ番組が見れなくなってしまった(電磁波に敏感になったというのもあったかもしれない)。

 

もちろん、精神的ストレスにも、過剰に反応するようになった。

普段だったらそれほど反応しないようなことでも、カッと頭に血が上りやすくなり、とたんに胸がバクバクして、苦しくなった。

逆に悲しくなったりすることもあった。

そしてその後は、反動のためか疲労感が増して、ぐったりしてしまい、寝込んでしまうというありさまだった。

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こんな風に、日常におけるほんの些細な変化(=ストレス)に過剰に反応し、それに耐えることが難しい、という状態になってしまった。

仕事などでどうしても避けられないこと以外は、可能な限り、刺激を避けることが必要だった。

特にしんどかったのが、日々の疲れがどっと出る休日だったが、あの頃の自分はいったい休日に何をしていたのか?と振り返ってみると、1日中寝ていたこと以外思い出せない。

もっとも受動的で、横になったまま、エネルギーも頭も使わずにできる気晴らしと言ったら、テレビだと思うのだが(読書もネットサーフィンもテレビに比べるとエネルギーを使うと思う)、それすらもできなかったのだから・・・

 

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副腎疲労とは、副腎皮質から出るコルチゾールというホルモンが不足する病態です。

 

今まで書いてきたように、コルチゾールの重要な働きの筆頭は、血糖値を上げ、血圧を高めて、その結果「エネルギーを生み出す」ことです。

そのコルチゾールが不足する、とエネルギーが作れないため、慢性的な疲労の原因となります。(*慢性疲労の原因には、副腎疲労だけではなく他にもいろいろな原因があります)

 

しかし、コルチゾールの不足による問題は、これだけではありません。

その一つが、自律神経に及ぼす影響です。

 

人間の体の調節系統には、主に自律神経系ホルモン系(内分泌系)があります。

両者とも密接に関係しあいながら、体内の環境を一定の状態に保つために働いています(生体恒常性=ホメオスターシス)

 

その自律神経には交感神経系副交感神経系の2種類があります。私たちが意識することなしに、このふたつがバランスをとりあいながら、体内の調節をしてくれているのです。

 

簡単に自律神経の説明をしていきましょう。

交感神経は、私たちが昼間活発に行動している時に優位になる神経で、副交感神経は夜リラックスしている時や、眠っている時に優位になる神経です。

どちらも大切であり、これらのバランスが取れていることが大切なのです。

自律神経2

交感神経と副交感神経は、同じ臓器に対して反対の働きを持つことが多く、お互いにシーソーのように働いています。

例えば、血圧は交感神経によって上がりますが、副交感神経はそれを下げますし、消化は交感神経によって抑制されますが、副交感神経によって活発になります。

交感神経と副交感神経

しかし、必ずしもこの二つの自律神経のバランスがいい状態とは限りません。いろいろな理由でアンバランスになってしまいます。

この交感神経と副交感神経がアンバランスになっている状態、それがいわゆる「自律神経失調症」という状態です。

 

通常、副交感神経が強くなりすぎるということはあまりなく、大体の場合は交感神経の働きが過剰になります。

交感神経は、脈拍を高め、血圧を上げ、神経を高ぶらせます。つまり興奮状態になってしまうわけです。

なので、動悸や不眠、頭痛、高血圧、怒りっぽくなる、便秘、他にもいろいろな症状が起こります。

また、消化能力が落ちるので長期にわたると栄養失調になりますし、ホルモンのアンバランスも起こります。免疫力も低下してしまいます。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症は、ストレスが原因の一つということは大筋のコンセンサスがありますが(もちろんそれは正しいのですが)、それ以外の原因が追求されることはまずありませんし、治療法もこれという確実なものはありません。

