「難病」の原因としてのマイコプラズマ⑤~慢性疲労症候群と線維筋痛症

しつこいようですが、マイコプラズマの話を続けます。

ちょっと難しくてすみません。

 

マイコプラズマ、とくにM.ファーメンタンスの関与が指摘されているのは、関節リウマチだけではありません。

近年とても増加していると言われている、慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:

CFS)と、線維筋痛症(Fybromyalgia:FM)もその内に入ります。

 

両者の日本における患者数は、慢性疲労症候群が30万人、線維筋痛症が200万人といわれており、実はかなり多いです。

関節リウマチが70万人~100万人と言われていますから、線維筋痛症はまだあまり知られていない病気でありながら、リウマチよりはるかに多いということになります。

 

慢性疲労症候群と線維筋痛症は、例えるなら双子の兄弟みたいなものです。

病気の土台は同じで、疲労が主症状のものが慢性疲労症候群、痛みが主症状のものが線維筋痛症と言われています。

 

慢性疲労症候群は、「原因不明」の強度の疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気とされています。

主な症状は、日常生活が著しく阻害されるほどの身体及び思考力両方の激しい疲労であり、他の症状として、微熱・咽頭痛・頭痛・頸部あるいはリンパ節の腫張・原因不明の筋力低下・羞明(目がまぶしい)・思考力の低下・関節障害・睡眠障害などが認められます。

慢性疲労症候群では、日常生活や就労状態に支障をきたすため、その経済的損失は年間1.2兆円(国内で)に及ぶという試算もあります。

 

線維筋痛症とは、全身的慢性疼痛を症状とする、これも「原因不明」と言われている病気です。

全身の筋肉痛・こわばり感・倦怠感・疲労感・睡眠障害・抑うつ・頭痛・過敏性腸炎など、さまざまな症状をともないます。

 

症状が似ているのもさることながら、両者に共通しているのは、シビアな症状があるにもかかわらず、一般的な検査では異常がみつからないことです。

原因としては、ウィルス感染、免疫異常、脳機能異常、ホルモン異常など、さまざまな問題が指摘されていますが、決定的なものはなく、治療法もまだ確立されていません。

 

これらの原因のひとつとして、マイコプラズマ感染症があることが指摘されています。

 

オスロ大学の研究によると、健常者におけるマイコプラズマ感染率が10%であるのに対して、湾岸戦争症候群患者(*)を含む慢性疲労症候群または線維筋痛症患者では感染率は50%以上でした。マイコプラズマ感染のある患者のほとんどは、抗生物質(ドキシサイクリン)の長期投与により、発病前の状態まで回復し、マイコプラズマ感染は陰性化ました。(2003年)

*湾岸戦争症候群は、湾岸戦争に従事した退役軍人にみられる、慢性疲労症候群と非常に類似した症状を示す疾患であり、マイコプラズマに汚染されたワクチンの接種が原因のひとつと考えられています。

 

米国分子医学研究所の研究では、マイコプラズマ・ファーメンタンス、マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス、マイコプラズマ・ペネトランスのいずれかの感染が確認された91人の慢性疲労症候群または線維筋痛症患者において、マイコプラズマ複合感染の割合を調べました。検出されたのは多い順に、マイコプラズマ・ニューモニエ(59%)、マイコプラズマ・ファーメンタンス(48%)、マイコプラズマ・ホミニス(31%)、マイコプラズマ・ペネトランス(20%)でした。2種類の感染は30%にみられ、3種類の感染は22%であり、複合感染はマイコプラズマ・ニューモニエまたはマイコプラズマ・ファーメンタンスの感染例でのみみられました。 (1999)

 

カナダにおける慢性疲労症候群「の臨床医のための臨床症例定義とガイドライン」によると、慢性疲労症候群の原因のひとつにマイコプラズマがあることが明記されており、マイコプラズマの診断と抗菌剤治療の提案が組み込まれています。

http://sacfs.asn.au/download/consensus_overview_me_cfs.pdf

 

 

これらの病態の原因はもちろん単一ではなく、複合的なものと考えられます。

詳しくは改めて書きたいと思いますが、通常原因が不明で、根本治療が難しいとされるこれらの病気についても、治る可能性があるからこそ、マイコプラズマ感染症を疑ってみる必要があるわけです。

 

続きます。

 


 

 

 

 

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