上記に書いた私の症状は、まさに自律神経のバランスが乱れ、交感神経緊張状態になった結果に起きた症状といえます。

おそらく、この頃普通に病院に受診していたとしたら、つけられた病名は「不眠症」「自律神経失調症」だっただろうと思います。

もし呼吸困難や過呼吸などの症状を伴っていたら、「パニック障害」と診断される可能性もあったでしょう。

そして、抗うつ剤や抗不安剤、よくて漢方薬などを処方されていたことでしょう。まかり間違ったら、薬漬けになっていたかもしれません。

残念ながらこれらの薬では、効果が出ることももちろんありますが、ないことも多いです。

なぜなら、そうなっている根本原因を治しているのではなく、症状に対処しているだけだからです。

 

ではなぜ、自律神経のバランスが崩れ、様々な症状が起きるのでしょうか?

自律神経失調症状の本当の原因・・・

その一つは、副腎疲労なのです。

 

コルチゾールには、交感神経の働きによって生み出されるアドレナリンやノルアドレナリンを抑制する働きがあります。

これらのホルモンはストレスに対処するという共通の働きを持っているため、お互いをカバーしあっているのです。

しかし、長年にわたるストレスにさらされ、副腎が十分なコルチゾールを出せなくなると、その代わりに(主に)アドレナリンが過剰に出ざるを得なくなります

コルチゾールの不足による低血糖に対処しなければならないからです。

その結果、交感神経が過剰に働く状態(交感神経優位)になり、いわゆる自律神経失調症の症状が起こることになるのです。

 

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コルチゾールが足りないから疲れる。

コルチゾールの代わりにアドレナリンが出ているから、動悸がする。夜眠れない。気持ちが落ち着かない。

疲労、不眠、動悸・・・、これらのもろもろの症状。

体験したからわかりますが、これは本当~~~~~に、つらいですよね。

本人にしかわからないから、なかなか理解されづらいのも悲しいし、副腎疲労については普通の医者は知らないので、原因不明とか、気のせい、ってなってしまうのも、つらいものがあります。

 

ひとつ言いたいのは、アドレナリンが悪いというわけではありません。

アドレナリンは、必要があるから出ている、ということです。

間違いなく言えることは、その原因を対処せずに薬で治そうとしても、絶対治らない、ということです。

 

もちろん、自律神経失調症状の原因には、他にもマグネシウム不足だとか、遅延型食物アレルギー(食物不耐性)だとか、機能性低血糖症だとか、水銀中毒だとか、いろいろなものがあり、副腎疲労だけではありません。

大体はこれらの要因が複雑に絡み合っていることが多いです。

ですので、治療も複合的に取り組んでいく必要があります。

 

 

まだまだ終わりません。

続く。。

 

 

ああ、今日も長かった(^_^;)

お読みいただきありがとうございました。

 

私の副腎疲労体験記①はこちら

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私がナチュラルホルモンを勉強させてもらったドクターの本です♪

 

私の副腎疲労体験記③

 

「とにかく、疲れる・・・」

 

立ってシャワーを浴びるのがしんどい、という症状が出てからというもの、症状はさらに多岐にわたり、悪化していった。

なんといっても一番の症状は、「疲れる」ことだった。

 

とにかく疲れる。

だるい。

朝起きられない。

なるべく横になっていたい。

日中眠い。

パワーが出ない。

頭が回らない。。。

 

もともと体力がある方ではなかったが、この疲れやすさは異常だった。

なんとか仕事はこなしてはいたが、座っていると頭が回らなくなった。

横になると、いつも通りに思考が働いた。

なので一時期は、患者さんを診察している時以外は、診察室のベッドに横になったまま仕事をしていた。

 

そんな状態で仕事をするのもつらいことだったが、もっとつらかったのは休日だった。

仕事がある日は気が張っているからか、何とかパワーが持つのだが、休日になると糸が切れたようにぐったりして、何もする気力がなく、ベッドに張りついたままで、ほとんど寝たきり

そんな状態だった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

tired-lady

 

簡単に言うと、「疲れる」とは、活動するのに必要十分なエネルギーが足りない、ということの結果として、起こる症状です。

 

私たちが生きていくためには、エネルギーが必要です。

私たちの体は、グルコース(ブドウ糖)や、脂肪酸、ケトン体、アミノ酸などを、エネルギー源として利用しています。

それらの複合的なエネルギー源を、刻々と変化する体内の代謝の状況に応じて体が巧みに使い分けているから、私たちは生存することができるわけです。

 

中でも、脳が主にエネルギー源として利用しているのが、グルコース(ブドウ糖)です。
(*糖質制限時などでは、脂肪の代謝産物であるケトン体も利用します)

また、「瞬発的な力」を発揮する時に必要となるエネルギー源も、グルコースです。

瞬発的な力とは、運動する時ばかりではなく、ストレスに対して何らかの反応を起こすために使われるエネルギーだと思ってもらってよいでしょう。

その大切なグルコースの血液中のレベル、すなわち血糖値を(適度に)高める、という働きを主に担っているのが、副腎なのです。

副腎

ストレスにさらされると、まず自律神経のひとつである交感神経が反応して、交感神経の神経末端から「ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)」が、副腎髄質(副腎の内側)から「アドレナリン(エピネフリン)」が分泌されます。

そしてもうひとつストレスに対する反応系として、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)があり、CRH・ACTH等のホルモンを介して、副腎皮質(副腎の外側)から「コルチゾール」が分泌されます。

ストレス反応系

(図はコルチゾール研究会様よりお借りしました)

 

これらのホルモンに共通する働きが、「血糖値を高める」、また「血圧を高める」ということです(適度に)。

 

前回も書いたように、ライオンににらまれた、地震がきた、車に轢かれそうになった、などの生命の危機に直結したストレスの場合、戦うまたは逃げる(Fight or Flight response)などの、自分の身を守るための何らかの迅速な行動をとる必要があり、そのためのエネルギーとして、グルコースが必要となります。

生命の危機に直接的にはつながらないストレス、例えば、上司に怒られた、配偶者とケンカした、経済的な問題、なども、基本的には同じです。

それらに対応するには、適切にグルコースが補給される必要があるのです。

 

突き詰めると、ストレスとは「変化」のことです。

暑い・寒い、高気圧・低気圧などの環境的な変化もストレスだし、ネガティブなことだけがストレスになるのではなく、一般的に喜ばしいと思われていること、例えば結婚や昇進なども、変化という意味ではストレスになります。

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ある実験では、最適な環境、すなわち最適な温度、最適な量のえさ、塩分、水、適切な間隔での睡眠、過度の運動をせず感染がない、という環境の中では、ラットから副腎を両方摘出しても、明らかな影響は見られませんでした。

しかし、ただひとつでもこれらの環境要因を変化させると、ラットは死んでしまったそうです。

つまり副腎がないと、ほんのささいな変化にすら対応することができない、ということです。

 

私たちの生活においては、強いストレスが長く続いた場合、アドレナリンやノルアドレナリンの不足というのはそう簡単に起こらないとされているので、通常問題となるのは「コルチゾールの不足」です。

コルチゾールは、ストレスの初期段階では過剰に分泌され、それもまた問題を起こします(これについては後日書きます)。

とはいえ、コルチゾールが過剰に分泌されている期間は、人はハイパーな状態になっているので、きついながらも環境には適応できているのです。

その期間が過ぎて(人によりますが、数年~十数年くらいでしょうか)、コルチゾールの大量分泌に副腎が耐えられなくなった時・・・、コルチゾール分泌低下、すなわち「副腎疲労」となるのです。

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コルチゾールが不足すると、まず血糖値が下がり、低血糖になります。

これはエネルギー不足、つまり疲労感の基本的な原因とされています。

低血糖は脳機能を低下させるため、思考が鈍化してぼーっとしたり、記憶力が落ちて忘れっぽくなったり、わけもなく眠くなったりします。

集中力がなくなり、仕事の能力も低下します。

甘いものが異様に食べたくなったりします。

気分が落ちてうつっぽくなったり、悲観的になります。

 

また、血圧を適度に高く維持できなければ、低血圧になり、必要なグルコース等のエネルギー源を全身に供給できないため、やはり疲労感が起こります。

私のように、横になっていたら大丈夫だけど、座位や立位では血圧が維持できないため、頭が回らない、くらくらする、気が遠くなる、起きていられない、などの症状も起こる場合があります。

 

続きます。

 

 

と、ここで注意喚起。

 

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副腎疲労でグルコース(ブドウ糖)が低いからと言って、甘いものを食べるのはよくありません。

甘いものは、血糖値を一時的に上昇させますが、反応性にインスリンを過剰分泌させ、結果的に血糖値を下げすぎてしまい、そこでかえって副腎に負担をかけます。

このあたりの対策についても後日書いていきますね(いつになるやら・・・)。

 

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私の副腎疲労体験記②

 

それは、じわりじわりと、いつの頃からかもわからないくらい、ゆっくりと始まっていた。

 

最初に、おかしいなあ、と気づいたのは、毎日の日課であるシャワーを浴びている時だった。

シャワーを浴びるために立っていると、何となく気が遠くなって、立っていられなくなるのだった。

「なんか、しんどい・・・」

立っているのがつらいので、そのうち座って髪を洗ったりするようになったが、それすらも億劫で、とても面倒な作業のように思われた。

シャワーを浴びて身支度をする、というそれだけのことが、ものすごく労力がいることになってしまったのだ。

それは、今から数年前のことだった。

 

思えば、小さい頃から体力には自信がなかった。

それでも、なんとか医学部を卒業し、医師になることができた。

そしてあろうことか、”3K”で有名な産婦人科に入局し、昼も夜もない生活を送ることになった。

大学病院での当直は、週に2~3回。

何もない平穏な夜は稀で、大体は、お産だ救急車だ、と朝までに数回は起こされる。

お産が集中するのはなぜか明け方。寝ぼけ眼でお産に立ち会い、そしてそのまま日勤の勤務になだれこむ・・・。そんな日々を10年近くにわたって過ごした。

産婦人科に限らず、人員不足の多くの病院では、医師が当直明けにそのまま日勤続行、は当たり前のことだった。

そんな大学病院での勤務の後、自分のクリニックを開業した。

 

大学病院での激務に比べたら、開業医は楽だ、という認識が一般的にはあるようだが、私の場合はそうではなかった。

若気の至りというか、夢はあったが経済観念のない世間知らずの小娘が、まだ保険診療の「普通」の診療をしていればよいのに、わけもわからず自由診療のクリニックを立ち上げたのだ。(今考えると相当の怖いもの知らずだ・・・)

診療費の3割だけを患者が負担する保険診療と違って、診療費をすべて自己負担しなければならない自由診療は患者にとっては敷居が高く、よほど必要性を感じない限り、そのようなクリニックには行くことはないだろう。これは、経営する側から見ると、軌道に乗せるのがなかなか難しい、ということだ。

その内容がまた、自由診療クリニックの多くを占める「美容外科」や「美容皮膚科」などではなく、10年以上前の当時はまだほとんど知られていなかった治療法、「栄養療法」だったのだ。残念ながら栄養療法は保険が効かないため、自由診療で治療せざるを得なかった。つまり、栄養療法を認知させる、ということから始めなければならなかったのだ。

クリニック経営はスムーズに軌道に乗った・・・はずもなく、開業してもなお、昼間は診療、夜は産婦人科の当直のバイトに出かける、というハードな日々が続いたのだった。

 

そんな生活がしばらく続いたある一時期、たまたまクリニックまで片道2時間くらいかけて通勤しなければならない期間があった。

最初は、ちょっとした旅気分の通勤が新鮮だったが、さすがにそれが毎日続くと、電車に乗ること自体がひどい苦痛のように感じられるようになった。

その生活が2か月ほど続いた頃だっただろうか。

はたと気づくと、普段通りの生活が、あまりにもしんどい、という状態に見舞われていたのだった。

 

これが、私の「副腎疲労」の始まりだった・・・・。

 

 

―――――――――

 

 

と、ちょっと私小説風に書いてみました(ぶっちゃけてみました・・笑)。

(正確には最初は漢方をメインに開業し、その後栄養療法にシフトしました。どうでもいいですが)

 

副腎疲労は、このような、「ある程度の強いストレス」に「一定期間以上に渡って」さらされた場合に多く起こります。

私の話を例に挙げてみましたが、おそらく私などより、世間にはもっと大変なストレスにさらされている方がたくさんいらっしゃると思います。

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仕事のストレスもそうですが、難しい人間関係(家族や夫婦間、はたまたストーカーやクレーマー)、愛する人の死、家族の介護、子どもの病気、借金、破産、事故、など。

また、何らかの感染、アレルギー、悪い腸内環境、病気、飢餓、甘いものの食べ過ぎ、シフト制の仕事(体内リズムを乱してしまう)、時差、長距離の移動、厳しい労働など、多くの物理的な原因も、副腎に負担をかけます。

 

前回書いたように、副腎は「ストレスと闘う」臓器です。

どんなものであっても、体にとってストレスは「生命の危機」を意味します。

草原でライオンに睨まれたら、本当に生命の危険がありますが、そうでなくても、ストレスを感じると体はそれと同じ反応をするのです。

つまり、とっさに判断して逃げる(または戦う)ためには、脳や筋肉に瞬時のエネルギーを供給しなければなりません。

そのために、身体はコルチゾールやアドレナリン・ノルアドレナリンなどのホルモンや神経伝達物質を産生します。

これらに共通しているのは血糖値を上げる、血圧を上げるなどという働きですが、それによってエネルギーを作り出し、危機を乗り切ろうとするわけです。

 

このストレス反応に関わっているのが、交感神経系と、視床下部-下垂体-副腎系(略してHPA系)です。

コルチゾールはこのHPA系の一部、副腎皮質から分泌される、とても重要なホルモンのひとつであり、ストレス反応の主役と言ってもよいでしょう。

 

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(赤で囲った部分がコルチゾール)

 

そのコルチゾールを十分出せなくなってしまう病態が、「副腎疲労」です。

 

続きます。

 

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私の副腎疲労体験記①

皆さま、こんにちは。

ご無沙汰しております。

毎日とは言わずとも、せめて週に2回は更新しようと思いつつ、なかなか行うは難しです。。

 

さてさて、グルタチオンのシリーズも書き始めたばかりですが、たまたまあるFB記事のコメントに副腎疲労の自分の体験を書いたので、それを転用して(笑)、シリーズにしてブログ記事にしようと思います。

 

副腎疲労って最近やっと認知度が上がってきたようですが、皆様ご存知ですか?

 

そもそも、副腎ってなんですかー?という人が多いかもしれません。

 

副腎とは、左右の腎臓の上にそれぞれちょこんと乗っかっている、小さくて地味な臓器です。

ひとつ重さ5gくらいです。

 

副腎

 

これが実は、超~~~大事な臓器なのです。

 

副腎は内分泌系の一部、つまり、ホルモン分泌腺のひとつです。

 

副腎は2層構造になっています。

 

外側の部分を「副腎皮質」、内側の部分を「副腎髄質」と言います。

(おまんじゅうの皮とあんこみたいなものです)

副腎3 こんな感じ

 

この副腎ちゃん、私たちが生きていくのに必要不可欠な人たち(?)なのです。

何をしているかと言いますと、

 

ストレスと闘う

 

ということをしてくれているのです。

 

つまり、ストレス満載、山盛りてんこ盛りの現代人は、副腎ちゃんがちゃんと働いてくれないと生きていけない、ということになるのです。

 

続く・・・

 

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